親愛なる友人に捧げる。
彼はミュージシャンだった。
バンドマンだった。
人生の中で一度だけ、スポットライトに照らされた。
だけど、彼の生涯は孤独と絶望と罰に塗れていた。
....
僕の通っていたひかり幼稚園は
お寺の中にあって
墓地は恰好の遊び場だった
4月8日は花祭り
お坊さんの園長先生は
あまりおいしくない甘茶をみんなに飲ませて
毎年自己紹介させる
め ....
桜が咲いた
今年も桜が咲いた
暖かな春の風とともに桜の花が
はらはらとゆれていた
息子と見た
今年もそんな桜を息子と見た
見る時間が少なかったけど
今年も一緒 ....
おいらはショクパン
耳はカタイが美味しいゾ
どこかの誰かみたいな登場だねぇ
からかう声がする
そんな事 言わないでくれよ
超ショックだよ!
ショックが溢れ出してしま ....
豪勢な夜空に見とれたまま
そこで立ち尽くしていたいのに
手を伸ばしながら、もう歩いてしまっている
夜を燃やしてくれてありがとう
そのふかふかの
つやつやの
枝のひとつにうずもれて
し ....
ある女の子がいる。その女の子はすべてを超越してスキップしながら楽しそうに笑っている。その女の子のいる場所にいつか行けたらいいなと思う。そんな日曜日。
けっこう血が出てドッキリカメラじゃなかった
星が瞬かずヒーローは来ない
熱い炭酸水が胸のシリコンの奥
140401
塩焼きが定番、早速コンロに炭おこし渋団扇ばたばた
ゆっくりとこんがり焼き上げた
箸を取るのももどかしくかぶりつきたいのを理性で抑制
お皿に載 ....
空がこんなに青いのに
心が晴れない
空がこんなに青いのに
涙がとまらない
空がこんなに青いのに
死にたいと嘆く
あの大きな地震から三年たって
家を建て直した人の窓ガラスが悪意で割られるという現実
廃炉問題や生活再建や瓦礫処理はまだまだ続きその一方で
こちらの生活は元通り
スーパーで売っていないものはない ....
廃屋に一本の桜が立っている
誰一人愛でる人もなく
人知れず枝を伸ばし
花を咲かす
月明かりの夜
街灯に照らし出されて
ぼんやりと薄桃色の
その姿を浮かび上らせていた
夜の静寂に ....
ちりちりと音立てもえる炎には
踊る火の子どもがいて
芋が煮え 栗が爆ぜた
囲炉裏の炎に燃え上がった
ファンタジー
雀が踊り 鬼が泣き
ああ 狸の背でもえる炎
を冷ややかに
うさぎの ....
小枝
小石
いきどまり
切り株
ほんのちょっぴりの孤独
ガラスの破片
命
太陽
これは夜
これは死
これは罠
これは釣り針
畑仕事
木の節目
カ ....
重力を連れて散歩に出る
途中で箱に捨てられた電卓を見た
すでに衰弱して鳴く気力もない
可哀想だったが液晶は嫌いだ
電圧に媚びを売る様が正視できず
家に連れて帰ることができないのだ
ポケット ....
ねえパパ
最近
珈琲カスをあまり食べられなくて
ミミズがかわいそう
娘たちがリビングで飼育している
数千匹のミミズ達は
私がドリップした後の珈琲のカスが
大好きなのである
だ ....
合気道の稽古で
左目を傷つけた
痛風の発作が
右の親指の付け根に出た
車庫入れのときに
自動車を壁でこすってしまった
黒皮の財布を失くした
それでもぼくは
幸せであると唱える
....
窓を閉めて風を消して
灰になったらもう会えないでしょう?
宝石を飲んだのよ
お仕事忙しいのにごめんね
雨繰りはもうずっとその町に暮らしていた。都下電車で49分。辛うじてマンション販売の吊り書きに「通勤一時間」と書ける街で、彼は暮らしていた。
暮らし向きはそう捗々しくない。週に四度ばかり都心に働き ....
桜並木に
祖父が立ってた
ずっと寝ていたはずなのに
Pianoのレッスンを
さぼったときも
学校を休んだときも
そうかそうか、と
かくまってくれた
花札をして
お ....
豊満な彼女に
白いタンクトップと
ホットパンツを着せて
ランニングマシンで
汗を大量にかかせる
事後のタンクトップをもらい
先ずはワイングラスに搾り
ソムリエよろしく
香りと味わいを確 ....
春風に舞う桜も
あるものは ひらり 舞い落ち
あるものは 高く
天空へと舞い上がる
舞い落ちる花々は
人々を楽しませる
これも人生。
舞い上がる花は
どこまで
どこまで行くのだろう
....
ネクタイは道具だった。
子供たちの憧れだった
二段ベットでゆらゆら揺れて
一番最後は不安な明日を見つめ
次の瞬間
おとといへと去って行った。
明日 綺 ....
結論がない朝 風が素通りする
乳児用の細軸綿棒で耳掃除をすると
耳の奥深くに綿球が入り込み
ふつうの綿棒では届かない部分で感じるわずかな痛みと恐怖が
心地よい
目には見えぬ自分の鼓膜付近で
薄い皮膚と細い紙軸の綿棒が ....
やさしさは省略された
ふりかえれば風速の弱い地帯
簡潔な救護をあずけた
そこかしこの明るみは
ひとつ、ひとつ、きみのなかに
重みを持っていく
ひとは、か ....
かなしみをください
あなたの傷口のように深い夜に
ことばをください
書き忘れた遺書のように
端正に綴ってみたいのです
桜が眼に沁みてなぜかせつなく
なにかを教えてくれるのですから
....
立ち呑み屋のテレビに年老いたプロレスラー
夏が秋のぶんも働いている
1908 1909 1910 1911 1912 1913 1914 1915 1916 1917 1918 1919 1920 1921 1922 1923 1924 1925 1926 1927 1928 1929 1930 1931 1932 1933 1934 1935 1936 1937 1938 1939 1940 1941 1942 1943 1944 1945 1946 1947 1948
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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