よそへいくための服は
襟のレエスがまぶしくて
びろうどのスカートが重くて
ぴったりしずぎてきゅうくつで
母さんが
帰宅するやいなや
着替えさせてくれるとき
ほっとして
わたしは
すこ ....
140526
スマート爆弾破裂して
ケータイ担いだ軽騎兵が
右往左往の駅前は雨模様
下向く侍頭を下げろ
中学生の大統領
三日天下の粗忽者
自分の足元を見失う
襟首から ....
そりゃ散々だったな
駆け足で登った螺旋階段 でもどこにもいけず
勢いよく押した回転ドア 新しい世界は見れず
唯一学んだこと 世間はイケズ
そりゃ飲まなきゃ やってられないな
迷う度に ....
ジョウロを持って
庭先に立っていると
植木鉢の間から
ヒョイと小さな顔を覗かせる
私と目が合った瞬間に固まった
キミと出会うのは
今日で何回目だろうか
植木鉢の森の住人さん
太 ....
{画像=140526015311.jpg}
サラリーマンとして
骨を埋めるところを探していた
降り積もった雪の中から
首を出す古木のように
少しの隙間を残して
雪に埋まり
冷 ....
何も湛えない世界を笑い飛ばして
小さな水溜りに片足を踏み込んでは
こんなことも出来ないのに
何故、見えない鎧に屈しなければならないのかと
途方も無いことを考える
灰色のアスファルトには
....
昇っていく 光の粒が
心かざすようで 眩しくて
見上げて口を開けていた
うなずき 消えるのを待つ
見えても見えない気がする ふしぎ
混ざって溶けて始めて
一つ一つがちがうと思えた
....
あたいは泣かない
全身全霊をもって感情を押し殺す
空が泣くまで、ぜったい泣いてやらない
耳のなかから歯が{ルビ一片=ひとかけ}こぼれてきた
それを拾い洗面所に行き鏡で自分の口のなかを見ると
欠けている歯はひとつもなかった
歯は依然わたしの手のなかにあった
....
湖で
平たい小石の水平投げ
6度跳ねて沈む石を想像して投げた
3度跳ねて沈む石
未来と今で遊んだ
3度跳ねて沈む石を思い出して投げた
2度跳ねて沈む石
過去と今で遊んだ
5 ....
牛乳の空瓶が 端に
置かれたベンチのもうひとつの端に
腰掛けていた女は ついさっき
どこかへ出かけてしまった
透明な管のなかを、只々
往ったり来たりしているみ ....
お前のこめかみに
銃口を当てて
重厚な声で
「三菱重工爆破事件の犯人は?」
と聞いて
正解できなかったら
ウイグル製の天津甘栗を
一袋受け取らせてやる
母さん
僕はピストルよりも ....
あたしはあれから
いくつかの夏を過ごして
青い海の白い波のきらめきに
あなたの面影を想った
あわただしい足音を残して
季節は通り過ぎていくけど
風にさりげなく流れる
あ ....
あつくなるからはやくって
あの人は確かにそう言った
いつものように いつもの温度で
抑揚のない声でそう言った
だから 呼び止めたのだけど
いつものように いつもの温度で
抑 ....
鼻をさ、ずーって吸うと、宇宙にいるみたいだよね。
少年はぽわんとした目をして、
さも気持ちよさそうに鼻をすすりつづける。
少年の鼻の穴はブラックホール。
そこから続く無限の世界は、
....
丁寧に裏ごしされた
かぼちゃの色が鮮やかで
牛乳の甘い香りがほんのりやさしい
鍋でことこと温めて
真白いスープ皿に注ぐ
手と手を合わせて
厳かに
ひと匙
口に含んで
こくり飲みこ ....
コーヒーカップを持ち上げただけで走る衝撃
要はこんな時にも陰で働いていたのか?
くしゃみでもしようものなら
まるで電気ショック
要は体中に回線を這わせて
あらゆる身体活動を統率していたの ....
華やかな街が
あなたの眼のなかで壊れていく
そのなかでだけ それは 死なされていく
小さく硬いなにかが振り回されている
大きく脆いなにかが燃やされている
咲き ....
「あの人エアコンらしいよ」
「エアコンって?」
「エアー結婚よ、結婚している振りしてるの」
「へぇ、独身の振りなら解るけど、どうして?」
「一人前に見られたいからだと思うけど」
「そう、でも ....
ジョン、ジョン、やめてくれ
来た、来た、来ないでくれ
ジョンの言い分はこうだ
「
眠い
眠りは疲れを癒すもので
休息を必要としないとなれば生はない
僕は生きているぞ!やったぁー!
....
アイリス
君を見てきた
誰もが君の姿に
夢や憧れの物語を描くけれど
アイリス
でもきっと誰も
そして僕も
知ることはない
ほんとうの君の
創世記も
黙示録も
それはただ君の中で語 ....
億年の
静かな回廊に光が満ちる
瞬間を孕んだ風が吹き渡る緑野
なにか山巓を降りてくるものを待つ
待つあいだにも自分の意志とか
わからないものに軽く触っている
風化した海図では
....
今日という日が終わり
明日になって
明日という日は
また今日になる
今日と明日の間に
また逢いましょう
夢の中では
なぜか車椅子のあの人と
薔薇の門を ....
指に待つ 花片
空に梳く 葉片
枝に眠る 夜片
丸い月は 一本の線
体も 木蓮も 雪も
声は 雷
天国は本当にありますか
目の見えぬ老婆はヘルパーの若い男に尋ねる
男は笑顔で適当に相槌をうつ
地獄は本当にありますか
末期ガンの老人絞り出す様な声はドクターに届く
ドクターは聞こえな ....
140525
私たちは不慣れなので
お日様が銀色になると
涙が止まらなくなるの
ラジオ体操をしながら
涙の滲みを気にしてる
犬も吠えるのを止めて
どうしたのと眺めてる
....
また、イスのせい
名のような
となえる声をかかえて {ルビ儘=まま}のみちゆき
昼下がりの野辺は
視界を圧するしろい雲
暑くてあつくて まだ夏のあかし
山本通は一本道
左に傾く舗装に ....
今晩一緒に飲もう
妥協しない責任感と
妥協できない責任問題
抱え込む難問奇問
偏頭痛なんか薬に任して
真面目に一緒に酒を飲もう
俺は人間が一番ややこしくて好きだから
きっと
俺もや ....
きらり
光るトンボの羽根
希薄な虚空を回る
季節
変化するのは
太陽からの距離と角度だけ
無限に近いだ円運動
の (くりかえし)
…螺旋…うんざりする
たった一度 ....
今日の渋谷はいつも以上に渋谷的
スクランブル交差点は青とともに人の海となり
すすみたい方角にすすめない
いつだれに刺されてもおかしくない
ひととひととの距離
まるで心を許しあった恋人のよ ....
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