風船をふくらませる
ギリギリまで、ひといき、またひといき
これが、わたしの 愛
この辺りではこれは伝統工芸品なのですか
うちわをしずかにかたむけた老婦人は
そのようです、と言った
夏至の夕ぐれ
これがそうです、と
少しくたびれたうちわを差し出され ....
国境に近い南の町に続く
砂埃だらけの道を
重い荷物を担った
若い兵士たちが行く
きみのしあわせは
ほんとうにそんなところにあるの?
きみが持っているはずの
すばらしい力や瞳の ....
夕凪の前に漂う溶けた粘土の身体
ただいま、という言葉を言わなくてよい
そんな自由に
かりん島のここここ鳥という物語を思い出す
殻を破り、あと少しで孵ることができる、というタイミングで
托卵性 ....
無料で毎週金曜だけ
ポルシェが借りられたらどうします?
「死んだら仕事はどうなるか
迷惑かけたくないから
ボクは今日できることは今日やっておくんだ」
「そうか、死んだら仕事は誰かがやる
オレは明日できることは今日やらないんだ」
「自 ....
エメラルド エメラルド
弦をおさえる指
年が改まる前の
閉ざされた窓
みすぼらしい小屋を風が揺らす
小さなかたまりが
ひっきりなしに打ちつけ
ひとつしかない灯 ....
あなたの意識の薄明のなかで
一匹のアルマジロがその躯を{ルビ捩=よじ}った
川辺には大小様々の板が砂を冠りねむっている
樹々に秘められた古くからの熱と
物語の奮えを ....
人生をリサイクルするつもりで
始めたリサイクルショップだが
案の定本人達の思惑は外れた
仕方がないので
従業員をリサイクルすることで
当座を凌ごうと思ったが
警察に気づかれてしまった
結 ....
萎んだ心に息を吹き込む
空気のように目には見えない
大切なものが漏れて往く
紙屑の皺を伸ばすように
歌い出す
いのちの輝きは遥か
記憶の地平の彼方
燃え落ちる花のように笑っていた ....
夏野菜をピクルスにする
間引きのキュウリと
大根と
色鮮やかなパプリカと
あなたの傍にいつもいられますように、と
ピクルスは今日も味わいを醸す
破れた袋から
{ルビ薄暮=はくぼ}がこぼれていく
それは一度として充ちたことがない
夕風を控えめな紅に染めはするが
あのときあなたが入組んだ顔で
言いかけたこ ....
灰色を塗りたくっている雲
散々泣いても
飲み込んでいくのだから
カッコつけた言葉を書いているのは
悟られたくない内側を
どうやって抱えていればいいのか
途方に暮れているから
貴方は大丈夫 ....
ふと立ち止まり
ため息を吐く
荷物は重いし 体は痛むし
おまけに天気まで時雨れてる
この不愉快な状況はなんだ
何のバチが当たっているのか
つらつら考えてみた
あれか… それともあれか ....
俺に触れたら
火傷するぜって
別にイケメン気取って
いるわけじゃなくて
スタンガンと同じ要領で
体の表面に
高圧電流を流してるから
本当に感電して
黒焦げになっちゃう仕組み
いろ ....
ひび割れた手がひとつ
水の底からあなたを呼ぶ
あなたの耳は砂の塊ではない
あなたの魂は揺らめく焔よりも眩しい
それをわたしたちはよく知っている
戦争は誰かの暴走ではじまる
みんなほんとはしたくないんだ
家事も子育てもできない女も
まいにち右往左往している男も
暴走をとめられない日和見主義者も
期待に応えようとマイ ....
風の調べに泣いていた
涙こぼさず泣いていた
ぐうんぐうんぐうんと
口笛がみずみずしいよ
空の調べにほとばしる
命散らせてほとばしる
すきとすき
夏だろう
....
題があるから
何処かに行ける
だから
LINEで縛り付けられたら
どこにもいけなくなる
新しいものを避けるのは如何なものかと
苦言を呈する人も居て
無料だから
どんどん採用すべしと言う ....
君は 温かい
子供を
産むために
命を
延ばすために
僕の血を 吸いにくる
針が
痛くないように
麻酔をしてくれる
どうして 君は
人思いなのか
僕 ....
ブーケ受け取って数えていた嘘の数を忘れた
亡き母に買ったワインをひとりで飲んで寝る
母の日だからと開けたワインでもう眠たい
生の私を丸飲みにしてはいけません
春の潮の中でふやけて
米酢の中で骨も軟化し
渦巻く流れに皮膚もすり減って
卵のように丸く滑らかになっていても
どこかに人を呪う棘を隠しているのです
胃に刺 ....
向かい風は願ったり叶ったり
よく上がるぞ
追い風なんて当てにするな
向かい風を受け止め
駈け上がれ
多少の雨なんか放っておけ
雨雲は低いんだ
すぐに突き抜けるさ
雨粒を弾き飛ば ....
何も知らないように
素顔のままあなたは私の前を通り過ぎた
見れなかった
見ずにいられなかった
午後三時のやわらかな窓辺で
小さな小さなオレンジ色の
イヤリングがちらりと光った
二足歩行型の人間は歩く。買い物帰りの失い続ける自転車とすれ違いながら。放心する鳥たち。世界には大きなひとつの命しか存在していない。あの電車のなかから見た外の風景のなかに僕はいる。
もういいかい!
まぁだぁだぁよ♪
なんどでも
繰り返し歌われて
元の意味が分らない
彼女に贈る歌かしら
咥えた指が、ガラス張りの胃袋の中で蠢き、
吐出したいグニョグニョの悪夢を掻き回してる
肘からゴボゴボと沈んでいった頬杖
まばたきをしても何も変わらない
絶え間がない
そう気がつく
....
{画像=140622083456.jpg}
*
言葉が漲っていますか
心が漲っていますか
前を見ていますか
手を握っていますか
感じていますか
感動してい ....
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