吊り輪にぶらさがってる
隣の女の子を
虫ピンでとめた
面影がみている瞬間
終電だけにゆるされた
いちばん夜の街
帰れないうつくしさ
ノイズみたいに走る車窓
ひそやかにリアルをのりつぐ ....
奇数行 長谷川忍
偶数行 鵜飼千代子
時々は嬉しいこともあって
蛇の目に注ぎのぼる酒を見遣ると
それでお酒を呑む
波立つおもてにやがて 習ったよう ....
当たり外れあるさ
そう思ったのは午後九時ランドマークで
ここも地球と呼ばれていた
いつもの八割
空き家になると、大体どこも同じようだけど
最後はみんな変わった例のあいつらに
上を向いて歩こうと
永六輔が詩を書いていた頃
人はみんな、ひとりぼっちだった
今も、自分がたったひとりぼっちだと知る者が、見上げるのは空だ
ひとりぼっちよ、空は青いか、 ....
ボニー&クライド
昨日僕達は
5時間だけ
ボニー&クライドになれた
「詩にして」って
ボニーが言ったから
僕達のこの特別な時間のことを詩にしているけどさ
本当に分かり合えるのは
ボニー ....
美しいもののすべてに
騙されてしまいたい
と 思ってしまうほどに
世界はそれほど綺麗じゃない
けれど
あなたをめぐる血液が どうしても薔薇みたいに見えるので
その生身の肌だけで いつも華や ....
天使は川辺にて体操座り
しょぼくれた顔をして
目には涙を浮かべている
どうしたの?
と聞くと一息に
天国へは階段で行くべきなのに
どうして私は船頭の格好をさせられているの?
六文銭とか言 ....
風が流れる
静かに
静かに
時をのせて
積み重ねてきた歴史
生きてきた証が
そこにあるから
ひとは
ひとに
やさしくなれるのだと
包み込む自然が
微 ....
達者でありましょうね、きっと
必ずや笑んでおいででしょうね
喜びようの一つ一つを隔てなく
過ちようの一つ一つさえ隔てなく
見届けてくださった、あなたですもの
わたしがなにを望 ....
ここは一体、何処だ?
冷たい
暗い
分からない
不明な場所
僕は一体、何処にある?
僕の場所とは一体何処だ?
人の心は何処にあ ....
思い出す帰還
巡る回廊
取り戻す意思
何か有るから
廻る回路
彷徨った路地
僅かに掠る空
何も無いけど
実はハウリングで
さよなら
乾杯カビの生えた氷
刺青のキティちゃんが泣いている
おでこに半額シール貼った女が四畳半の部屋にぎっしり
自分がどこまでやれるのかなんて
そんな小さな事は忘れましょう
例えば空より高い所にある宇宙は毎日誰にも
気づかれずに大きく広がっていく
だから自分も知らない間に
大きくなってゆくのだから
....
ここで死ぬのは危険です。
コンクリートの塀に添って
浅く掘られた排水路には
緑色の水が
日照りの夏も
凍てつく冬も淀んでいて
水中に浮遊するべき
ボウフラ・ゾウリムシの類いも
泥中にたむろするミミズの姿も ....
破滅へ向かうバスの窓は覆われている
バスは奈落へ向かって疾走する
車内では半裸の乗客たちが
飽きることなく痴態を繰り広げる
恍惚の表情を浮かべ重なり合う肉体ひしめく叫喚
内耳から滴り ....
精神は境界に達する時、全ては粉々に、あらゆる事象が無
になってゆく。間違いだけが瑞々しく犯され、あらぬ嘘と
信じがたい嘆き、あなたにだけは苦労をかけぬ、と在りし
日の祈りはこ ....
おまえの好む女
つやつやの肌が綺麗なブス
潰れた鼻の
先
ふちどる茶色い眉毛
ほうぼうに散る一つに結った
髪の毛
一重まぶた
小さな黒目がぶつりと光る
歯のきいろい
どうしようもな ....
空を飛ぶ夢。
空を飛ぶ夢。
空を飛ぶ夢。
最近よく見る。
海に潜る夢。
海に潜る夢。
海に潜る夢。
最近よく見る。
その輪郭と微笑み。
その輪郭と微笑み。 ....
それにしても
不覚ではないのか
何か
流氷に
頭をぶつけでもしたのか
凍りついたままで
千年も気絶していたとは
僕も長い人生で何度か
頭をぶつけては
気を失いそうになったけれど
ま ....
世の中うたが多すぎて
とても選ぶことなんてできない
本当に歌いたいうたたったひとつ
世の中うたが多すぎて
いつか忘れてしまった
本当に歌いたいうたたったひとつ
むかしむかし、だ ....
【水だ】
空が、しだいにコーラルブルーに
かすむ
骨だけになって、鯨は
今日も尾頭付き
水族館の いっかいから
二階にかけて
....
花を照らす灯が消えて
風がひとしきり吹いたあと
花は土を
濡らすように照らし出す
幾何学の家
同心円の小さな灯り
地の風が雷雲を追い
やがて窓は静かになり
....
1番線、ドアが閉まります。ご注意ください。
5番線、電車が参ります。 ご準備ください。
14番線、窓が開きます。ご用意ください。
23番線、天井が倒れます。ご安心ください。
7番線、特急が通過 ....
小籠りくすぐりあっているのが
お仕事に影響するのは、はた迷惑ですね
「嫁の躾しろよ」という話になる
小籠りくすぐりあっているのが
生活を後ろ楯るのはいいですね
仕事は進む ....
行く先はここだ
男が寄越す手紙は
宛名が無い
遠き地への旅路
ある犬がアルペジオを踏んで海の記憶のなかで眠る
鉄面皮から温かい血が飛び上がり赤く染まった両手を見る
小さな白痴のように路地裏で踊る
手から砂がこぼれ落ちる時を見ている
祈りと ....
庭にゆりの花を植えると病人が絶えない
そう教えてくれたのはあなただった。
家長がほいほい死んでしまうから、とも言ってた。
そして笑いながら、赤黒い球根を掘り返した。
秘密を知られている ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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