一般病室に引っ越して窓が明るい
忠犬に黒歴史を掘り返されている
一日中、
こわれた雨樋をみていた
網戸にささって死んだ虫をみていた
あなたがこのよにいきているなら
わたしがしぬことはぜったいにない
わたしたちのなかで 言葉 ....
毎年エジソンを読んだ感想文
しをかんがえる。
詩をかんがえる。
死をかんがえる。
詩は、
死の鏡
人は死ぬ瞬間に
必ずひとつの詩を残す
*
ぽとん、
グラスのなかの
水に赤い汁 ....
マリエ、隣のクラスのマリエ
呼び捨てなんて失礼だから
マリエさんと呼びます すいません
図書館で本を読んでるときの
長いまつげが目にかかる姿が
誰よりも綺麗なの
マリエさん自身 ....
夥しい計算式の詰まった階段を
毎日一段ずつ登るためには
パソコンの皮をきれいに剥いて
機械の瑞々しい果肉に
自分もなってしまえばいい
機械も人間も絞れば同じ果汁が出てくる
....
今のところ、
雨漏りバケツ半。
溢れることはない。
自信がある。
長雨は、
天井裏に住んでる奴らの糞塊を
丹念にドリップしてくれる。
「凛子、コーヒー的のが、入ったよ。」
....
台風が近づいている
博多発 こだま758号
速くなる雨足と進行速度
夜の闇を裁断して行く
誰かの咳き込む声
冷房のノイズ
四角窓を打つ雨音
時速220kmの静 ....
手首が落ちていた
拾って見聞
多分女性のもので
若い
爪は綺麗なピンク色に塗られていて
指はすらっとしている
中指が人差し指より
少し長くて
生命線がはっきり見える
匂いを書いで ....
猫がならんで立っている
おまえはもう十六ではないのだよ、と
言ってくれるが
なんの救いにもならなかった
良いのかどうか
問いかける気持の裏がわで
浮かんでいるふたつのひざ小僧
がさがさで傷だらけでちいさくて口をつけたら割れそうだった
ママ
と言ったかどうかは
おぼえてない
言いたか ....
元従軍慰安婦を見ると
70年の月日を考慮したとしても
兵士にも選ぶ権利はあるぞ
と強く思う
強制するなら
もちょっとチョイスすんだろ
ああ、あさし新聞さんよ
そうだろうが?
雨の中
強がりずんずん歩いて行く
知らんぷりしたいけど
それだと足が止まる
坂道を登ってゼエゼエなっても
歩みを止めない
過去から進むため 生きるための
これは試練
....
なくなる
なくなる
いずれ
いなくなる
いなくなる
いずれ
ならば
悔いなく
悔いという悔いを焼べて
....
大雨洪水注意報
彼女に涙を流させてはいけない
そのあとですごく経費がかかるから
落雷警報
電気ショックで何かが復旧するとは想わない方がいい
普通のひとは死ぬ
落石注意
気がついた ....
四日後
銀の風船を
腰に繋ぎ止め
兵隊はやってくる
ずっと街で
警報器が鳴って
現場の一角で
野次馬が騒ぐも
いそいそと
消防隊は
ホースを巻き上げ
ぼやだったと
笑いあう
....
仕事を終えて
アパートの玄関を開ける
先日
酔いすぎてもどした
消化途中の言葉尻が
まだ
黒ずんだ上がり框に
飛び散っている
向かいの棟の方から
チリチリと音がする
数日前か ....
冬の西日が射し込む病室で
みっちょんが見舞いに来てくれた
「朝一番の新幹線で
大阪から来たんだよ
お見舞いには何がいいか
オカンと喧嘩しちゃった」
そう言って笑ったみ ....
彼は泣いた
わたしが書き上げた詩を読んで泣いた
ことばに泣いたのではない
すばらしさなど彼にはわからないから
詩の気持ちがわかるから泣いたのでもない
むしろわたしの気持ちがなかったと気づ ....
雲から作られた
真っ白なキャンバスに
君は向き合った
夜をチューブに詰め込んで
君は黒い絵を描いた
星を砕いて水で溶かして
黒い絵に瞬く光を浮かばせた
望遠鏡で君の絵を見 ....
蝶の道のように
川を遡る魚のように
潮が満ち引くように
陽が昇り落ちるように
鳥が巣に帰るように
私はこの家に帰ってくる
もしもあなたがこの家から居なくなっても
ここが私の戻る場 ....
{引用=
とてもおなかがすいたので、
おおきく口をあけてみた、
すると小魚たちが、
つぎからつぎへと、
のみこまれていった、
ぼくはくじらだったから、
か ....
ひとりでいるときその秘密を
写メか動画でおくりたくなる
ひとりじゃなかったと
その切実な気持ち信じこみたいから
だから喜ばれる
だからなくならない
だから株を買 ....
ケイコさんは
帰る家を探している
いつか住んだことのある
川の傍の古い洋館
蔦が壁一面を覆った
赤いトタン屋根に
所々塗りの剥げた
白いバルコニー
夜になると屋根裏を鼠がはしり ....
みんなみんな渡り鳥
みんなみんな切実さをもって
なんぜんメートル
なんまんメートル
空高く海越えていってしまう
みんなみんな渡り鳥
まっていてくれなかった
....
風もないのに木々がたわむ
木々が葉うらを騒がせる
風もないのに
風もないのに
風もないのに不穏がゆきすぎる
地球の皮が地球の皮の下が
ちいさくちいさく
震 ....
ハンバーガーを三つ頼んで最後の一個を
半分で残したので包み紙にくるんで溢れ
そうな分別できないゴミ箱に真顔で押し
込んでいた。
テレビでこわいウィルスで黒人がいっぱ
い死んでいたときに通 ....
アスファルトの
肌が焼ける臭いに
辟易しながらも
太陽を背負ったままの
僕にとって
影の温もりを
抱きしめることが
本当に罪深いことなんだと
鼻先に突き付けられた
絶縁状の文字の
....
祭りの翌朝
小雨降る広場で
ゴミと小銭を拾うお年寄りを蔑む中年夫婦が
小さな野花を踏んだ
こんなに綺麗な花なのに
本物の生きている花なのに
偽物だらけのこの世の中に
確かに信じられる ....
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