きれいなものは とおくにあるから きれいと
ちかくになったら いやなところが みえてくると
ごちゅうこく してくれた ひとがいたけれど
あなたは ちかくになっても きれいでした
あなたはつ ....
どこまでもきらびやかで
まぶしい灯りの下
見えないものは
どこまでも見えないままでいる
通りすぎる車という車の硝子を
緑色に塗りつぶしている
何をされても
何 ....
玄関の網戸
寝たきりの犬
みんな跨いで通る
風とおしのいい
ぴくりともしない
玄関の網戸
寝たきりの犬
....
八月のフェイクな午後
焼けたボディを持て余す車たちの間を
盗っ人のような急ぎ足の俺。
金で調達した相手との
たった2時間の悪戯の為に
ホテルのエレベーターに滑り込む
アスファルトの上に ....
夢の中で男と二人連れで歩いていた。河原に降りていくと一面のススキで、その間の小道をさらに河沿いまで下っていった。辺りはもう夕方に近く、光の濃度が高まっていた。「見なさい。」男は言った。「あ ....
宮本輝の泥の河を閉じて雄太は病室をでて用をたしにいった。
点滴をしたまま廊下を歩く中山さんとすれ違って雄太は顔も向けずに頷くような挨拶をした。
雄太の胸にすっと冷たい風が差し込んだ。
雄太は用を ....
ししゅんきに
少年たち、少女たち
秘密をはぐくむ
親友にも打ちあけない
まして 親なんか話さない
大事な秘密をそだてる
それは
生きてゆくために必要な秘密
けっして
解か ....
目蓋を閉じて
皮膚の下に流れる音を辿る
爪先から心臓まで
留まる事なく巡る
透明な、その筋を、
罪と言うならば
この牢獄から逃れられる者は
誰も居ない、と
永い月日が織り上 ....
あの夏を忘れない あの夏を忘れない
あの夏を忘れない あの夏を忘れない
ウラシマタロウ君(28歳)のナツヤスミに終わりはない
何故なら高校3年のナツヤスミからずっと
1 ....
なんとなく分かるさ
それは、たぶん嘘
それならそれで構わない
なんとなく分かっていたさ
それは、多分うそ
何だか酷く疲れてる
その嘘の裏側にある想いが
実るのを願ってみよ ....
こんなにも幸せな誕生日は初めてだ
今まで
今日という日まで
生きてて本当に良かった
って思えた
今までだったら嬉しい時に
“今なら死んでも良い”
って ....
アトピーを掻きむしることのほかに
何ができるわけでもない夜
手の甲をがりがりと掻けば
私がこぼれる
私であったものが
はらはらと床に落ちて蓄積する
少し血の滲んだ指に絆創膏を貼って ....
約束は
果たされないことの方が多いから
寂しそうに微笑むんだね
きっと、だれしも
去りぎわに
けれど
約束は
全く果たされないわけではないから
なおさら人は微笑んで ....
沈黙の夏
一緒に溺れてしまいましょう
強く右手左手赤いロープで結って
動けなくなるまで
私たちは夢の中
心優しき人が胸を痛めているように
振る舞うのが詩人らしいと思うの
でも、たまに心優しくない人の
刺々しい言葉に接すると
「あんだあ、おめえみたいなクズ
消えちまいな!」と
いっそうハートフ ....
とにかく頑張る気だった
父を棺に入れる時も
親戚の人達と共に
ぐにゃりと 固定できない父に
白い旅装束を着せて
和尚様の教えに従い
とにかく 無事に弔いたかった
和尚様が 小学に入 ....
とめ、はね、はらい、が
美しく表現できる ペンで
誰にでも 恋文みたいなことを
描いたりする 頭の中は
だいたい
とめ、はね、はらい、だらけの
行動を 起こしたがる
....
<優しいままでいておくれ>
くたばりくたばり仰向けば
変わり者を見る人の群れ
思い出だけで奮い立ち
いいことあるさと言い聞かせ
嘘かほんとか分からぬままに
答えることが求められ
....
天使は近眼
俺がどんな表情をしているか
見えていないのさ
同僚の悪口を言うとき
明日への怯えを口にするとき
どんなに醜い顔をしているか
天使はだまってこちらを見ている
そしてふくろをがさ ....
風の青い薫りが
辺りを包んで
私の髪も揺れていました
それでも
あなたの眼差しは
遠く遠く
あの空の向こう
私のことなど
少しも映らない
シエラ
いつか教えて
レ ....
『鋏』
月が、
夜に噛まれる。
欠けていく姿は
溶けて海となった
残り少ない流氷
その上に、
この足は立つ
諸手は木の柱に括られて
身動きができない。
足 ....
私の人生が終わっていく時
私は私が得る事のできなかった様々の事を思い出すだろう
それはあるいは夏の微風や、春の穏やかな午後
精悍な顔した少女の後ろ髪や冬の枯葉の匂いや
病床 ....
夢の成分が星ひとかけらに相当するとしても
幸せな豊穣には私はもう生きていないかも知れない
と私は手の沈む先の海に密告しなくてはならない
ただ生きているってことは私が海であることだから
まだしも ....
強張る唇
黄色い目
紫色の顔
手を差し出して
その紙をつかみ
そそくさとソコを
後にする
人々の目が光っている
囁き声がザワザワ
床が歪む
まだ殴られた方がいい
痛み ....
夏にさよならを
今年は雨が連なりますね。雷師も人格が変わってきたようです。
と、お天気お姉さんが言っていました。
それはそれで構いません。
カレンダーを丸めたような手紙をバトンにして
....
髪の長い不思議と柔らかい表情を湛えた男は言った
殺したい
初めての感覚だった
スキンヘッドのいつも顔を歪めている男は言った
殺されたい
ある日何の前ぶれもなくそう思った
僕達に共通 ....
心細さを擽る風が
お腹の底を吹いたかと思うと
今朝からは
おびただしい数の赤い蜻蛉が
突然現れたにしては
脅威的な確率の高さで
ペアを組み
次々に風を横ぎっていく
二匹ずつきちんと ....
あの日以来、
君のその瑪瑙色の目を見てから
すべて吸いとられてしまった
この腕にじみついていたものすべてが
洗い流されてしまった
君のその瑪瑙色の目を見てから
ぼくの黒い目 ....
ピキッと入った 切れ目が
縁の切れ目と 呟いて
円形の 筒を 見詰める
堆く 積まれた 其れは
彼方迄 伸び
留まる事を 知らない
トクン トクン
この 心臓を
赤い 血液が
....
確かに君は昔ほど若くない
けれど胸の内に熱くたぎる
血潮忘るるなかれ
失ったものを今考えても仕方ないか
ら
今できることを一つ一つ数え歩こう
遠い昔に想った人は今何処で何処 ....
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