そのむかし貴婦人が揺られたような
そんな優雅な馬車じゃない
年季の入った歪んだ車輪で
牛馬の糞を踏み散らしながら
凹凸しかない悪路を行く
軽やかな蹄の音の悠長な響き
バナナ農園で働 ....
乳母車を押して
雪道を祖母が
駅まで迎えにきてくれた
ずっと昔
汽車は忘れるほど駅に止まってたもんや
毛糸玉がだんだん大きくなっていく
古い服が生まれかわって
新しい冬を越す
ぼくの記 ....
ぼんやりと歩く新宿
通りに感じる 過ぎた日の時の流れ
自分ではなくこの街の過去を
そして 思う あの日の自分の姿に
無印良品や かつての
訪れたことのないギターショップを思う
試奏 ....
シンプルな化学反応
AとBをまぜて加熱すれば、詩ができる
Aはあなた Bはわたし
つながる
つなげる
心のイヤリング
果てなき ネックレス
ちゅんちゅん
ちゅん・ちゅく・ちゅん
いつまでも 続く
おしゃべり
独り言が
つづいているの?
....
愛は探している物だと思います
この僕も欲しいくらいです
大好きだったあの人に
願いを込めながら
昔 あの人は言いました
「貴方はすぐに見つかるわ」
と言いました
....
今夜も解けないパズルが肌を燃やす
似てない子を連れてクレープ屋の列
枯れたクリスマスツリーに星を飾る
ある夜夢を見た 欲しい物は何でも
手に入りすべて自分の思い通りになる
夢を見た それは現実より素敵な
目が覚めれば繰り返すだけの毎日
でも今日は違うみたい
自分の見てる景色や人が
いつ ....
海底にある火力発電の炉が美しい
くらい水の奥から透過する火のゆらぎ
きみらは
新しい土地のように、町をあるく
若い者はみな都市にでてゆき
老人ばかりが残っていることを
恥ず ....
私の身分証明書を コピーし続けるバイヤーの友人は
お金半分と 見えない敵に脅されている
アパートの向かい同士に 姿のない隣人
電気のメーターの数字の物音だけ上がる
チカチカする ....
まず、お茶碗を洗いなさい。常識を覚えるのです。
つぎに、旦那のパンツを毎日 洗いなさい。愛を育むのです。
さいごに、幸せだったと言いなさい。約束を守るのです。
はい!
せんせい。せ ....
いえにかえると
やさしいいきものがいる
いやなはなしはわすれていいよ
へんなことばでころげていいよ
ひとりになってないてもいいよ
あしたのてんきをあとでみせてね
うどんとぱすたとひじきとつ ....
玄関に小人がいつまでもいて
眠りから覚めても
いっこうに帰る気配がない
そろそろ暮れたから
森に帰ったほうがいいよ
と耳元で嫁々が歌うと
舌を垂らして片目をつぶる
熱い風呂を焚い ....
街道の銀杏並木を
コートの襟を立てて歩く
風が冷たい
おまえの緊張が伝わる
何を不安に思っているんだ
俺はただ真っ白い灰に
なりたいだけなんだ
「私、ついていけそうもない」
「行くのか ....
ある土地では人が死ぬと川岸に埋めたのだという。
その場所で祀りをし骨は年ごとに沈むか時に流失する
何処に誰が埋められているのかを知る人がいる間は
祀りは続くが知る人がいなくな ....
頭をガンガン殴りながら
朦朧とした状態、
半無意識の状態で
自分の深層心理に流れる
メロディを掬い取るという
画期的な作曲方法を編みだし
その方法を用いた名曲「ASAGAYA」で
一躍時 ....
神は眠りの神はどこへ誘う夢の底の浅い夢に
神は眠りの国へ誘うどこの夢の中のひどい裏切りへ
神は眠りのゆりかごはゆりかごの夢の夢の夢の
神は眠剤の神は誘う永遠の眠り
幾つもの重い十字架を背負って
衆目の軽蔑のまなざしに怯えながら
私は丘の上へと向かいました
背負う義務などなく
ましてや犯した罪などなく
ただ善良な人たちが幸福であるために
善 ....
電池パックの裏蓋に写真を貼り付けて
心に姿を浮かべながら
身体の代わりに携帯電話を抱きしめる。。
コピー詩集を携えて
下町の路地を歩けば
スカイツリーによじ登り
ひしめく街並みの中 ....
灰色の地面に咲く花は、きっと灰色だろう。
オフ・ホワイトの空には、黒い月が昇るのか。
黒ずんだ葉の白百合の園には、黒猫の屍骸がある。
そこに佇む貴方は黒いドレスに、蒼白の顔が映 ....
「お前は死ぬことだけ考えていればいいんだ」豚の頭を撫でながらそう呟いた。いずれ僕に食べられる運命なのに、憐れな豚はすごい食欲で飼料を食っている。
どうやって殺そうか。餌をやりながらいつもそのこと ....
まぎれもなく私の時代をつくってきた人たちが、
いつの間にか道の途中、押し並べて額縁の中。
わたしは、
ガラス張りの向こうのモナ・リザを肉眼で見ようとしない人たちと一緒に、
一方向に寄せるだ ....
時々家に帰ってくる君に
野菜を食べさせなくちゃと料理する私
君は
張り切らなくていいからと言う
じゃあね、また来るからと
出て行くときには
うん、またね
あっさり見送る
君が初 ....
句に負け句に勝ち一句一句歩く
夢を続ける塩をまく
もうすこしがんばれたかもしれない傘をたたむ
鏡のうちにはあなたが映る
本当のあなたと
本当ではないあなたと
そのどちらにも当てはまるあなたと
どちらにも当てはまらないあなたが
映る
鏡のうちには時間が映る
過去と未来と現在 ....
平日午前十一時四十分発の
高速バスに乗る人は
どこか イワクつき
一番初めに声をかけてきた おじさんは
昼間から泥酔していて
小さな透明のペットポトルの中に
日本酒を入れ ....
1768 1769 1770 1771 1772 1773 1774 1775 1776 1777 1778 1779 1780 1781 1782 1783 1784 1785 1786 1787 1788 1789 1790 1791 1792 1793 1794 1795 1796 1797 1798 1799 1800 1801 1802 1803 1804 1805 1806 1807 1808
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