冬の音にまじって笑われずにすんだ
夏を失って途切れ途切れのバラードが千切れそう
夜暗の{ルビ静寂=しじま}を木がさらい
あしたの歯車が回りだす
小鳥のうたにくるまれたなら
いのちは深く息を吸う
{ルビ一夜=ひとよ}を越えて去る星に
またねと花が笑いかけた
....
生活音に掻き消されるミュージック
耳を塞いだら何も聞こえない
何も聞こえなきゃ辛くもないかな
そう思ってみたりした
飛び交う視線をすり抜ける焦点
目を合わせなきゃ恥ずかしくない
恥ずか ....
懐かしいという言葉を話すと
鼻の奥がツンとくる。
春はまだ来ないが、
冷たい風が吹いている。
君と二人、風に乗って行けるものなら、
君の生まれ故郷のこけし橋の欄干に行きたい。
....
亀が存在するかしないかは
ハーフ、ハーフの確率だ
(まおたん)
もしあなたが
亀が存在する方に賭けて
亀を信じて一生を送り
死んだとする
実際に亀が存在した場合
あなたは気持ち良い ....
前向きになるっていったから
後をついていったのに
いつのまにか過去の私にであった
隣のひともそうらしい
どんどんすすんでゆくと
むかしにもどるんだってさ
信じなくていいよ
死ぬっ ....
死ぬ時が来たとして
痛みを抱えているのか
苦しみを抱えているのか
その時の自分はどんな感覚なのだろうか
想像しても
想像しきれない
死ぬ時の体調、心象、環境、諸々
読み切れ ....
『お母さん、最初から一緒に寝てほしいの』
『あのね、お母さんは忙しいの。
後で行くから、最初は一人で寝ないとね』
今夜も娘は
テディベアを抱きしめて寝ている
その規則正しい寝息を確認し ....
己の罪の数だけ
要らぬ蕾をつけるがために
言葉と孤独を闇に吐きつつ
切ない光合成を繰り広げる
届かぬ時空に
半端な想いを投げ上げて
何もつかみ取れない握力を
夜毎くどくどしく恨み ....
「アタシ長生きしたいな
ねぇ、長く生きたい人ほど
早く死ぬって本当かな?」
「オレに聞かれてもなぁ
まぁ、死を怖れて生きるからね
ストレス溜まるんじゃないの」
「それじゃぁ、早く死 ....
私の可愛いがって居るねずみに
とても不思議な雌が居る
色が変わるのだ
本当だ
変化は徐々だが
気がつくと
「たぬぽん」と呼んでいたが
別の色
ううむ
私が狂ったのだろ ....
この町にはずっと海の音が聞こえていた
ざらついた時間のようだった
意味のない切実な話し合いのようだった
もちろん安らかなまどろみのようでもあった
帰還兵に銃剣を突き付けられてい ....
失われちまったもののよこで
潮風に吹かれていた
貧しい暮らしはあたりまえのようで
ぬくもりを確かめれば
ふたりこんなの初めてだった
いちご畑で待っていな
もう触 ....
無価値だと思っていた自分が、
酷く重い、
みえないものを
背負っていると気がついた。
それでも両足は、
シャベルカーが崩している廃墟の砂漠で
呆然と立ち尽くしているだけ。 ....
とてつもなく静かなんだけど
やっぱり生きている今日
まるで植物になったみたいだけど
もっと俗なイキモノです
ほしいものは現金です
だって唯一信じられるでしょう
なんだってお金で買え ....
宮城の豪農の子孫である
わたくしの家が
アメリカンのせいで
父の代から
サラリーマンにまで成り下がった
ことを今でも深く恨んでいる
従って横須賀に住みながら
進駐軍の兵隊の隙を伺って ....
勝手に死んでしまった猫が
地面の下で 魚が食べたいという
いくら魚が食べたいと思っても
ここにあるのは石っころかミミズかモグラか
去年あんたが埋めた三輪車くらいなのだからと
しつようにしつよ ....
君は自ら選んだようだが
「あなたは世界に黙殺されたのよ」
耳元で囁くように女の声が聞える
聞こえなかったことには出来ず
煙草に火をつけ
煙を吐き出す
大きく息を吐き
時計を見る
針は見 ....
音楽を聴きながら
さようなら
さようなら
盃
灰
無色の猫
世界なんてわからないから
君の僕の
心次第
今次第
過去次第
変わって見えてしまうから
決してわからないんだ
僕が ....
私が何事にも興味や関心を示さないのは
死んだ後に色々楽しむ為だ
生きてから死ぬまでの時間より
死んでから生まれ変わるまでの
時間のほうが長いから
生きている内に全てを満たしたら
死んだ後ヒ ....
今度露胃チン
日有るロンさん
グル濃さ眠
ポリフェノール
リコピン、セサミん
イソフラ凡
一歳でも若く見られたい
一日でも長く健康で過ごしたい
ぴんぴんコロリが理想です
認知症だ ....
どうしたいんだ
雲になりたい
何をしたいんだ
告白したい
楽になりたいんだ
言葉を吐き出して 自分だけ楽になりたい
答えがでないんだ
三次元から飛び出して
....
やかんに水を入れて火をかける
ぽつぽつとやかんが
今日あったことを
私のかわりに
喋り出す
こぽこぽと
良いことも悪いことも
とりあえず言葉にすることで
ふうっとため息
すうっと深呼 ....
どこにもない場所を教えて
だれもまだ踏み込んでいない花園に
こっそり招待してほしい
月のなくなる夜でいい
火も電気も眠るころに
しずかにねどこを抜け出して
あなたの闇に逢いに行くから
....
矛盾を含んだ問いかけにはどう答えたらいい
かなんて考えるより先に手が出る足が出るの
予算オーバー火の車な我が家は狭いながらも
楽しいなってな家路にはつかないのさたった
いまでかけるところなのバ ....
{引用=––フレデリック・ショパン「夜想曲第六番」に}
球
それはひとつあった
それはさっきまでひとつではなかった
あるいはこれからひとつでなく ....
あさのこない宇宙
地下鉄の風
とおくまで行くには
すこし遅かったみたい
ひからびたえんぴつで
描けることば
ほんとうのことだけを
きみに渡す
この不安も明日には
なくなっ ....
雲から透け見える月は
満月ではなかった
やっと月が満月でなくなっていた
満月は三日続いた
水道は止まったままだった
粉薬のような雲が
バーニーの絵の光のようだっ ....
私は仕事をしている。仕事場は道路の真ん中であり、仕事をしているとすぐにクラクションが鳴り車が渋滞し警察がやって来るので、しょっちゅう仕事場を変えなければならない。私は仕事をしている。仕事着 ....
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