みんな崖っぷちが
嫌いかと言うと
そんなことはなくて
大横綱双葉山は
まだ駆け出しの頃
土俵際に押し込まれてからの
うっちゃりを得意としていたし
かのモハメッド・アリは
自分からロープ ....
黄色い西日が
うっすらと
家々の窓に手をかざす頃
いよいよ濃くなる
鉛色の空の下
次第に風に削られていく
私は冬
傷ついては修復し
和解しては
なお打ち倒され
ざらざらに荒 ....
たいていは
洗面所に置いてある
プラスチックの小さなコップだ
うっかり注ぎ過ぎると
すぐに溢れてしまう
もちろん
茶碗や湯飲みでもあるけれど
哀しいくらい量産品だから
いつ取り ....
{ルビ九十九=つづら}に折られた時の束ね
行きつ戻りつ
差し挟まれた幾つもの文から萌えて
息吹く面影がある
月が像を失い
奔放な青と黄が眼裏を揺らす夜に
散り積もった悲色の花びらから
....
数えきれない夢の中から
数えきれるほどの目標を定めて走る
人波から離れて努力に耽ることも
努力から逃げたくて人波にまぎれることも
しかしながら、どこにいてもちらつく努力
近道 ....
庭の片隅にある金柑の木
棘の生えた枝の先に
その日もイモムシがいる
太い緑色の胴に
胸には眼の黒丸
突っつくとオレンジの角が
にゅーっと
その日もイモムシがいる
イモムシはじっ ....
〜ふるさと〜
春の野に
陽はうらうらと
ささやかながら
何もかもが美しく
牛の声に
目覚めた少年が
松林に抱かれながら
走りました
小さな車両は
都会への夢をのせ
の ....
大昔からそうだったように
この先もずっとこうなんだろうと思う
物語にはただアダムとイブと蛇と林檎が出てくればよい
要素はそれで全部足り ....
朝は難解である
アスファルトの奇異な色彩
人気のない誇張された静寂
待合室は不自然に明るく人を拒む
僕は始発電車に乗ろうと
駅のホームに立っているが
朝は難解である
時間は動 ....
雨にも負けないデクノボウだった。欲もなく、慈悲に満ちて、多くの人を助けながら、名誉を望まなかった。高潔でもなければ人格者でもない。ただ純粋な心を持ち、朴訥に生きていた。そう、彼は悪魔だった ....
愛おしいものを
づっと大事にできますように
信じられるものを
ずっともてますように
目一杯
遊んでお腹いっぱいに
やりたい事全部やれますように
何も残さず
満喫しよう
独り暮らしの部屋に
帰ったとき
消したと思った
部屋の灯りが
ついていた
気づかなければ
どうでも良かったことが
気付いた途端
後悔に変わる
と思ったら
隣の吉田さんちの
9 ....
かわいいだけじゃだめかしら?という言葉が昔流行ったけど、かわいいだけでいいと思う。
彼女たちはその笑顔だけで、絶大なるエネルギーを我々に与えてくれます。今宵のリアルな経験談。
Do you kno ....
妻からは
しばしば
無責任!となじられるので
とんでもない事件を起こしても
責任能力の有無が
焦点になるのではないかと
期待してはいるんですが
そう言うことではない?
違いますか? ....
感謝ってぜったい
肩に力いれて感じるものではなくて
楽しい×愉しいって思って感じるものなんだ
頭でっかちになって感謝するんじゃなくて
楽しい×愉しいって思って感じるものなんだ
....
ごめんなって思った
あやまるぐらいなら
なくなればいい俺だ
役に立ちたいだけだ
かかわりたいだけだ
そんなの優しさじゃ
そんなの大きさじゃ
そんなの愛じゃ ....
私を吐き出し
それを紡ぐ毎日のような
繰り返し繰り返し
季節と同じように
私もあおあおしてきて
めきめきにょきにょき
新しい私が
生えてきたらいいのに
そうはいかない
それでもじっと ....
父と母の住んだ家を売り払い、
父と母の遺骨と位牌を寺に押し込め、
父と母の写真と遺品をゴミに出してきた
父と母の時を葬ってきた。
もういいのだ
誰も人はそんなふうにして死んでいく ....
こまかくなったからだに紐をつけてつめたい夜へ引きずります
もうすこし(もうすこし)ときこえる 声も引きずって
耳だったところ、爪だったところ、肝臓だったところ
ところどころにみえている
肌 ....
青
僕の青
君は
どこをとっても
なにをたべても
いなくなっても
君は僕の青なんだ
僕の涙を分けよう
僕の青だもの
僕の血を分けよう
僕の青だもの
僕の印 ....
踊れ
歌え
狂ったように今はただひたすら
歌え
踊れ
夜が明けるまで
やっと朝日を見つけたら
思い切り泣けばいい
子供のように泣きじゃくり
泣き疲れて眠るまで
....
刺身を盛り付けると
「うまそうだな。」という声が聞こえそうで
安曇野のわさびをすりおろす。
刺身を盛り付けると
ほくほく顔のお父さんが横に居るようで
馬刺しも別皿に用意する。
「ま ....
目の前で
僕の知らない姿になって
君は無言で立ち上がる。
目の前で
僕の知らない姿になって
白い胸元晒しだす。
目の前で
僕の知らない姿になって
綺麗な背中を見せ付けた。
....
ひとりぼっちで泣かないで
ほんとうはわたしが言われたかっただけの
あなたに宛てたことば
かなしみを分けてもらえないことがかなしくて
濁ったため息をつきました
だってあなたはきっと
....
アパートの一室に
紳士が帰宅する
革靴を投げ捨てると
ガポッと悲しい音がして
玄関に落下する
男は風呂場の蛇口を捻る
じょぼじょぼと
悲しみがあふれ出し
すぐに浴槽はいっぱいに
そこ ....
届かなかった気持ち博物館
薄暗い廊下を歩いたつきあたり
そこだけ妙に明るい受付で
2、3質問を受ける
ポケットの中の黒くて悲しい物を渡したら
重そうでやけに軽いドアを開けて
誰もいないリビ ....
絵本をかくひとの
胸のなかで
小さな女の子と男の子が
住んでいるとおもう
絵本をよんだひとの胸のなかでも
小さな女の子と男の子がうまれてゆくんだとおもう
そして
そのひとがしんで ....
景色が連続して色々になる
意識のある限り続いている
もう見たくないのに寂鬱に目を見開いて
匂いを嗅いでいる
花の匂いに満ちている
警戒区域に広がるかぐわしい匂い
きっと
耐えきれない ....
夏でも冬でも昼飯はこれが良い
薬味ネギに
わさびを効かせた付け汁で泳がせ
一気にすすり込む
が
長く伸びたまま食道を抜けることなど
所詮無理な話 かたまって
食道の途中で速度を緩めた
....
三万年という
長い永い
道の歴史に
至大の古に
累およぼして
端厳な尊容の像より
悲泣の声が
きこえるようで
人界に
何を望み
伝えたいのだろうか
せいぜい生 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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