泣き寝入りの眠剤二錠
機械に認識されない
音を掻き集めて
波打ち際で放したら
いつか何処かの
誰かに届くかな
潮風に揺れるウェルウィッチア
砂漠に朝露の雫が落ちる
遠くのあなたが
その音の階段を ....
キリ/サク
たぶんこれは掛け声。首をはねた後、刀を反して袈裟斬りにする。昔教えてもらった殺陣の。教えてくれた他校の先輩は女の子が好きなんだって、女ばかりの演劇部の、悪気のないうわさ話に、
ハナ ....
「おみゃー
汽車からのお客さんに
ウニっこのしょうゆさ
だせばいかったのに」
「あんやー
そんだな
わりいことしたな
しっかし今日の海はひゃっこいな
おぼっこ(赤ん坊)の
しめ ....
嫉妬は黒ずんでゆく橙である。西の空を焦がしてゆく夕焼けのようにそれは魂に暗闇をもたらすだろう。
喜びはまぶしすぎる黄色い光だ。虫のうちほとんどは目が潰れている。
悲しみはうっすらと青いので、春先に ....
キリ/サク 無気力な朔月
キリ/サク 伐り株に咲く
キリ/サク 錐を交錯させ
キリ/サク 切り傷を裂く
ひとりきりの桜 キリ/サク
葦切が作曲する キリ/サク
麒麟の策略から キリ/サ ....
明日は、お誕生日。かんなちゃんのだよ。
かんなちゃん、大好きだから、
私の大好きなチョコチップクッキー、あげたいの。
とびきりおいしいのじゃないとだめだよ。
チョコチップと小麦粉。分量 ....
にぶい金色の肌が
冬の陽だまりを
そっとはねかえしている
アルミニウムの
浅い洗面器のうしろに
整列している
こどもたちの
頬はあかく
順番になれば
みないちように
そこへ温か ....
「これで最後」って言った君の手が
わたしにとっては悲しみの根源
気安く愛そうとしないでよ
気休めのものなら要らないよ
さようならをしてあげる
死、みたいにつきまとう
わたしの終わ ....
欲を言えば
あなたの顔を奪ってしまいたい
イコンのように象徴的に
星空の元 飽くなき{ルビ眼=まなこ}で見ていたい
不遇の理想の線上で
私の指は鍵盤を叩くけど
どうしてもあの旋律が紡ぎ ....
好きでなくても
立つように
愛してなくても
濡れるのですか?
信じたくないです
男の身勝手な言い分だと
分かっていても
貴女が濡れていたのは
私を愛していたからだと
今でも
信じて ....
霧が立ち込める舗装された道
柵が道の脇をどこまでも塞いでいる
細長い檻の中を走っている気分
柵の先はどこまでも草原
草の剣先に水滴がついて
風が吹くたびにキリキリと流れ
透明の花が咲く
....
同じ生き物なのに色や形が違うだけで
自分より価値のない物として扱われる
みんなと同じだけど色が違うだけ
みんなと同じだけど形が違うだけ
色や形が違うだけで何が変わる?
何がいけないと言うのか ....
社会人の切符を手に入れて
孤独な戦場に出ていく君は
もちろん希望と自信を
瞳に漲らせ
不安を乗り越えていく
おめでとう
母さんは
君の速さで歩くことさえ
もうできないのに
心配ば ....
天照大神のころから決まっている。
だれもがクジラを愛してるのと
おなじ意味で。
あまの岩戸のうちがわには
おおくの光がみちていた はずだ し
そとで
絶望的な饗宴をくりひろげる者たちに ....
ぼくは壁にもたれかかって
缶ビールを飲んでいる
うんざりして
溜息まじりに
机の上の
電波時計を見ると 夜だとわかる
正確な時間など必要ない
今は夜
夜だとわかればいいんだ
....
犬がなく
ぼくらが人生でやっていることなんてたぶん
記憶にものこらないハレの日のこと
必死に切なくなっていることだってたぶん
記憶にものこらないハレの日のこと
犬にしてみ ....
女をパジャマに着替えさせてベットへ運んだ。
午後9時頃。
バルコニーの観葉植物を取り込むとき、女にパンツを穿かせるのを忘れていたことに気付く。
テレビの電源を入れる。
煙草に火をつける。
....
殺気だったあの子はいつも
冷たい目をしてる
さっきだってあの子が手に持つ
鋭い刃が光る
袖からのぞくボーダーの
赤と白のコントラスト
彼女それが映えるって
人より知ってる
ただそれ ....
部屋の隅で黄ばんだ遮光カーテンの襞に、ひっそりと産むものがあった。
真夜中、昏い教科書を閉じて、少年はそれをじっと見つめていた。一匹のゴ
キブリが、濡れたオブラートのような粘液を排泄しながら、卵 ....
ことばを紡いでみたくて
両手で口を押さえた朝方のこと
小鳥がついばんだ恋について
きれいなものばかりを集めることについて
並べればすべてはいびつだと言った
みんな泣きたいだけなの ....
痴態は演じられるものではなく
晒してしまうもの
ネズミを焼く匂い
霞の向こう兜を脱いだ少年の
老いを孕む眼差し
生を一巡りしたかのよう
遺灰を踏み しめる
空を模した青磁器/亀裂の風
....
ヨシノさんは江戸末期の
北豊島郡染井村で生まれた
生まれながらにして容姿端麗
娘盛りには五枚の花弁を振り撒いて
道行く人を虜にした
染井村のヨシノさんを
なんとしても手に入れた ....
生き遅れたもどかしさ
ただ夢む虚心坦懐の
俗な平和を
人びとは我らと共にした道を
歩んできたのに
私の夢む平和を満喫しているのは
なぜ 平和は平等にならないのか
私はなぜ夢むままに
平 ....
あれから
もう一年くらいになるだろうか
久しぶりにレジでみたその女性の
艶やかな微肉はとれていた
(少し お痩せになられましたね )
聞き取り難かったのだろうか
もう一度 ....
半端な陸にこべりついたエゴを
深海からしか償うことの出来ない
生温い血の風
魂を忘れた翼
深淵から破壊し続けるいつの世も
眼球は破裂 きっと
いいさ どうせとっくに硝子玉だった
....
町の
流れから
取り残されたものたちが
風に
捨てられたものたちが
身を寄せ合って
淀んだビルの谷間
愚痴は
爆ぜる気力さえ
失って
飲み込まれていく
僕は、世界一面食いです。
君は色々な男に言い寄られても僕と結婚しました。
とても優しい君は僕といういい加減な存在をなんとかしたかったのかも知れません。
やはり ....
夕焼けがビルの窓から覗く頃
わたしの時間が始まる
昼間着ていたスーツを脱ぎ捨て
わたしを取り出して
カフェの片隅に
あるいは
居酒屋の椅子に乗せる
消えて去る路と知らず
ある日と変わりなく
嗚呼
鮮やかに君が行く
小さな声にも手にも
既に懐かしむと知らず
嗚呼
朝陽をうけて君が行ってしまう
母はいつの間にか
太陽に近 ....
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