明かりの落ちた街路を歩くときに
くらがりに身を隠した
名も知らぬだれかの歌声を耳にするときに
目の潰れた犬が引っ掻くような声で鳴いた
脚がひとつだけの男が飛蝗の ....
「 最近の若者は・・・ 」って語るかつての若者
「 最近の若者は・・・ 」って語る今時の若者
「 最近の若者は・・・ 」って語る未来の若者
「 最近の大人は・・・ 」って語るかつ ....
車が少ない
道路は空っぽで静かだ
小さな音が聴こえる
風の音が鳥の声が
太陽の光が囁く声が
だけれど静かだ
しんとしている
信号は赤
ぴたりと止まると
野球のユニホームを着た
....
怪獣の足跡でメダカ育てている
白梅祭行きのバスに生理痛の声
太陽の海を泳がせてやろうか
泥に 打ち水まいて
きれいな花だけを 束ねようとしてる
ばれやしないか 鼻先をとがらせて
潜水する ココロのなかみは
あんがい見えるもんだ
表情一つ 連動する動作
発する声のト ....
{ルビ雷=いかずち}が 遠くの空に
かなしい光をふるわせた
あなたの膝に置かれていた
羊の彫刻は床に落ちた
眠りに似た川の聲は
月明かりとともに ....
邪魔だ!
服が邪魔だ!
友達が邪魔だ!
何かを食べなきゃすぐ騒ぎ出す
この胃袋が邪魔だ!
東京の人混み
正義感
優しさ いたわり
そして何よりハンカチとティッシュ
俺を人間ら ....
想像する明日
ひいさまのおはじきがいつまでたってもあたらない明日か
やっと来る
おひさま
昨日言われたひどいこと
まだ生きてられる
強いんじゃないが
ただ
まだ
ぷつんと切れて ....
過ぎ去った過去の時間は圧縮され
これから来る未来の時間は膨張する
甘いものを食べていると、かなしかったことを忘れてしまう。こうやって何もかもを後回しにしているのはいけないことだ。甘いものを食べたら口をすすがなくてはいけないように、かなしいことがあったらきもちの片づけ ....
華々しく出航したはずの
船の羅針盤は
いつの間にか壊れて
勿体つけて差し出された
六つ折の海図は
ほとんどが嘘っぱちで
最初は威勢が良かった
スクリューには
得体の知れない ....
そのひとの
身体の部位すべての
味を知っている
仄かに甘いところ
酸っぱいところ
苦くて
大人でなくては
良さが分からないところ
全部を好きになれれば
愛しているってこと
....
その男は
幾つも電球を並べた灯りの下で
ぼくの胸を切り開き不機嫌な心臓を取り出した
心臓の中に豚を入れ調子よく動かそうというのだ
更に男は心臓のあった空洞を覗き込み
ぼくさえ知らない潜み物 ....
【龍人】
滑らかに曲がって
緩やかに曲がって
何時までも曲がって
何処までも曲がって
掌の記憶の球体
見覚えのある顔
球体を眺める
目の奥が笑う
掌の人の形
見覚えのある顔 ....
さっき買ったばかりの
ペチュニアの苗にあった
つぼみが
うらうらとした
ひなたの中で
もう咲きかけている
そうやって
ほどけ始めた
濃紫のはなびらは
見せかけより何倍も
ふくら ....
色褪せた地球儀には
太陽から日射しがさしこんで
ずっと遠く
大海のなかで
夜空を越えて朝は始まる
温かい珈琲をいれて
まるで真夜中の色をした液体を
飲み干すように
漆黒のなかで
....
いい農村がありまして
春の訪れは
れんげ草に
すみれの花へと
少女たちをさそい
揺れる枝の下で
七重八重の花びらを
ゆるやかに
川に流したりして
一斉に芽吹いた
草木の香りの中 ....
正午とは絶対的な停止の時刻だ
全てのものは太陽の鑿に彫刻されるため
輪郭を顕わにしてじっと耐えねばならぬ
痛みもまた停止して焼き付けられ
まぶしい空は地上を忌避し続ける
昼は ....
バンコク空港で
関空行き深夜便を
待っていたら
タイ人女性4人組に
遭遇した
4人とも若くはないが
美人で清楚な感じが
ベリーベリーグッドで
これは
タイ版セックス&ザシティでは
....
青年は日暮れに
読みさしの新聞をとじた まもなく一日が終わる
{ルビ先刻=さっき}まで心地よかった空調がいまは窮屈でしかない
握り固めた紙切れに似た 心のなかには何年も前 ....
マリアが子供を産んだ
ヨゼフはじぶんの子供ではないことを知っていた
マリアはあのひとと結婚していた
マリアはヨゼフのたいせつなひとだった
ヨゼフもマリアのたいせつなひとだった
....
郷愁する
俺の場所
破壊できない
なかったら困るから最初からない
建てるならなんだろう
ダミー
好きだけど信じない
ぶつくさ言うのが性に合う
俺が3割
海が7割
宇宙なんてなく ....
雉鳩が鳴いている
塀の向こうを首が歩いていく
頭の中では鶴がうまく折れず
車輪がふらつく
「ぼくらの世界はたんに神の不機嫌、
おもしろくない一日、
といったものに過ぎないのだ」
....
なぜうつむくの
笑いながら
一日ぶんのいとしさは胸へ仕舞われて
綴じるばかりで待っている
幸福のさなかで
なぜうつむくの
言葉にしなければわからないのに
言葉にしたら終わってしま ....
夕立のなかを
わたしたちはとおり過ぎる
云うことがなくなって
胸のなかをおよいでいた
魚たちはさっきいなくなって
あなたの透明な顔がかなしい
あなたの息 ....
歌声はなく詩歌も聴こえない
瀕死の裏通りで
一日がさみしいながさに
北風はつむじをまげて
「不平を云うな」
「不満を抱くな」と ....
空風吹く屋上で
咲かない桜を眺めてる
今年の春は寒すぎる
それでも季節は過ぎていく
掴めそうな飛行機雲
そういや飛ぶのが夢だった
ウルトラマンにはなれやしない
そう知ったのはいつだっ ....
さくらの木が赤らんできている
もうほころんで咲きだすのだ
それが悔しかったりする
なぜかってさくらなんて
徒党を組んでいるから嫌いだ
春なんてはやく終わってしまえ
....
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