大雪原に独り私のぽつねんと
彼方クリーム色の柔らかな雪峰、
眼差し焦がれ沸き立つ憧れ懐かしさ
高く深く遠く次第それら対象を欠き、
ただ一つ普遍の想いと化す
石化した珪化木、
無数垂直に立ち並び
うっすら雲に覆われた太陽
その浮き出す円形の輪郭、
ゆるり辿るうちに
黄金の滴り落ちる
後から後から
弾ける笑い
途向かいから
駆け出して来る子 ....
眠りから
さめて 窓越し
はつ雀、
妙に可憐で
枕ゆるゆる耳傾ける
さまざまな
人や物事に
さまざまに
支えられている私
ここには愛がある
○「老いは
逃げても
逃げても
追いかけてくる」
○「年をとると
目の前のものが
見えなくなる」
○「ボケると
眼鏡をかけながら
眼鏡を探すようになる」
○「ボケると
....
葉をつけないで咲いている、昨年の晦日の晩から降りしきっている、しろい雪の華の、サクラの裸の枝に、ついばむ蕾をもとめてやって来たのか。つがいで雪の積もった枝に憩う、灰色のヒヨドリの、その鮮やかな色彩に彩 ....
どんなに悲しくても
どんなに辛くても
どんなに悔しくても
どんなに寂しくても
どんなに嬉しくても
涙は頬をつたわらないのに
同情されると
....
わたしはちいかわ派
弟はおぱんちゅうさぎ派
かと思ったら
んぽちゃむ派でした
だから何?
って言わないで
枯れた林を彷徨い
冷たくなった手のひらに
息を吹きかけ暖める
きみに捧げるために拾った
紅い
紅い…
珠玉を握りしめ
月の言葉に誘われながら
独り歌を唄う
いまきみに恋し ....
閏日の夜九時に告白電話をします。
受け容れられないなら電話に出ないで下さい。
そして電話すると
母親が「今、出掛けていて居ません。」
それでボクは失恋した
「わたし一生、結婚なんかしない ....
濃密な明暗を
形造り生きて
生き抜き辿り着いた
此処に残生集め
絶えず絶えず
歌うたう
狂女の舞いは
夏の庭、
呪いの力に
照り輝く木の葉も舞う
突然に陥 ....
木下闇
人の通わぬ奥深く
その道 樹々の嘆くとも
君、
振り返ること無くて
遺影の彼は
今も 三十二歳
その朝、枕辺のオーディオステレオが
静かに鳴っていたら ....
{ルビ静謐=せいひつ}な夜空に浮かぶ銀の月
きみの頬笑みを映している
手を伸ばして黒髪を撫でようとした
届かない指先が震える
届かない…
なみだひとすじ
ひとしずく
....
凍えてしまう
冬の氷噛み砕き
吹雪く響き横殴り
本当の愛を待ってる
屋根裏部屋のフクロウ
あるもの在るノ浮き立ち
ワタシ割れる空無に鮮やか
煌めき色付くヒビキの木霊し
....
亡くなった犬が鏡の中から
わたしを見ている
わたしの手のひらに隠している
おいしいものを知っているのだろうか
名前を呼ぶと返事のように尻尾を揺らす
黒い鼻はしっとりと濡れ
いかにも健康 ....
三つの色、
一つの終わり
声と息が重なり、
いのちを紡ぐ
春、
菜の花が咲き
夏、
青い夜に
秋、
幾度もの口づけ、
瞳に映るのは
紅蓮の炎
めぐる季節と
想いは ....
裏口を叩くものがある
名をもたない
持っていても知る術などない
晴れ着姿の少女の形をしたなにか
扮装と立ち振る舞いがすべてのもの
ほつれていった
むらさきの血のほとばしり
内臓をひも ....
人生とは
いることに失敗し続けること
重心と境界の結び目の死角に戻ると
視界の陰に連筆があるかのように
風もおきない陽に、ただただ温められる背に
絵模様の眩しさ、美しく飾られた香りも血煙の泡となり
かわいたのどを潤すには、ぬめ ....
とらえようと
猫は
白い雪
黒い雪
人々の街に AI-Chatに
雪は 降る
天 ....
朝起きて血圧をいつものようにはかったら
急上昇していてなかなか下がらないので
初詣をかねた元旦登山をドタキャンした
その後
ワイフが毎日一緒に散歩していた
隣の愛犬が亡くなったと連絡があった ....
長いおしゃべりが終わった後の
ため息みたいなことばののこりかすを
重ねては貼り付けて
歌をつづる
私は夜警
そぞろ歩き
見守り
行為しない
私は抑止力
私の歌は警鐘ではない
....
元旦の石川能登に気凄まじあさむ地震報道
右往左往で心地無し 思い浮かぶは3・11
水の色の青は透きとほる色、
この色 波立ち在り
川の流れゆたり絶えずに
輪っか輪っかひろげひろがり
岸辺で洗濯する女たち寄り添い、
感覚される世界を次第突き抜け輝きあり と
....
もはや零戦、
向いにたなびく羽根
とおりの母屋
の棚
そっと舞い降り
終着地
辿りついたのは
平屋の
墓地
置き忘れたもの
戸 ....
へんな夢
誰にも知れずに
死ねという
誰もが知っていた貴方は
もういない人
残りの人生
限りがあるけど
生きているかぎり
お宅で回転
させてみせるし
特に意味なんて ....
定年退職後Uターンしてから
心の穴を埋めるように
詩らしいものを自然に書くようになった
今では投稿もしている
「あなたののはわかりやすくて
短いからいいのよ」
と知人たちがほめてくれるよう ....
○めでたさも
感じなくなってきた
古稀の元日
○女房と健康
失ってみるとよくわかる
元日の朝
○隣の猫さえも
いなくなると
やっぱり寂しい元日の朝
○今日は何日か
ボケ ....
登場人物 夫──壮年のサラリーマン。
妻──夫より三歳下。専業主婦。
娘──短大出たてのOL。
舞台 東京都世田谷区の一戸建て住宅。
(平成二年、八 ....
黒曜の空に
梵鐘を{ルビ撞=つ}く音が満ちている
一年の煩悩を洗い流すように
来る年が平穏であるように
森羅万象に響いている
{ルビ諸行無常=しょぎょうむじょう} (全ては変化するのだ) ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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