致死量の服薬で死んだ
面識のない女の子を擁護したい
地に足が付かない
ジェットコースターを
言動と思考が奔走する
秩序と不法行為との境界を失う
検察官が眼を疑い深くのぞき込む
....
驚くに値しない
あなたの指のなかに
古い町がひとつ埋まっていようが
青い部屋でわたしは 静かなチーズを齧る
散らばっていた 丸い 悲しみの粒を
一列に ....
雪が解けて木々がいっせいに芽吹く。地表の下は地下だ。すべてが地下だ。
湿った落葉が陽に照らされて、ゆっくりと乾燥していく。その下は陽の届かない
地下だ。
耳をすますと、小さな音が聞こえ ....
太陽の体温はこのところ高めです
切立つ木の足下さえ掬えないのに
躍る毛先をさらう風
愛と調和こそ全体主義の理想だと
あなたは言っていましたね
硝子に映ったしらない町で
鳥居をくぐり雨の参道を歩く
静寂な月曜の午後
後ろから蹄の音とともに
殺気立つ気配を感じる
海と山に囲まれたパワースポット
紙フーセンのような紫の花が
静かな人魂の ....
真夏になれば飲みたくなる
汗の量が増える昼間
家で何もしなくても出る
この暑さは夏だけのもの
炭酸飲料を飲めば爽快
暑さを吹き飛ばす爽快感
喉を擽る炭酸
一気飲みが心地良い
....
なんてことない日常の中
雑踏の中で立ち止まり
ふいに海を見たいと思う
頭の片隅に描く海の底
一切の音がやむ
胸のどこかが きゅっと痛んだ
我にかえって
荷物を持ちかえ
また ....
国道のショッピングモールに
右折して入る車たち
小さな神社と
むかし何かがあった海
忘れたい人と知らない人が
割れ目から這う
つるくさに
コンクリートを重ね塗りする
ああ
....
もうすぐ死ぬ人間には
静かにしていて欲しい
あれやれこれやれ
死んでからのことを
指図しないで欲しい
非常に迷惑だ
あんまり煩いと
死ぬ前に殺したく
なってしまう
出来ることなら
....
丑三つ時に 目が覚めて
誰かが呼ぶ 声がする
耳の底の奥深く あやしかなしく
わたしを呼ぶ 声がする
丑三つ時に 目が覚めて
真っ暗闇に 目が冴えて
見えないものまで 見えてくる
....
紅い、
ばかり、と
地雷をふむな
蒼い皮膚だって、いる
一皮剥けば
みんな
同じ、なんて
だれが言った
奧の、奧の、そのまた奧には
それぞれの夢
の種が
眠っている
なみだおちる
五線譜のうえ
なみだおちる
ティアドロップス・オン・マイ・ギター
大学の実験室ピンク溢れる
緑の服はどこ肩紐がおちる
お洒落をして今夜くらいは
....
手紙をいまごろ読むだろう
ぼくはギター弾きながら落ち葉のうえ
街路樹とひかりのなか赤い車を走らす
ぼくはカメラを首にあてる
さびしくはない
髪はもう胸まで伸びた
....
水色のタオル地のパジャマが売られていた
これを買えばだれかが地球では喜ぶのかな
アメリカでは星空をみながら散歩できないらしい
イラッとくるコンビニの店員なんか忘れてしまえ
机に ....
きみには
もう届かない
神さまの手紙を
僕は今日も読んでいる
きみが知る由もない
今日という日の美しさを
僕が手紙に書きましょう
こちらは四月に雪が降りました
そちらはどうですか?
どこにも陸地が見当たらない
漂流に似てる
目に見える確かなものは
何も無いのに
漕ぐしかないんだ
仕事帰りのバスで
「ええ、話しかけなくていいですか」
と話している
あの中年の女性は
私を調べている興信所の人間ではなかろうか
大学のスクーリングにいた
角刈りの学生らしからぬ風貌の男 ....
夜の海辺を
韻を踏んで歩くと
奇妙な砂利は
ペイントされ
同じ表情をかもす
眠りに落ちた
カモメの泣き声を
閉じ込めた貝殻に
吹き込んだ愛について
空き缶に零れた
海の ....
現実というものの
この重さ
この哀しみ
どう乗り越えていこう
私は立ち塞がる壁を前に
声をあげることすらできないでいる
「光あるうちに光の中を歩め」トルストイ
私の胸に響きわたる言葉 ....
雲
クマ
遠い虹
旅客機と
外に霧の夢
一角獣の種が
雲の上に蒔かれ
水をやる雷親子が
セッションしている
蹴るときにピポポパポ
ピッチカートフットでね
机
じゃ
な ....
時間は巨大な甲虫の群れに化け俺の足もとで猥雑なステップを繰り返す、俺は自嘲的な概念とでもいうべきものに動きを封じられていてなす術もない、やつらはそのままふたつに割れて釣 ....
空想と現実を行き来する
冷蔵庫を開けるまでは
卵は空想の産物であり
白い宇宙船であったりするけれど
取り出して目玉焼きを作る段になれば
さっそくそれはフライパンの{ルビ最中=さなか}で現 ....
たとえばラテン語だったなら
誰にでもなく君たちだけに
伝わるだろうか
さよなら、と
ひと言のこしたいひとの数は
片方の手で足りる
それはさびしいことではないと思う
ピンポン
いつしか、ピンポンが
ひとしきり終わって
妻とブティツクに洋服を見ていたら
同じように
外套に身を包んで
佇んでいた、ピンポンで一緒だった
娘、年はいくつとも
判らず
....
泡が回る
影が回る
呑まれる前の
小さな色
春の内の冬
木の家を巡る
瞳のにおい
泪のにおい
音に音を差し出せば
せわしなく手をひたす色
みどり み ....
この夢の世界には
なんでもあるのになんでもない
必ずしもそうであるわけではない
昼の夢を見ている
四角い空に囲まれた壁を登り
垣根に生えた綿毛を吹く
君にあてた手紙を紙飛行機で飛ばした ....
いつか妖精と化すまえに
あどけないふりをしてくれないか
ひとけのない昼下がりに
しどけない昨日の夢を見たいのだから
広辞苑にも大辞林にも誰の日記にも描かれていない
ひそかな言葉で約束をし ....
毎日僕はいくつもの錠剤とセックスをする
快楽と絶望を繰り返しながら行為は止まらない
今日は僕に任せて 明日は君たちに身を委ねるかもしれない
君たちのことは好きでも 嫌いでもない
....
幼い頃の私
皆から愛されたいと
思っていた
永遠に不可能な事に
気付かさせてくれた
私を嫌ってくれた人達よ
感謝の意を贈るよ
とても魅力的な
マリリン・モンロー
皆から愛されたい ....
境内につづく階段は長くて
手をつないでいると
歩きにくいのに
離したら二度と会えなくなりそうで
はじめて着た浴衣の
袂をゆらしていた
あれは
いくつの夏だっただろう
抱きかかえ ....
1587 1588 1589 1590 1591 1592 1593 1594 1595 1596 1597 1598 1599 1600 1601 1602 1603 1604 1605 1606 1607 1608 1609 1610 1611 1612 1613 1614 1615 1616 1617 1618 1619 1620 1621 1622 1623 1624 1625 1626 1627
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.37sec.