古墳群に立つ
前方後円墳の周り
鴉と古木
楠の古木が一本だけ屹立する
人と古木
楠の古木も敵わない
古木といったところで七〇〇年
その倍の歳月をこの小山はやり ....
床に寝そべって本を読んでいて
なんとはなしにうしろが気になる
真っ黒いもやのような男が
扉の陰に立っている気がして
おそるおそる振り返ってみても
当然誰もいない
誰もいないのに
誰かが扉 ....
夫と言い合いになった日の深夜
冷蔵庫の前に這いつくばって
冷たい床に雑巾で輪を描いた
何度も何度も同じ輪郭を辿って
ただ一心不乱にひとつの輪を描いた
怖い顔で子供を見送ってしまった朝は
....
憎しみは
分かち合うことを拒む
吊るされた人影
すぐさま照り返され
いくつもの道を選び損ねる
大きな水たまり
憎しみは転がり
転がっていることさえも
空隙の中に遺失する ....
ひきちぎられたこころたちが
あきのてんじょうを
およいでいる
うめつくされて
ひしめいている
ちいさないきもののように
おびえながら
むれている
ねてもさめても
どこへにげて ....
スジが悪いって
感じていないとしたら
それだけで終わってるよ
詩もへったくれもねえよ
人としてのセンスの問題だ
しっかし、これだけ
スジの悪いのが
仰山集まったな
呆れるわ
それ ....
金魚や錦鯉を食べるわけにはいかない
ぼくは原始の世界にゆくわけにはなれないのだ
ゆらゆらと泳ぐ世界を観ているだけで
手を下す事を知らない
なんやかんやと食べているのに
金魚や錦鯉は除 ....
何も知らず
生きるものは
少しだけ
優しくしてほしかった
もう少しだけ
知識が劣っている間に
とんでもない命令を
自分の責任ではないことを
押し付けられているようです
そもそも無 ....
目を凝らす。
無数の死体が見える。
目を凝らす。
無数の家が燃えている。
目を凝らす。
子供たちが泣き叫んでいる。
目を凝らす。
母たちは血を流している。
目を凝らす。
父たちの腕に ....
夜、よるが終って朝がくる
来た、朝がきて、光は
体のかたちに心を整えるが
ほんとうは心のかたちにからだを沿わせたい
紺色のクローゼットとか壁の白とかも、
でも本当にしたってそんな ....
ジリジリと時が過ぎてゆく
届かない荷物を待っている
何かが邪魔している時間
絶えられない焦りとせめぎあいの中で
インターフォンが鳴るのを待っている
来るのか来ないのか
ぎりぎりの時間だ ....
出会いのカウントダウンの始まりは
いつも突然現れる
乾ききった優しさと 歪んだ笑顔
細く白い指先と 甘い言葉
私を取り巻くすべてのものが
ひとつの頼りない空間を作り出す
左足の ....
名無しの歴史教科書
誰だろうってぱらぱら捲ってみれば
私も同じ名無しさん
あんまりはげしく抱きあったので
朝には顔も忘れてしまった
バスルームに焼けのこった
愛と情とは
紙袋に入れて駅のホームに置いてきた
西日に首を傾げている
絃を爪弾きながら 全く
永遠の光芒の野は無邪気で
故に無伴奏から不在を学ばず
そのままです神さま 私は全く
手放した数多の心には
なみだを送り毛布を送り
子守唄 ....
文句があるかとムンクが叫ぶ
天狗になるなとコングが応じ
透明ゴングが鳴り響く
ガンガン玩具でやり合って
「レフリー チョークだろチョーク!
「何がジョークだ さっさと絶句 ....
私に花を差し出した君は
ほんのり口元に笑みを浮かべていて
花を分からない馬鹿を付きつけられた気分で蹴散らした
分からない私に
分からない花を贈るな
散ったアネモネ足元を飾る
靴はレース ....
気持ちは外を歩き、仕事のプランに燃えながら、
身体は、病の鎖でベッドに繋がれている
これがこれからの私の姿なのか。
二十四時間、寝ながら点滴を受ける
それが、今の私の唯一の仕事で ....
識者は囁かれる
「きょうが 最後とおもって いきよ」と
そして その垂訓は
淡い桃色のこだまとなって
渦を巻いている が
哀れなことに
卒寿となった ....
よく知らないけど蔓延るアイドルたちが
やすっぽく人生の応援ソングを激しく踊って歌っていて
耳には残らなかったけど彼女たちも
生きるのには実際必死なので、あたまごなしには行かず
....
とんでもない独裁者でも
反米だったら
応援します的な
雰囲気を醸し出している人々は
自分でも何だか
分からなくなっちゃってんじゃねえか
あっ、そうだ、デモしろ、デモ!
戦争はんた~い ....
ぷろろん ぱろろん
ぽろらん むろらん
どんな音にしたら
聴衆が どよめくだろうかと
本気で考えて
鍵盤の上で 眠ったモノクロ
猫が行き過ぎる街
音が粋すぎるマチが合わな ....
くるしいね、
きみはかわいい
よるをほどいて
ほしをみている
たのしくても
いつかはおわるね、
どうせぼくらは
つかのまのできごと
さびしくなるね、
あそぼうよ
これか ....
世界は認識の中にある
平面に沿ったGのみの世界
天井が眼下に
床が頭上に
滑り落ちながら
眼下に床が
離れた鉄棒の上から
回転しながら上昇し
そのまま落下する
視点から眺める部屋の風 ....
枯れ木を集め
キャンプファイヤーを囲み
酒盛りをする
原始の力を競うように
空になった瓶を海に投げた
あなたに免じてと
きてくれたのに
ビーチへ向かう途上で
車をおりた
....
深い森の
キャンドルマン
月明かりを頼りに歩く
白い頬の
美しい溶け跡
熱帯雨林の
バナナ姫
川辺に座ってボートを見送る
{引用=メトロノームは振り子を揺らして
僕のピアノにけちをつける
きついオールドミスの先生のように
かちかちかちかちかちかち
ごめんなさい先生
今年は一度も笑いませんでしたね
....
{引用=庶務課午後3時47分
繊い太陽ゆらゆらと
甲板に整列した水兵たちは屈託ない笑顔で手を振り 敬礼
西の方角へ おちてく ああ、
不幸不幸不幸なわたくしの
わたくしの儚い夢は瀕死です ....
ぼくたちは
いつの間にか忘れてしまっている
今日という1日が
かつて、はるかな先の日だったこと
ぼくたちは
いつの間にか忘れてしまっている
明日という1日が
やがて、 ....
日めくりを引きむしってこの年を終わらせたとしても
眼前の巨鳥は微動だにしない
獲物が動く瞬間まで瞬きすら
木の実が散らばる穏やかな土の道に
名付けられない子供たちの影がしゃがんでしみついて ....
1558 1559 1560 1561 1562 1563 1564 1565 1566 1567 1568 1569 1570 1571 1572 1573 1574 1575 1576 1577 1578 1579 1580 1581 1582 1583 1584 1585 1586 1587 1588 1589 1590 1591 1592 1593 1594 1595 1596 1597 1598
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.41sec.