太陽から逃げ
砂漠に夜が満ちる
疲れて眠る黒髪を
オアシスの女たちが
優しく梳き解いていく
男たちは横になったまま
闇を見つめて
その音を聞く
唇に夜気がふれ
女たちの頬 ....
貯金箱の底に
去年の赤い夏休みがある
使い切れずにとっておいて
よかった
海に浮かんでる
夜の船から落ちたのだ
手拭いを絞って水を飲む
水温はすこし冷たい
あとどのくらい
生きていられよう?
疲れてただ沈むのか、苦しんで
溺れるのか
潜っても底は見えない ....
二つに一つではなく
二つにして一つ
それが足のうらで生きるということ
とおく球場が夜空に灯っている
町あかりが滲むように澄んでいる
ぼくらは史上最強のまんなかだ
....
女子供を守れない男を
内心軽蔑しているくせに
危険な目には合わせたくないという
だけどよ
危険は何処にだってあるんだぜ
例えば隣人の変態だ
今まさに変態が洗濯物の
パンティを狙ってい ....
私がいないなら、
あなたがいる。
あなたがいないから、
私がいる。
いつも時計のように
交わっては消えていった、
数秒の肌の記憶。
何度生まれ変わっても
告げられな ....
夜つかむ指
蒼に凭れ
曇の前の穴
はざま過ぎる鳥
引きちぎるたび
生まれる渦
一点に吊られ
回る星座
夜の裾を浸す銀
すべての星が鈴に鳴り
朝も昼も ....
目に映る風景と
もはや言葉を交換できない
私は風景から情緒を受け取らず
風景も私によって何も証明されない
風景は完膚なきまで破壊されていて
私の視線もその破壊を継続するのみだ
....
「幸せですか?」「はい、幸せです」
言葉にしなくとも伝わる想いあって
言葉にしたら崩れそうな想いもある
でも口にしちゃう
とってもこそばゆくなるのに
「信じます」「後悔します ....
今一度会えるのならば、
今一度聞けるのならば、
貴方の顔を見て、
貴方の口から聞きたい。
まだ体の中には
“貴方の言葉”が幻のように響き、
ゆっくりと、ただゆっくりと
流れ、そして時 ....
夜の空気が
皮膚を貫き
意識・無意識の壁を透過する時
生きていることを感じるんだ
(みんなもそうだろう?)
夢幻を感じることで
生きていける
(みんなもそうだろう?)
怪人二十面相が生 ....
立ち尽くす
散りばめられた屑の中
告げられる心臓の音を
手で握った
止まらないでとただ握った
*あいうえお作文詩
あとだしのあいしてる
あとだしのあいしてる
あとだしのあいしてる
こんなんで勝っても
うれしくない。
....
秋雨、降り続く夜
傘もささず
両手広げて
瞑目し歩いていたら
「君は独りで何をやっているんだ?」
巡廻中のおまわりさんに呼び止められ
「や、なんか情欲が芯部から噴き上げて身体が ....
五円玉の穴から覗けば見える都には雨が降り夏を追いまわし秋を連れてくる鈴虫の声高くお月見だ紅葉だと騒ぎ立てる人々をしりめに私は静かにしていたい静かにしていたい静かにしていたいだけなのに頭上のスピーカーは ....
あるコックは料理をつくりました。
鍋からはじっくりと煮込まれたトマトの匂い。
テーブルには真っ白に洗われたシーツの上に、真っ白な皿が並ぶのでした。
コックは言いました。
「ひとさじのスプーンは ....
あらゆる疑惑や憎しみは
頭で考えるからおこるのだ
だからからだで感じよう
それも足のうらで感じよう
遠く離れてきみを想う
生きているかも
死んでいるかも
....
不眠症の彼に、ホットミルクを淹れるのがわたしの仕事だった。
ある夜をきっかけに、彼は眠ることを忘れたという。
どんなに体が疲れていても、睡魔は彼には訪れず、ねばつくような夜 ....
感傷的なババアは
少女のような心を
ヒリヒリさせて泣いている
涙は
くっきり刻まれた
ほうれい線をつたい
やがて下水道へと流れる
ババア
おまえの泣き顔はすべてを凍てつかせる
バ ....
見開いた瞳が何もかも拒む時
舌が千々に裂け石となり果てる時
世界がおまえとおまえ以外に二分される時
おまえの奥深く
開く扉があり
時間の揺蕩う土地があり
虚ろな空があり 明けのような暮れの ....
ある時は弟になりました
川に流された弟の
お姉ちゃんとお父さんを励ましました
お母さんはいなかったので
お父さんは一人で子どもたちを育てました
お姉ちゃんはお嫁さんになって
....
朝8時から夜10時まで仕事
残業が当たり前の毎日
職場では機械のように扱われる
キカイダー
自宅では粗大ゴミのように扱われる
ネムイダー
どちらも人造人間
誰かに作られた自分だ
頭を洗っても
頭の中は洗えない
胸を洗っても
胸の中は洗えない
洗えないから
こんな時でも
綺麗な汚れ方を
求めてしまう
なにものでもないけやきを伐採
わたしの血はながれないでほしい
いろいろ恨むことをゆるしたわたしは
どの花もゆるせなくてころされた
嘘偽りないものをさらす日々
恥しかない
生きても生 ....
私は 赤
おれは 青
僕は 緑
君は 黄だね
まだ 透明 生まれて 3か月
これからどんな色に染まってしまうんだろ
流した血だけが尊いの
命の深さをゆっくりと描く
苦痛と快楽の間を行き来する
剃刀の使い方
濁った瞳で見た世界
求めては去っていく使い切りの愛情
どこまでも残酷な言葉
....
私の父は18の時に航空兵に志願した
飛行機乗りになりたかったのだ
もちろんお国のために
命を捧げる意義を信じて
間に合っていればきっと特攻に行っただろう
出征するはずだった日の1週間 ....
150829
乗務機は今は無き香港啓徳空港に近づいた
これからがおいらパイロットの腕の見せ所
いつもわくわくはらはらする一瞬だ
真下には白いビル群が白い墓石が群れ成して
....
足早に過ぎていく
夏の印象
夏から秋に変わる
その瞬間がわかりにくい
いつの間にか夏は終わっている
夏の想い出が色濃くて
このまま終わる気がしない
夏の余韻を残そうとする風鈴 ....
遠くで聞こえる
こもったジャズ
父が好きだった曲だ
なんだか懐かしい
おかしな波長で
この耳に届き
私を現実から引き剥がす
まるで夢の中みたいだ
まるで時代を滑ったよう ....
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