濡れそぼつすずめらが
低い枝から隣家の庭先へ消えた時
わたしは「あわれ」を見なかった
ただチュンにチュンを重ね
チュンの間と強弱で言い尽くす
すずめらの韻律は人より力強く
雨音と斬り結び ....
ステイションがあって
その中にもう一つ
小さなステイションがあった
よく見るとそのステイションは
生前の父だった
ステイションは小さかったから
出発する列車も
到着する列車 ....
今朝も、ラッキーストライクを吸ってしまった
しかし禁煙の為
相変わらず水をよく飲んでいます
+
道を捜していました
人の望む道は歩んでいけませんでした
病気になりました
ついに獣 ....
虐待があるのは知っています
客待にしてみましょうか
タロウさん、お茶が入っていてよ
毒入りだったかーっ
狐の嫁入り
いつ致したかもわからぬ電光石火
お父さん、寂しいよ
わけの ....
空が近い午後だった
外階段を雲が飲み込もうとしている
看板の灯りが何とか支えていた
バスを待ちながら考えたが
ここはバス停ではないので来るはずもない
グッと上腕に力を入れると血管が目を覚 ....
雑な言い回しになるけど、レベル1の遊びの程度でダンジョン攻略するにせよ、パーティーを組んだほうが良いとギルマスは言っていた。アーチャーの俳人と戦士の歌人とタンク(盾)の詩人の組み合わせがベスト。
....
知らないでいたって別に困るようなことはなにもないけど、余計なことをたくさん知っている方が人生は楽しいんじゃないかと思うんだよね、どんなに金を貯めても魂が肥えるわけじゃないからね、俺が欲しいのはいつ ....
子供の頃から 雨の日が嫌いじゃなかった
暗闇から蘇りほんのひととき 美しく生きる蝶のように
いつも元気のない お前の汚れを洗い流す
誰にも省みられない 可哀想なお前の意思 ....
水の揺り籠に包まれて
血管と血管を絡め合い
喜怒哀楽を受け取った
言葉になる前の感覚は
第六感へ丁寧に蓄えて
外界への手土産とする
星が動いて螺旋を描き
トンネルを眩しい方へ
光の矢となり走る魂、
響き迸り灼熱帯び
光の海から沸き立つ言の葉 、
何も観えぬまま魂の死を待つのか
死者たちの魂が問い掛ける
美貌のまま自らの肉を引き裂き
滝に呑まれる君 ....
○「ババア」
昭和生まれのババアは
子ども時代は父母に仕え
嫁しては夫に仕え
老いては孫に仕える
○「米騒動」
主食である米の農家の売り渡し価格が
今年は玄米30キロ13500円だと ....
いまもなお、見える客と
経った店員の間に白いフィルムを刻む
縫い合わせた果実は 無言の
「ママ。覗き込んでいる」
自称老執事の眼球であるなら
生産は会話で 順番待ちは 対象物から、 ....
肌にヒリヒリとした
痛みこそ忘れ去られた闇は
東の、明けきらぬ雲の幕に覆われている
耳にのこるICUの輸液ポンプのモータ音
蛍光灯で煌々と照らされる空間は
ただ白っぽく ....
今日も煙草を買ってしまった
しかし最近の僕は
煙草以外出費しているものがない
煙草をやめたならば・・・
考えただけでゾッとするが
この恐怖も
煙草自身が生み出しているものなんだ
....
みあげると
秋月だった
あさの5時
空が白みはじめるころ
うすい水色の空に
うすく白い秋月が消え入りそうに
笑っていた
窓を開けると肌寒く
鳥の鳴き声が
遠 ....
緩く縛った紐ほどほどけ始めていることに気付けない、それはあまりメジャーじゃない真理だ、それは状態として変化していないせいだ、硬く縛った紐には緩やかな状態から変化した跡というものが見える、だから、そ ....
あのネ 私ネ 石だった気がするの
別に、なにかを目指しているわけでもなく
風に乗ってやってきた 潮風に運ばれてやってきた
そして、思うことは 置かせてくれて、ありがとう
あのネ 私ネ 人を ....
君は生臭いと顔を顰めた
初めてだからか
まな板に
グリルに
君の理想から離れている分だけ
動作が荒々しくなり大音量を響かせる
僕は緊張の糸が唇に絡まって
手伝おう ....
カーボンニュートラルは
温室効果ガスの排出量と吸収量を
均衡させることである
具体的には人為的に排出された
温室効果ガスを吸収したり除去することで
実質ゼロを目指す取り組みである
しか ....
{ルビ娘=コ}の、らびりんす。ミニチュアのバターが入れた、ミルク缶を潜めて、コーンフレークを巣食う、避難用リュックがバカにして、このこのこの!
わらうわらう。ぜんぶ過去だ。おぞましさの疼痛を、せ ....
窓から見える小高い山
緑生い茂るその腹に
数年前の豪雨災害で
怒涛の如く樹木はなぎ倒されて
深くえぐられた大きな傷は
年月をかけて
少し目立たなくなった
人のからだのように
山のからだ ....
氷鳴る
グラスの縁に刺さっている
大きめなカットレモン
摘み上げて絞れば
目にもこまやかに射しこんでくる
濃度を増す酸っぱさ
其処は尾道の坂の途中にある喫茶店
....
時は正しく秒を刻む
僕は時間に敏感に追われ
今、取り残されている
こうあるべき
こうでなきゃならない
そんな考えも
今、脳内編集されて
だるさの中に流されている
あゝ、と言 ....
羽根が送られてきた
ご丁寧に封蝋で綴じられている 差出人を書いてない封筒 ここ何日かこの羽根の事ばかり考えていた アーク森ビルの陸橋を渡る途中 ピーポ君の看板が立っている ここに漂う虚無は人生み ....
皆が必死で組み立てて
動かそうとした原動機
いつかの稼働を夢見て
部品を並べた原動機
しかし現実は甘くない
決して部品は揃わない
触れることすら叶わない
目の前に並ぶ紙の束
机 ....
荒縄で首を吊るされて、
いつでも蹴とばせる踏み台に立っている
渇いた唇には砂粒がひっついて、
処刑を見るために大勢の人だかりだ
この町を仕切る保安官に
貴様が法律ではない! と怒鳴った
....
ガスコンロの焚火をつけて、
朝食用の目玉焼きやウィンナーが、
熱せられたフライパンのなかで活発に弾けるように、
いつも活き活きとバタバタしていたね、
炊飯器からいつでも熱々のご飯を茶碗によそっ ....
「口でするとは言ったけど
口に出しても良いとは
言っていないわ(怒)」
そんなこと言われても
僕はどうすれば良かったのでしょうか?
あなたが上手過ぎて
堪えきれなかったんです
確 ....
陰中の陽だ
陽中の陰だ
胡蝶の夢だ
ほんで
おかげさまだ
と
おもいついたまま
..
なんか語呂 ....
幻影の中に、死者の声が響く
兄さんの背中を追いかけて
風土病が蔓延るこの街で
無限の夢を見ることは
憂国の涙に似ている
アメリカの空の下
落ち葉が舞い散る
過ぎ去 ....
125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
0.72sec.