水に浸された石の橋が
ほどけるように歌っている
緑の空
緑の空しか信じない
常に 手のひらひとつ分の
目をつむれば
揺れる景色
霧の径を
くりかえしくりかえ ....
朝のワールドニュースでは
空港に設置されたカメラが常にテロを監視し
中国の経済的失速が懸念材料となり
世界のあらゆる処であらゆる価値観が往来する
冷凍のピザをオーブントースターでこんが ....
*
「みんな咲いている」
ハァモニィベル
*
手のひらが咲く
咲き乱れもせずに
花びらになって
咲いている父の大きな手の上に
母の手のひらが咲き
その ....
弦が切れたから 歌えないと
あなたはいった
途中で詩をど忘れしてすいません
と朗読会のあと
あなたはかなり申し訳なさそうだった
でもぼくは
それはあまりにも人生らしかったので
か ....
哀しさが降りやまぬ
冬の終わり
春の萌すころ
この哀しさに傘は
ほしくない いらない
ぬれて歩きたい
どこまでも続く道
いつまでもの
はずだった きみと
わたしの二組の
雪 ....
そのインコはレモン色で
くれたのは男の子
見知らぬ 男の子
なぜなら前日が クラス替え
中学時代はそういうふうな
忘れたいことばかりがよぎる日々
レモン色は苦しい
レモン色が苦しい
....
バロックを聴いているゆうべ
ピアノがやさしくいざなう
夢への世界 扉はすぐ
そこだけれど まだ
開けないで 聴いていたいと
気がつけば夜通しとなった
一人のための音楽会
レコードは回 ....
それが大きいのかちいさいのかわたしには分からない
数だということだけ わかる
くらやみを射抜くような空ろないたみがビルを覆っているので
ひとびとはたえまなく降ってくる
切りそろえられた三角 ....
加害者も被害者も
キラキラネームだとしたら
どっちが殺されても
どっちが死刑になっても
まあ、あまり違いはないな
と思ってしまう
それは、いいことだろう?
例えば
加害者が鈴木 ....
好き嫌いが激しい
例えば、食物だと
カブトガニやタガメが
大嫌いだ
同じくらい
自称詩人や
学生のノリが嫌いだ
学生のノリの自称詩人だったら
タガメみたいに
ケツから頭に ....
一生懸命がいいと
祖母は言うけど
結果がすべてだと上司は言うんだよ
今がんばれと先生は言うけど
夢をみなさいと校長は言うんだよ
愛し合ったはずの
父と母は別れ
憎み合うはずの
....
「でもそんなの関係ねぇ!」
好きな人には好きな人がいる
と知った時の私の心の叫び声
旅先のホテルの部屋にて
机の上に置かれた一枚の紙
「この部屋は私が清掃しました
ゆっくりお過ごし下さい
〇〇」
名前のみが直筆の
見知らぬひとの心遣い ....
わたし、あなたに出会ったときから
こっそりさようならを繰り返していた
何度も、何度も
いつかこんな日が来るかも、だなんて
怖がりをポケットの中で反芻しながら
しあわせ ....
ファンタジックな夜に見た
センチメンタルな夢
君の手と私の手が触れ合っただけで
色々諸々爆発しそうだったから
一つだけ星を握りつぶしてしまった
熱々の手のひらで砕けた
星を君と ....
天井は青空かもしれない
僕はそれでもいいかと思う
天井はブルーシートかもしれない
僕はそれでもいいなと思う
天井は無垢の木かもしれない
僕はそれならいいねと思う
天井は無くて、トタンの ....
「へえ、すごいね」
流れてく広い月
多機能トイレに
死なない程度
埋め尽くす闇
知ってるんでしょ
いらない体液のゆくえ
教えてもっと
すっごい大好きな
絶望を
毎日 ....
Tシャツの
袖がほつれている
机の上に
うっすら埃が積もっている
髪の毛が床に数本
散らばっている
タコ足配線の行方が
どれも
わからなくて
ちいさな油断は
部屋に隙間を生んで ....
二本の平行棒の前に立つ。
足を少々引きずりながら、ゆっくりと進む。
二本の平行棒は、滑走路だった。
まばゆい朝日に照らされた滑走路だった。
朝露が散りばめられて、誘導灯 ....
*
揺れうごく海の十字路に惑う貝のように耳をかたむけて聞いてくれ過去の響きが詩人の影をなぞるように血が谺する想像の蜜のほとりで死に絶えた喜びに養われた真実だけをそっと告げてくれ灰色の病める神が ....
信号を待つ間
目の前の並木は滑走路のようだ
およそ30度
離陸する視線の先に
遠く煌めく白と銀
冬もお終いだね
バイバイ シリウス
透明な藍色に射抜く光は
冬を惜しんでいるのか ....
そういうことか
海も空も
まるいんだ
どれくらい走ったろう
眼前には海があり
道端には 菜の花と桜が続いている
ふと 同じところを何度も通っているような気が
して
....
今夜わたしは玉葱を刻む
包丁の切れ味は鈍いが
こんな夜にはちょうどいい
指先と玉葱と踊る包丁
それだけを見つめ、不器用に
....
指の隙間で結晶化する高濃度の殺意を洗浄しようとしてすべてが化膿する記録されない洗礼の日、鋼鉄の悔恨はカルシウムの欠片のように胃袋の底でごろごろと感染を続けていた、嘔吐の予感は十二時間も脅かし続 ....
誰ともすれ違うことのない
道を歩いていく 私は私を探す 一体の体として
しかし他の誰でもない自分とすれ違うことはなかった
だけど 確かに道を 私は歩いていたのだが
桜はどこにあるの ....
むみむしゅう
いわれたらさびしい
くちびるうすい
やせたはだ
はしたないようにもみえた
しなだれかかっておしゃく
ゆびきれい
かたくなる
ごろくにん
....
自称詩人は
高い確率で
犯罪者であると
NPO法人「自称詩人の家族」が
発表した
一昨年中野で発生した
女子中学生失踪事件も
23歳の自称詩人が
「私は詩人だが、送ろうか?」
と ....
ぼくは師匠にうでを見込まれて
理髪店を一軒任されるようになった
へたくそが髪を切ると、髪が伸びるとそこだけ浮いたようになる
師匠に教わったやり方だとそうはならなかった
髪の毛と ....
灰色の薄明の底に
灰色の湖が静かにひろがる
その汀にひとり佇んでいる
灰色の薄明は薄明のまま
明けることも暮れることもない
灰色の湖はただ静かだ
誰の 何の気配もない
ただこの場 ....
小川がさらさらと流れていく
時の移ろいを
知ってか 知らずにか
気ままにさらさらと
聴こえるのは それは遠い日
遠い日に見た沈む夕日が
ぽっちゃっと音を立てて ほら
最後の光のしっぽ ....
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