陽ざしが注いで
私の庭にも
優しい色の花が咲く
柔らかい雲が
少し動くと
空に向かって
胸を開いていた
白木蓮も
風に 花びらを
はらはら散らす
白樺の若葉は濡れてなお淡く
陰りの中に揺れ
畑の麦はより深く
滲むように息づいた
日差しにかすむものたちが
雨の日には薄められず
沁みて とおる
焦げついた所まで
土の匂い
湿 ....
みぎひだり ほろけた蝶 比翼と過ごした私と猫と
靴ひもを 結ばぬ怠惰に 縁丸く濃紺に矢継ぎ早な窓辺から
線路沿いに不明な景色のなか
命ひとつを浮かせて身から剥がし終えたと
ひととせを十は巡 ....
祝日、
見あげたところに
日の丸がはためいている
木蔭では 優しい五月も笑う
大切な人からの最後の{ルビ詞=ことば}のような
陽射し…… 僕は思う、いつまでも ....
160507
生まれてしまったからには、何処かで蹴りを入れて
1ゴールくらいはしないと格好悪いとおんぼろ車のアクセルを ....
人は
ひとひらの
花のように舞い
着地するまでの
風を感じ
陽の光を浴びて
寂滅の歓びの中に埋もれてゆく
歓びも悲しみも
大したことではなく
ひとつひとつの現象がただ通り ....
米粒に似たような雨が
幾つも 幾つも 降り注ぐ
頭を振っても 振り切れぬ粒を
いっそ 固めてしまおうと
雷鳴さまと 約束をした
今から 氷を降らせては くれませんか
その代わり あなた ....
あなたと過ごす
雨の夜は何だか切ない
食事をしたり話したり
どんな些細な内容でも
話を膨らませて笑顔で盛り上げる
話と話の間で
聞こえる雨の音が心地良い
雰囲気が和らぐ
雨 ....
0から1の距離は
1から1000より長い。
0を1に持っていくことが
どれほど大変か
今、痛いほど感じている。
0が1になった時、
時間が流れるように重なるように
続く世界が ....
黒い鉛筆で、
目にうつるすべてを黒く塗りつぶす。
塗りつぶしたものたちは、
赤く染まっていく。
鉛筆が折れた。
血豆が潰れた。
赤い血が滲み出して、
白いテーブルに滴った。
テーブルは ....
街の喧騒が届く
烏の鳴き声が響く
急ブレーキがかけられ
お布団がはたかれ
信号が青に変わった
日常が流れてゆく
なんの変哲もなく
微細な変化を誇示せず
瞬間の重みを隠して
日々は ....
「星とたんぽぽ」
ねぇエトワール 見て御覧
中芯は 中空に在るよ
精一杯 背伸びする風の最果て
つかめぬものを つかもうする指先
いちめんに咲く たんぽほのロゼットが地面をつ ....
john lennon is dead
Sid Vicious is dead
Marc Bolan is dead
Keith Moon is dead
....
私は乾いています
カラカラに干上がっています
誰かが私に潤いを与えてくれないと
私はひび割れてしまいそうです
私を思い浮かべて欲しい
私の姿態を
やらしい粘りつくような姿態を
そ ....
ワルツの流れる部屋の窓から遠く海を望む。
海は二拍子だと昔から思っていた。
先入観を捨てた時、私の世界は広がった。
まだ見ぬ出来事や光景がこの世には美しく溢れている。
....
ずっとずっと
灰を感じていました
くりかえしくりかえし
乾いては潤う
水を含んだ灰が
目と背に降るのを
感じていました
何も無いところから
火は火に手わ ....
誰かが忘れて行った 言葉
誰かが置いて行った 記憶
取り戻すには 遅すぎる
引き返すには 遠すぎる
それなのに繰り返す 言葉
だとしても思い出す 記憶
振り子が片方に大きく振れると
当然反対側にも大きく振れる
所謂エネルギー保存の法則だ
肌の色か性別
それだけで
一国の指導者を決めようとして
実際に決めてしまったツケが
今、反対側に ....
ソースとかしょうゆみたいに
自然にテーブルに乗っかってたい
だれにも気にされないぐらい
自然に過ごしてたい
たまには大量に必要とされたい
いろんなことが起きる
普通の居間の
普通のテ ....
十代、二十代女性には
ケツ毛は似合わない
でも、あればあったで
なかなか良いかも知れない
それに比べ
ババアのケツ毛は
ケツ毛としては
これ以上の存在感を示す
場所はないと思われる ....
世界はさまざまなかってな基準に充たされていて
世界の涯からから零れ落ちるそれらの反響が
夜空に谺しているようなそんな夜だ
でも僕の基準をきみと決めたから宜しく頼むからね
それにしても僕 ....
どうしようもなく 腹が立つのです
たった 5分 10分 待つことがこんなにも苦痛かと
お気に入りの音楽でも聴いていれば
少しは気が紛れたのかもしれない
それだって 今思っても仕方な ....
もこもこもこもこ
私の中に潜り込むアナタ
もわもわもわもわ
私の中で熱くなるアナタ
私という溶けゆく造形
崩れて朽ちて流れ出し
扉が無くなる境が消える
そうして意識は ....
一度籠の外へ出た文鳥は
もう二度と籠へと戻っては来なかった。
衣食住何1つ不自由ない籠の中で
ひたすら空想の海に浸り
満足していた文鳥は
本物の海の広さを知らない、
知らなかった。 ....
打ち出の小槌から米しか出ない
ハラリ
腰までながい黒い頭髪
ぼくの初恋の少年の恥じらいを取り戻させるもの
――垣間見える
年上だったあの女(ひと)の面影
フワリ
仄かなリンスの香り
お澄ましのお姉さん ....
暗い夜 かの女はやって来る
静まりかえった廊下にうつろに木霊する甘い声
その濡れたような声 きつく漂ってくる麝香の香り
そのとき ぼくはいつも自然に布団の中で目覚めている
やがて襖はお ....
飴を一つ、あげるね。
優しい気持ちを、分けてあげるね。
あなたの笑顔が見たいから。
私の心を温めたいから。
涙は枯らしてしまいましょうよ。
声を上げて笑いましょうよ。
飴を一つ、上げるから ....
綺麗な泣き方ではなかったかも知れない
鼻水も流れたし ズルズルと音も五月蠅かった
それでも 気持ちの半分だけは
伝わったのではないかと 自負した
半欠の月が 怪しく 笑ってた
反抗心を残した ....
スダチは起きていた
夫の一大事に
寝ている訳にはいかなかった
夫の千切りキャベツは
キャベツの分際で
トンカツに成りすまし
お代わり自由を免れていた
しかもチーズ入りチキンカツに ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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