石炭を詰め込んだ袋を背負い、夕焼けの帰路を歩く。丘をなぞるように続く細い道には足跡が続く。その中に昨日の雨水が溜まり、夕日がぽつりと溶け出す。二つ目の峠を下りた頃、炭鉱から帰る途中らしき女性を見つける ....
行き先も告げずに走り、ただぼうっと霞んでいくだけの影がしなる草木に乱されていくやがて夜間が方々で燃やされて(こんな霜焼けみたいな野原をおれは歩いていた)彼女は何も告げずにその中に飛び込んで見えなくなっ ....
向こうに布をかけて、道を閉ざしてしまうことにした。繊維の隙間から街々の影が覗いている。それが次々に増えていって震え出した頃に、わたしは布を撥ね除ける。布の下から青や赤が駆け抜けていって、部屋全体を染め ....
大統領が来るので
私たちの街は
なんとなくそわそわしている
当日は
大渋滞になるだろう
車で来るの やめよっかな
広電ならいいっしょー
みんな人ごとで
どこか
案じて
すで ....
むしょうに反省したくなる
日曜日の朝
自分がちゃんと出来ていない気がする
それは君の口癖
テレビを時計がわりにしてみている
毎日は急にとだえる
それが日曜日の朝
罪をつぐなうよう ....
ほんとうのことは
ネットには出てこない
ランキングにも載ってない
誓って
受け身でいるのはいい
誰かの
せいにできるから
みんな
楽々とルールを破る
私は時々
赤信号で ....
もう一度夕空と雁行が見たい
それだ わたしの望みと言えば
もう二度と命を捨てようとしない
それだ あの少女との約束と言えば
いま迷っているのは この長すぎる髪を
切ってもよいものかという ....
仲間たちと旅に出た
バイクに乗って
海沿いの道を
ぐるり一周するんだ
これから始まる
窮屈で退屈な時間に備えて
最後の自由を味わう旅
僕らはあのとき
確かに青春だったと
....
涙で前が見えなくなった
合法的に暗闇の中に光が見える
ポケットの中で立てた中指を隠す
ギターの音が聞こえる
言いたくないけど人間っていいな
新鮮な牙、磨いた今
相田みつを、2年前に書いた遺 ....
死にたいような殺意
もはやもはや夏い
前髪を焦がす爆音がくせぇ
焦燥感に高揚感が鬱屈
番号少女は満員電車の中疾走する
もういいかげん愛想つきた
記念公園にチェインソウが爆笑 ....
「条痕」
ぼくは、〈沈黙〉のまわりで遊んでいたことがある。
なんの裏付けも無いことばよりもそれが信じられたのだ。
大人たちの居間で飛び交う〈ことば〉の
ひどく空ろな虚構より
....
さえずりは無制限に落下して
漲る心臓
内側からほどけ展開する
うすべに浮遊都市
生贄のメリーゴーランド
空を蕩かす視線を
火の羽衣に包み
牡丹
ゆるりと爆ぜ
....
どうか
ワールド エンド フィリフヨンカ
と発音してください
トーベ・ヤンソンの
『ムーミン谷の仲間たち』
という短編集の中に
『この世のおわりにおびえるフィリフヨンカ』
と ....
肋骨の
埴生 に 牝鹿らが
痩せている あなたの
電流をまわるるる
ピン・ボール!
ピン・ボール!
ピン・ボール!
ホネ・ボネの
ソコ ....
何かしなければ
優秀にはならない
何もしなければ
バカになるというが
何もしないのに
なるはずがないから
バカはバカに
なろうとしているので
邪魔をしてはいけない
まじめがイジメでみじめになって
まじめはまじめにマジ悩む
ケジメのない人まじめに見つめ
バカにされたとマジ悩む
まじめをまじめにやめようと
まじめに努力をしたけれど
まじめだからや ....
日が長くなるにつれ
主張を強める夕焼けの赤
それすら呑み込む灰色の雲
夕陽を吸収して膨れる黒
暗澹たる闇へ
夕と夜の狭間を埋めるように
燃える空を追いやるように
不安を煽るように
....
初夏の夕暮れ
やわらかい風に吹かれながら
玄関先にしゃがんで
ビオラの花柄を探しては
摘みとる
こんもりと咲き茂る寄せ植えが
あたらしく
生きかえるのが好き
いつからだろう
....
夕方から降り出した雨
仕事を終えてからのデート
雨に濡れながら
少し遅れて走ってくるあなた
最上階のレストランに行く
良い景色が雨でぼやける
静かな音楽が流れる
雨を忘れさせ ....
水色の天井は
無限みたいに広がっていて
手のひらを抜ける砂のかんしょく
幻視
幻想
存在しない記憶への憧れ
遮断機が ....
「愚痴」
高く高く積み上げた我慢
むしゃくしゃして小石を投げつけるつもりがバランスが崩れて
気がつけば土砂崩れ
歯止めがきかなくなって
あることないこと不満をぶちまける
一通り吐き出し ....
空港まで走る車の中続く沈黙
ひとつの出会いが死ぬ前に
二人は同じ走馬灯を見る
カーステレオから流れる二人で聞いた曲
知らぬ間にエンディング曲へと変わってる
最初の出会いを覚えてる
エレベー ....
1.昔日
白いちじく
くるみ
黒ごま
凍ったラズベリ
松の実
メープルシロップ
海原のような対岸に向かい合って座って
きみが指をしゃぶりながら笑う
もつれる後悔
今 ....
骨折をした年の暮れ
左手で 年賀状を 書きました
蚯蚓ノタウチ回るような 面持ちで
心持ちだけは 穏やかに
ただ お餅だけは
何故か 食べる気が しませんでした
そろそろと流れる ....
聞き慣れぬあなたの怒鳴り声が
ノイズのようにひび割れてくると
思わず耳を塞ぎたくなるのは
私の弱さと寂しさを混ぜたもの
そこに何色があったとしても
あなたを塗り分ける事を覚えて
同時に ....
少年は足裏を焦がして
靴はいつの日か隠して埋めた
角質、角質、カクシツ
玄関の隅に置いた革靴は
フローラルの香り
白い角質、剥いで
焦げ臭くなるために、外へ出る
自分とは違い過ぎるものの考え方や
受けとめ方や立ち振舞い
自分には思いもよらない
大胆不敵や厚顔無恥
ああはなりたくない、だとか
あんな世代と一緒にはされたくない、だとか
....
消防車のサイレンが街にこだまする真夜中
自発的な夢遊病のゲバラのシャツを着たガキどもが溢れ出て
革命とは程遠い犯行を繰り返す、おお
体制にとって彼らの存在は引っ掻き傷にもならない
....
眠れない夜には
そう
静かな音楽が必要になってしまう
それでも今夜は眠れない
月が満ちて
ゆっくりとしていても
アルテミスの歌が美しくとも
眠れない夜は
どうしても眠れないのだ
....
草ぼうぼうの渋谷スティション
手をつよくつよくぎゅっとしながら
ヒカリエの壁に映った影が存在を主張
これはあたし
ぐしゃぐしゃにつぶれた車たち
あれもあたし
少し未来のファッションでオ ....
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