たわんだ膚のなかで わたしは
蟹の夢をみている
甲羅を脱ぐ蟹が いま来た波に溺れかけて
まだ柔らかい腕がふるえるように動いている
水ぶくれみたいに 頼りない体
日焼けの背中に水ぶくれ ....
真実を語ることの残酷さを
知っていながら繰り返す
誰のことも貶める気などないが
事実を曲げる気は毛頭ない
白と黒とに明確に分けられないことは多々あると
齢がすでに教えてはくれたけれど ....
伸びやかな糸の向こう側に掛かる虹を
黙って見ていた
辛いのは嫌いだって言ったのに
辛子が大量投下されている
糖化処理する訳にも行かぬのだから
銀のスプーンで救い上げる
もし ....
{引用=カラカラと糸車を誰かがまわしている
その糸車の糸に多くの人の指が絡みつき
血塗られた憎しみの爪をのばしたり
いびつな恋敵の小指たちが
ピリピリと過去の妄念に反応して
親指は ....
白いシャツを着せられていた
脱ぐことも赦されなかった、そのシャツを
声を発するごとに
胸の真ん中についた、赤いしみ
どんどん大きくなっていく、赤いしみ
(人とすれ違う ....
大海原に浮かぶ月
足元の砂に
ちりちり打ち寄せる
光の欠片
溶液になった
クラゲの悲しみ
強いひとにも
朗らかなひとにも
悲しみはある
それは弱さでも
やま ....
雨粒が
僕を打つ
愛の鞭か
裁きの鞭か
雨粒が
僕を打つ
痛くて
神に祈る
神は愛
本当か?
愛の鞭か
裁きの鞭か
判ら ....
朽ちてゆく 土の器なのに・・・・もう秋風が吹き始めているのに
汗が流れ落ちてきて 止まることを知らない
スローに ソフトに 歩むことは 当たり前なのに
この国は 何か大切な・・・ いや私達人 ....
耳の後ろを
滲み出る汗
うなじにかけて
じんわり
ゆっくり
滴る雫
遠くで響く
蝉の鳴き声
視界がぼやけ
陽光が刺す
午後の微睡みに
容赦なく
もがれた翼を
夢に見る ....
夜が終わりかける頃に
突然迷子になったきがして
膝を抱えた幼子が
母の帰りを待つような
糸口のカギを持って出てきてくれる
森の中のリスを待ったようにして
だけど現実は
....
星がきえた 永遠に
夜は 月だけが光る
星はどこへいった あの美しい瞬きは
もう二度と 見られないのか
それならば月も きえねばならない ....
眼鏡の向こう側に広がる世界は
本当はどんな色をしているのだろう
このレンズを通して見るのとは
空気の色も違うだろう
無味乾燥なのだろうか
はたまた風味絶佳なのか
カラフルな透明 ....
夏の夜の旅先にて
ふらり、身を入れた店で
フォアローゼスの水割りを傾けながら
もの想う
もうずっと探してる
あふれる時を
氷がからん、と合図して
ようやく僕は、目を覚ます
瞬き ....
その日の朝はうすくかなしい匂いがしていた
すがすがしいの意味を考えていた
不安なような
もはや何もかもどうでもいいような
けれど水を飲まなければいけない気がして
うすぐらいキッチンで ....
夜で 少女で なんにもなかったとき
さびしくて 本のなかでよく眠った
本のなかも さびしかったが
外よりはすこし せまくて良かった
おきるといつも跡がついていた
夜に折り目をつけ ....
団栗か硝子か五つばかり
テラスにじっとうずくまり
ひろげられつつある多孔性の光の敷布
今日も透き徹っていくわたしたちや
夏の朝は意識のハアモニカだ
中央署の傍 ながい
みちを吠えた舌の葉に
砂の月がやっつ、
しろい やわこい
まるい あわい
夜 銀 カセットテープ
リールを、まわすように
....
真剣に生きすぎていた
それが他人を傷つけたりもした
どうせ無名なまま死んでいくのに
そんなに頑張らなくてもいいではないか
意味などなくても
だらだらと意思もなく
....
あの子はいつも笑っている
オジサンなのに子供みたいに笑っている
あの子はいつも見つめている
人の悲しみ 苦しみ 悩みを見つめている
仕事はあまりしないけれど
みんなにどや ....
僕の成分はわがままが70%
君の成分は愛が70%
おっちょこちょいが20%
のこりの10%がきみへの愛しさなのか
うつくしく哀しくひとはいきてゆく
ときに無情に打算にいきてゆくが ....
流星群は遥かな時の大河へと降り注ぎ
銀河の魚は朝の食事の最中だ
僕の骨は白く乾いた砂に埋もれて
グレープフルーツムーンはたわわな君の胸のよう
僕はたぶん前より人との距離の置き方が上手く ....
神話が語らない
占いの及ばない
誰の願いも届かない
遥か遠く
暗く冷たい空白に
在って
在るからこそ放出する
己の核から外へ外へと溢れ
続け 続けて
やがて尽き果てた
非在の残像
....
深い陰影の中に
浮かび上がって来る清流、
何処までも澄み切り柔らかに
無音の透明なイキモノそのもの
流れて在り 在り流れ
その岸辺からの平らな地面の広がりに
秩序正しく並び立つ無数の小 ....
狂気とよばれる瞬間に我々の黒目は最大限に広がる
自動ドアがひらいて
コンビニスレイブだったティーネイジャの僕たちの
加速するブラックホール的なここ
人工衛星がいつかゴミとなって徘徊しはじめるま ....
あなたは だいたいいつも
ニコニコしている
わたしは おおむねずっと
ムッツリしている
あなたの笑顔は混じり気なし
スカッと日本晴れ
わたしの苦笑はどっち付かず
つゆの晴れ間
....
とろとろに溶けた頃合いが素敵だと
熟せコールをする君は 塾の帰り道
覚えなければならないことが多すぎて
記憶を辿る旅を始めてる
本当に欲しいのは
冷たい畳の上でも平気な足袋だ
....
暑さ厳しい夏を向こうに控えて
君と聴くモーツァルトが今日は愉しい。
無限の広がりをその音に託し、
感情の極限を曝け出した楽曲達が
この耳を刺激する。
曇天が水滴を垂らすような ....
副交感神経ががりがりあがって
これは現実と
それを処理するこころの問題か
脳機能障害か
ひとの苦しみよりじぶんの主張
信じるに足る
人間なんてなかなかいやしない
....
汗に塗れた自分の身体が
悪臭を放っているのではないかと気になる
居心地の悪い想いを拭えず
いたたまれずに苦笑いをしてみる
誤魔化したい逃げ出したい
だのに身動きがとれない
拷問 ....
その少年は2/3が
狼を飼い慣らしていることを知っていたので
ひどく怯えていた
村人達は狼が恐ろしいことは知っていたが
狼がどんな生き物かは知らず
まさか村の近くに来ているとも
思っていな ....
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