街なかで魚を見かけた
夕暮れの人混みをスイスイとすり抜けて
駅の方角に泳いでいった
海中でもないのに魚が生息しているなんて
奇妙なことだと思ったけれど
通行人は気に留める様子もない
私がこ ....
雨が降ったあとの空は真っ白で、何事も起きていないかのようだった
しなくちゃいけないことを
「ぼんやりと思う」の引き出しにしまってく
そして冷蔵庫から夢を取り出して有難くいただく 美味い。
これだから夢はやめられない、と遠くをみながら
眠り羊のラムネをさ ....
どうしたい?
どうされたい?
こども言葉の
たいたいは
私の街では
さかなの意味で
愛したい?
逃げ出したい?
私は
小さな水槽で
いつでも
空を見上げてる
貴 ....
愛と死の狭間に狂い果て
星を訪ね月に導かれ
夜の街々を流浪する男
Moon Row Wallker
樹々を揺らす風に知らされる
はらりと落ちた葉に知らされる
足跡に撥ねる砂に知ら ....
街を白く染めるのは楽しいか
神に会ったら聞いて見たいが
口を開く前に殴り倒すから
答えは分からないままだろう
また故郷に雪が舞い狂い
この躯はもう崩れ動かない
救わ ....
降り積もった枯れ葉が
雨に打たれる
踏み付けられて
泥に塗れて
こんな汚れた姿を
見たかったんじゃない
頬を流れる涙は
雨に打たせて誤魔化す
寒さで凍えるように
震えて見せて
....
丸い部屋に緑色の女が立っている
四角い部屋には紫の女が座っている
どちらの口の中にもセメント状の闇が
うんざりするほどぎっしり詰まっている
まるで 言葉の代わりだと ....
対岸の河辺で
鈍色に翳った立体に{ルビ燈=あかり}が実る
ふるくからの草木が影をつかまえ
水面へうつくしい銀の光を{ルビ濯=そそ}いでいる
玉模様の白さら ....
料理をつくる
今日の分をつくって
昨日の分を捨てる
だれかと食べる
ひとりで食べる
料理をつくる
今日の分をつくるが
明日の分はつくらない
今日のためにつくる
わたしの今 ....
空腹を満たすようにあなたは水を飲む。
水はその身体に浸透し血と混じりあい血の赤い色素を超えていく。あなたのなかの色という色を溶かしこんで、水により透明になったその身体のなかの水は、あなたの毛穴や瞳や ....
さよなら ってみんなに言いたい
(みんなって 誰かな)
唯一の理由が
大統領になるためだったのに
もう絶対に
死んでもなれないことが
分かった以上
こんなフェラ好きの
変態野郎と一緒にいる必要はないし
変態野郎にしたって
そもそもフェラ嫌い ....
宝島を見つけに行くつもりで告白した女
泥船しか用意できなかった男
少しの波ですぐ浸水しはじめる小さな泥船は
ふたりでいることの限界を示していたが
女は泥船を鉄ではなく紙で修理している有様で
....
トランプタワーは 13階立て
どの階も 四家族が住んでいて
トランプと同じ数の家族が暮らしている。
甲13号室に 暮らしているのは カエルに似た人だよ。
ガラス天井の部屋のプール付 ....
すきな ひとと
のはらで したいな
野いばらで ちくちくしながら
ころげまわって いっぱいしたいな
もりのなかでも 素敵だな
それなら 夜がいいだろな
甘いにおいの はっぱのうえで
....
暗闇に沈む代々木上原の駅を通過したところで
冬を覚え出した空の下
初めて君に抱き締められた日を思い出した
遠く とおく
君は去ったとしても
思い出はまだ僕をがんじがらめにして
....
眼は
閉じるためにある
闇と親しくなるように
暗黒に潜む
閃光
耳は
塞ぐためにある
沈黙に浸されるように
静寂に沈む
音声
腕は
抱えな ....
運慶作とほぼ確定されている鎌倉期の大日如来像は、ころっとしていて小さくて、剛健でありながら赤子のような柔らかさが匂うようだった。
目に見えない宇宙の真理を、エネルギーを、擬人化ならぬ擬仏化したら、こ ....
欲と不安と
孤独と人声
ああ、そう言えば
そう言えば
他のために生きていくよりも、じぶんのために生きていくほうが大切だ
そんな真実を高らかに唱えるひともいるけれど、ほ ....
ATMに寄って
壮絶な家計状況に直面して
コンビニで東電に電気代を支払い
クリスマスプレゼントもあるしなあと
曇り空なんて見ないふりしてバス停へ
あたしの仕事って、いつ人口知能に取って代 ....
楕円
(ellipse)
から、蛇行するよ、君の眼球運動会
なんて空疎な視覚遊びにきゃっきゃと、ち
よ
こ
....
ポタリ
ポタリ
静脈から垂れた黒い血が
私の寿命を占っていた
あぁ
そこはクヌギの雑木林の散歩路
暗い午後に
紫煙を一服
カラスが鳴いた
そろそろ帰らなければならない ....
旅を続けるのに少し疲れを覚えたので
近場の坐れる石を見つけて腰を下ろす
いつも足元だけ見ていたと気づいて
久しぶりに顔を上げ空を仰ぎ見てみる
もう秋の色ではなく冷たい青のなか
白い雲がひ ....
次の方は是非田舎暮らしにおいでください
若い子よりもおばあちゃんに関心のある方
病気見舞いや葬式が苦にならない方
デパートやコンビニが近くになくても暮らしていける方
近所に明るい挨拶ができ ....
泣いて笑って
閃いて迷って
薔薇を買って
のけ反って跪いて
隠して隠されて
神様に隠し事して
見つかって見つからなくて
ほぼあきらめて頬あからめて
うんと産んで
うんと倦んで
詩を ....
赤いチュチュをはいた
白い花たちが
寄り添って踊る
小さなバレリーナ
踊ることは
生きていることだと
無邪気に笑う
顔を寄せたわたしの目の前で
おさなごのやわらかな手に触れ ....
真っ暗い巣穴の底から
怪しい女の声がする
そいつは知ってる女で
冬が嫌いだと叫んでいる
何故か電気がつかない
私の嫌いなことばかりして
全く何も共感できない
それなのに私の寝床に ....
家はたくさんあるのに
その家の屋根にはたくさんの鳥が集まっていた
一列に並んで
まるで会議中のようであった
それぞれが首をかしげ
うなづきながら会議をしていた
ついと一羽がとびたつと
い ....
貴方が奏でる言葉はいつも
嘘ばかりが煌びやかに揺らめくので
いつからか私は言葉の端に
緩く小指を絡めては
何処か遠くに行かないで、と願う様になった
矢絣模様に臙脂色
朱色に紛れた杏子色 ....
1251 1252 1253 1254 1255 1256 1257 1258 1259 1260 1261 1262 1263 1264 1265 1266 1267 1268 1269 1270 1271 1272 1273 1274 1275 1276 1277 1278 1279 1280 1281 1282 1283 1284 1285 1286 1287 1288 1289 1290 1291
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.12sec.