水面に映る醜い顔を見つめ何時も悩んでいた
月夜の晩は表情のない仮面を被り
彼女と踊る
カミングアウトできない素顔に悩み続け
今夜もその顔をひた隠し踊る
しなやかさも体の切 ....
私に向かってはずっと閉ざされている扉があり
どうやら世界と呼ばれるもののほとんどは
その扉の向こうにあるらしい
私はここにいて扉を見ている
扉の向こうにいる人たちについて思いをめぐらす
....
祖母の喫茶店では
スティックコーヒーを客に出す
食事のメニューは
近くのベトナム料理店のものだし
自慢の紅茶はどこか酸っぱい
ゲートボール日の店番は私
お客さんは足の悪い染吉さんだけ
....
確執は、積み重ねられていくもの。そして、対等でなければいずれ歪むものです。無理した側が歪む。お互いをわかり合えると思うのは結局は幻想です
無理した側は、歪み続け、最終的に自らを殺してしまう。
....
僕がワイフにカチンと来ることは
いつでも小さなことです
昨日もそうでした
「アナタ、これに(酢の物)砂糖入れる?」
「入れない」
(実はワイフは砂糖が全くダメな体質なのです)
そして出てき ....
膝まづいて泣きながら
命乞いをする男の右腕に
金属バットを一閃し
グギリと二の腕の骨が折れ
それが皮肉を突き破って
飛び出した様をしげしげと見る
男は痛みと恐怖で
糞尿を垂れ流しながらも ....
しんと静まる世界に
取り残される
眠れないわたし
あなたのいない夜に
眠り方すらわからない
そっと吐き出したネクタリンの皮
大人になりきれない
切れ端のわたし
....
かなぐり捨てたいのは
なにもかもだ
こんなちっぽけな
すべてだ
出かかって言えなかった言葉を
無理してでも吐き出すように
嗚咽に紛らせて誤魔化さず
世界の片隅から
あらん限 ....
青い猫を撫で
煮干しをひとつやった
彼はゴロゴロと喉を鳴らし
ぼくを猫の都に連れて行くという
彼は人では駄目だから
何かを被れという
ぼくは夏祭りに買った狐のお面を
こめかみにステン ....
おれの詩は 親離れがはやい
大事にしていたつもりだが
ここぞ、という夜
彼は 彼女は もういない
残された
余白だらけの置き手紙
不良だ。
つけた名前が
気に食わなかったのか
....
ひとは
ひとりでに
悲しくなったりしない
ひとりでに
消耗したりもしない
誰かがいるから
誰かがいたから
ひとはその作用をうける
ひとは
ひとりでに
尖ったりし ....
もうがんばれない
君は泣く
がんばりたいのに
君は泣く
がんばるなんて言葉が
なければいいのに
私はおもう
いろんなことがわかってくると
言葉がどんどんだせなくなる
ひと ....
捨てられた枕木の朽ちた裏側
温かく湿った光の無い世界で
無数のイキモノが暮らしていた
姿は見えないが互いの蠢く気配を感じながら
ある日ひとりのナメクジとひとりのミミズが行き当り
互いの粘 ....
汚れきったダイヤモンドを
土の中に隠し持って
ひたすら澄ましていた
ずっと澄ましていた
不自然な清らかな微笑みを
見抜かれぬよう
震えていた長い冬
誰かがきっと待っていたのだろう
無条 ....
私が子供の頃
横浜銘菓と言えば
ありあけのハーバーだったが
今どれだけの人が
この素晴らしい
お菓子のことを
想うのだろう
戦争するのに
奇襲攻撃が
良いの悪いのなんて
どうで ....
◯年を取ると
夫婦喧嘩する元気もなくなる
おだやかになったのじゃない
◯年を取ると
二日酔いする元気もなくなる
酔っぱらわないうちに帰りたくなる
◯年を取ると
悲しむ力もなくなる ....
「楽になりたい」
「楽になりたい」
と口癖のように言っている
おばあちゃんがいる
長生きも楽じゃないようだ
「おばあちゃん、楽になるのは
まだ先だよ」
と言ったら
笑っていた
十二月のかっこ悪い枯草は
ほんとうは五月の潔い白い花になりたかった
五月の野のきらわれものの生命力の強さは
ほんとうは秋祭りでこどもに愛されそれっきりの
林檎飴になりたかったの
わたしは
....
光の柱に指を寄せ
確かめながら触れてゆく
光でも水でもあるかたちまで
幾度も幾度も確かめながら
芯には幼いものたちが居て
はじまりを忘れてははじまってゆく
水と光の ....
インクの香る雨の朝だった
新しく買った文具の手触り
僕はパイロットになった気分で
ボールペンのキャップを外した時
どこへでも飛んで行けると思った
忘れ去られた思い出を戸棚の中から取り出してじっと見つめる。
淡い色に変色したノートや書籍。
どこの国の物か分からない人形。
出し忘れた葉書。時を刻まなくなった時計。
遠い記憶 ....
手で
顔を覆って
神に祈りたくなる
Oh my God
私は二人いる
犯して
裁いて
気が狂いそうだ
あなたは言った。
「君の返事は何処?」
1/エクストラ・でぃめんしょん。
わからない、わからない、わからない、わからない、
出ない、虹が、部屋から、出てこない、の、メトロノーム、
....
生まれ持つサガは
誰にも消せない
自分でも消せない
気難しい龍は
死ぬまで気難しく
誰にも媚びないだろう
優しさに抵抗しては傷を増やし
癒す事も知らずに
暴れては傷 ....
捨てられた猫のために
いったいいくつの嘘が必要だろう
きみが飛んでいくほど風の強い午後
覚えたてのからだに
バターのようにしみた嘘
ひと晩じゅうかけて
愛をはがしていく
....
胃が強い前田は
葛西と対決するために
山道へ向かった
ロバを乗りこなしても
山道は遠かった
前田のルーツは鰓で
魚かもしれなかった
渋い顔をしながら
葛西と対決するために
ロバに乗っ ....
幼い頃から
ぼくは時計が大好きで
何時も秒針を眺めては
朝日に光る産毛の中に
満足を覚えていた
117の電話を聴いて
今も正確さに
その美しさを享受している
多分ぼくは前世にお ....
エンターテイメントなんて所詮
人間がやっていることだから
夢や切実はもう遠いおとぎ話
若者はどう傷ついたのだろう
老人はどう消化したのだろう
エンターテイメントなんて所詮 ....
放たれた欲望は
増幅するように見せかけて
枯渇してゆく
それはまるで
空飛ぶように
深淵へと
飲み込まれていくさまに
似ている
緩やかに
なだらかに
夢見るように
堕ちて ....
ひどいことされて
それを正当化されて
お金や時間や尊厳をうばわれて
泣かされて
うらまず
なやまず
うれいを持たず
生きていくには奇蹟が必要だ
ぼく ....
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