定期的に響く
カツン カツン
ちょっとだけ 思い出すのは ピンヒール
コンクリートジャングルから 離れて
もう 数年になるのか
楽しかった記憶は
いつまでも 笑顔とともに
脳 ....
あの娘との人生は大事じゃない
僕は分からず屋で ワガママ
このだだっ広い世界には まだ見ぬ輝きで満ちていて
それが僕を手招きするんだ
あの娘との人生は大切じゃない
僕は愛なき人で エゴイ ....
包帯を顔面に
ぐるぐるまきまき
ミイラみたいで
死んでるみたいな
サナギみたいで
これから生まれ変わるみたいな
包帯まきまきの上から
油性サインペンで
新しい顔を落書きしてみま ....
青い青い海を
裸で泳ぐと
魚の頃の私に戻り
手足も自由になり
心も自由になり
そして、そして
どこまても…どこまでも
私は泳いでいけるような
そんな錯覚 ....
{引用=
朝がほどけると、水面に横たわり あなたは
かつて長く伸ばしていた
灰色の髪の、その先端から
魚を、逃がす
皮膚は、透きとおって ただ
受容する 水の、なまぬるい温度だけを
....
おそらく期限切れのアンフェタミンがもたらしたのは
誰かを執拗に切り刻む紙芝居
生温かい数グラムの血しぶきが頬にへばりつく感触だけが
この世界で唯一変動しない価値のように思えた
....
竜巻
今日
芽生え
気づいたら痣のような夜が太腿
にできていた。傷口からは海が
滴ってしまうので、私は鰓呼吸
をしなければならなかった、吐
き気を感じてシンクへ、喉の奥
からこみ上げてくる熔岩と陣痛。
それか ....
性欲情欲に溺れて 理性は打ち捨てた 水に弾ける未来の幻想
僕らは手に手をつないで 太陽の情熱に焼き焦がされる
罪や罰だなんて忘れてしまった それが僕らの{ルビ性=さが}
そういや ....
星ひとつ 星ふたつ 静かに尽きる夜
キリンは街をさまよい歩く
まっすぐな線がまだいくつも
引かれていない 幼子の 夢の灯を
螢の群れる木のように 揺らしてそっと
キリンは ....
ここにはもういなくなってしまった
ひとたちが
ときどき浮かんでくる
そのたんびに僕は
夕焼け 夕焼け
って詩を書き始める
いないいないばぁ
....
午前4時
静寂の中…
目覚める
暗闇の中
しんと…音のない
部屋
聴こえるのは
私の吐息…だけ…
重力を失った
暗い空間は
私の身体の重みさえ
....
後ろ手に隠す 大切な宝物が
何時だって 輝いているとは 限らないけれど
ともすれば 前方からの攻撃に備えて
隠し持っているのかも 知れないし
もしかすると
大きな 塗り壁みた ....
お洒落な美術館
親友の美術展が行われていて
招待されてやってきた
風景画が好きなのだろう
誰の心にもある風景
親友は子供の頃から
絵が大好きで
見たり書いたりしていた
私は ....
西日の差す窓から遥か遠方の山々を望む。
白く輝く飛行機雲を眺め、彼方に飛び去る鳥たちを見つめる。
視線は常に前方を向いている。
彼らの優しさを感じ、ゆっくりと目を閉じる。
す ....
銀色の雨が音もなく降っている。
テラス越しに見る常緑樹の緑は鮮やかで、
一日の予感は謎めいている。
雲に覆われた空は以前読んだロシア文学のようだ。
テラスに置かれた二脚の白 ....
まぁ座って。
あなたはテーブルとの距離を好きにする。
これより喰らわせるアイデンティティなら氷山の一角
つまりあなたはミーム逹 乗船のタイタニック。
いく ....
皆んながでていって
私はバスタブの湯を全部ぬいた
[規約に同意しますか?]のしたに
[します]
のボタンがひとつ
なめらかな雨のなか
バスタブはからで
ボタンはひかっていて
わ ....
誘った君が突然「まだ早い」と
引き返して行った 扉は開いたまま
君の言葉の意味を確かめられないまま
日々を重ねた今でも 思い出せるだけ
溢れる涙も 打ち ....
竈
鋼
硫黄
何故、こいつは
こんなに成り上がりたいのか?
その旺盛な出世欲を目の当たりにすると
吐き気を催してしまう
自称とはいえ詩人と名乗っているくせに
その端なさを隠そうともしない
トイレの汚 ....
灯籠のつくように世界の意味は反転する
昼と夜とについてくる残酷な時刻たち
君らには心がないんだね
それなのになぜ世界を統べるの
吐く息に祈りを込めた
吸う息に唇を震わせた
先へと思いを ....
宵の街
冷たい風に
ふかれつつ
きみ待つ時は
心楽し
顔 しかないあなたを覚えては
いませんとうの昔に身体が
あることが当たり前になっていた
からあなたの膝によじ登り二の腕
にぶら下がれるほどの小さな私は
よく脱臼して整骨院に連れて行か ....
こんな詩しか書けないのに
他人の批評なんかするな
という言い方は本当は嫌いだ
何故なら
詩作と批評に必要とされる能力は
別だと思うからだ
名プレイヤーが
必ずしも名指導者とは言えないよう ....
もの言わぬ時間が
周りの壁を白く塗っていく
それから
道も
樹々さえも
ただ空は青いままだ
あとひとつ
一冊の詩集がそのままにして
僕は
ワイフが
出かけると
動きが
活発になる😊
何千、何万回と
細い管を体内に入れて
排出するために
カーテンで遮るような社会
赤い手帳が福祉の窓口に置かれ
自動ドアが開き
外からの風が吹いて
折り紙で作った鶴のよう ....
田舎町の空を明るく灯す
年に一度の花火大会。
いつもは走り回る校庭に
ビニールシートを広げて
父が買ってきた焼きそばとタコ焼きを食べながら
南の空を見上げる。
ドーン、と響く地鳴り ....
帰りの車で
仕事で使えないジジイを笑い話にしているのを聞いて
帰宅する
黙ったまま
話を聞いて
時々笑う
駐車場で別れて
一人
文字にする
誰かを笑いながら
誰かに ....
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