比喩の上手な娘だった
お互いをひとつ、またひとつ 知っていくことは、
ミルクピースの嵌まる所を見つけるようなものよ
頭脳ゲーム 記憶 感覚 時間潰し
端ッこから攻めて ....
嫌なことはすべて後回しにしたい
嫌なことをすべて先に終わらせようとすると
いつまで経っても終わらないことに気がついた
まず嫌ではないことから順に片付けていくことにしたけれど
後に待ち構 ....
高田馬場駅から徒歩10分
父の居たオフィスは今でもそこにある。
建物を眺めて
私は買ったばかりの眼鏡を太陽にかざす。
二つのレンズは太陽の光りをいっぱい集めて
私の全身に降り注いだ。
....
飛びたつ機会を待つ鳥たちは
地球のいのちの最後の足跡
飛びたつ機会を待つ鳥たちの
さらさらとした最後のキス
飛びたつ機会はどこかで今も
温かいものだけ探している
....
目鼻立ちの麗しさではなく
口もとからふと匂い立つ色香でもない
清水の底から沸き上る泉のように円やかな微笑み
それは微笑んで見せようとする思いの仕草が
表情を作り出すよりもどこか深いところの水脈 ....
長いながいリノリウムの廊下
走るはしるどこまでもつづく
冷たさ等間隔の蛍光灯がつく
りだす光をゴム底のサンダル
が吸収してさっきから一歩も
動いてないみたいなストップ
モーション繰り返す呼 ....
帯電するからだ
静電気を帯びる
指先から延びるパルス
ステンレスの手すり伝い
衝撃が走る
瞬間君を思い出した
手の痛みよりも
胸がキリリと痛む
歯を食いしばって
静電気ピリリと火 ....
最期の日には どう過ごそう
想い出の地に 足を運ぼうか
海を見つめて 想い 馳せようか
雪を眺めて 耽けていようか
最期に僕は何をしよう
最期に僕は 何をしよ ....
ラベンダー色の海に身をひたし
悲しみを咀嚼した
ガラスの隙間から
誰かのページをめくる音がきこえる
屈折して
青い血が飛び散る
卵の殻のなかではぐくまれた
そうしていつか 荒涼たる浜 ....
他人の作品を
切った貼ったして
その切り貼り具合で
良し悪しを判断するという分野が
自称詩の世界にあることを
初めて知った
なんだ、パイプなんちゃらって
言ったっけか?
そうそう!パイ ....
いつもともにある
テントウムシや
デンシンバシラが
いつもともにある
ローズピアノや
テナーサックスが
いつもともにある
サンタマリアや
サザンクロスが
いつもともにある ....
その女の名前は珍子 有り得ない名前で生まれた
今夜も薄暗い路地裏の外灯の下 電信柱の物影に珍子は 独りぼっちで佇んでいる
すると宙に、向こうの世界と通じる異次元ポケットが一瞬開いて ポトリ ....
お金が無くて食べられないなら
無銭飲食で警察に捕まれば
食事が提供される
時間が無くて食べられないなら
サービス残業を訴え出て職を失えば
一日中食事ができる時間ができる
心が痛くて ....
倦怠感を憶えて
窓を開ける
細い絹糸のような
雨がいつのまにか
降っている
雨は悲しみに
余りにも似ている
だから私は
雨が好きなのだろう
だから私は
悲しみが好きなのだろ ....
そ、それで検査の結果は?
「奥様も入って頂いて」
「しゅ、主人はどうなんでしょう!」
「はっきり申します
ご主人は・・・・自称詩人です」
ええっ!
「そ、そんなーっ!」
「自称詩人が骨の ....
血液検査の結果が出た
血糖値もコレステロールも
気になったが
何と言っても
一番気になったのは
血中自称詩人濃度だ
この数値が高いと
家族からも見放され
鉄格子窓の部屋に
即入院させ ....
海と山しかない田舎
自然がいっぱいで空気が綺麗
幼なじみから
恋人同士になって
今を生きている
流行りものの服もない
流行りものの新しいものもない
周りの環境が綺麗だから
....
何気ないひとときがとても大切に思える朝。
光はまだ淡くカーテン越しに差し込んでくる。
今を生きている事に幸せを感じ、与え、受け取る。
闇夜の呪いがゆったり溶けてゆくようだ。
....
黒い手鏡にお前はお前の影を映し
真夜中に発汗する。
ぬめりを帯びた白い肌はうっすら染まり
不安の糸をその指先に絡めた。
不協和音の営みがその役割を終えても
残された不安は ....
娘に触れられて
少しだけ水に戻る手の甲の霜。
寒い部屋の中では一瞬で元に戻り
組まれた父の手を冷たくした。
父はもう人では無い。
今朝水揚げされた魚河岸の魚のように
足を縛られ逆さづり ....
思い出したくない。と
思考を捨てた。
声が思い出せない・良い出来事が思い出せない
いなくなったことが悲しいから
思い出すことを辞めたい。と
最初から居ないと思い込むようになった。
「お ....
澄んだ空 霞がかる頃
蕾は次々と押し出され
揺れるまだ冷たい北風
自然と近づき合った 間もなく
また明日ね と迎える未来から
また今度ね と迎える未来へと
....
顔に
ぎっしり種を背負った向日葵は
重そうだ
僕はそう見えた
あの顔がやがて
地面に押し付けられる
やわらかな大地に
けれどここは
都市だ
焼ける ....
まがい物ががやがやして来ると
私は自分の家が
動物園に成ったかのように思って
ウジ虫になったかのような
気分に成る
仲秋の名月に琴の弦を切って
一切弾くまいと心に誓うと
夏目漱石と鏡子夫 ....
啄木鳥が 脳天を
穿つ ヒールの音
充電切れの端末から
伸びるヘッドホンで
耳をふさいだ少年
急所は隠すもので
隠したところから
急所となる
先頭車両の不文律
スーツの背中に ....
聡明な目が おきゃんに くすりと笑ってる
黒板の端から端へと 飛び回るプリマドンナ
人差し指のプロジェクタースイッチが効かないときの
パソコンに急ぐ あのお方のご様子は マドンナなの ....
お茶漬け
シノニム
北回帰線
まるで世界の中心だ、
と言わんばかりに虚勢を張っては
わたしを試そうとする
そんなところも
実にあなたらしく
ただ微笑ましく見つめるだけで十分だった
久しぶりに感じたあなたの空 ....
全方位に焼け剥がれた命は
無限の軌跡を描いて一点に収束する
その最中に見る光景
自覚的な痛みを伴った主観的な光景
ビル群
山間の谷間
火炎放射器を持った昔の軍人の写真
凍てつく凍土
あ ....
貴女に初めてまみえた静かな夜の舞踏会
私は氷漬けになってしまいました
白魚のような指先に軽くキスをして
貴女は月のような頬笑みを浮かべて
互いに頷いた
初恋のような電撃が私の胸を貫き
....
1187 1188 1189 1190 1191 1192 1193 1194 1195 1196 1197 1198 1199 1200 1201 1202 1203 1204 1205 1206 1207 1208 1209 1210 1211 1212 1213 1214 1215 1216 1217 1218 1219 1220 1221 1222 1223 1224 1225 1226 1227
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.09sec.