複雑な現象が一つの数式に閉じ込められている美しさと同じように、
複雑な情報が一つの身体に閉じ込められている人間というものが佇む姿は美しい
いや、人間だけではない
ありとあらゆる物が複雑なものを抱 ....
こころは
ときめかない
生ぬるい海に
独り沈む
愛のない
こころで
懸命に生きても
ただ
空しくて
哀しい
そこのそこに
落ちて
こわれる
解放
ただそ ....
浮きたちそうな夢のおくで
君が叫んでいるのを
僕は、空の狭間で叫んでいるようで実は
夢おくにいるんだってこと
知ってる
世界は広くて
僕は狭くて
君は泣いてる
....
ささみ
長波
模様
冬のあいだは閉じていた即売所に
春の野菜が並ぶのをみにいった
空に白い梅の花が
燃え上がるように咲いている
ハンチング帽をかぶった老人が杖をつきながら
老犬とゆったりと歩いていた
....
――ミルカ ヌカルミ
そんな回文が虻のように掠めた時
女のなにくわぬ横顔は真新しい日記帳で
天道虫だけが慌てて這いまわっていた
とても大切なものを落としてしまい
それがなにかも思い出せ ....
冴えない気分はよりスローに
お気に入りのお店にも入れなくてね
使いもしないコンタクトレンズの割引券を
丸めてポケットの奥に そのままで
この時期の空模様はあまり好きじゃなくてね
....
今日という日が
毎日
滝壺に落ちる水のように
過去へと吸い込まれていく
カラオケから帰って来ると
江夏おじさんが
びらびらやって来て
札びらなのか
ラビアが入れ替わってしまったのか
よく分からない感じの
接近の仕方が
江夏おじさんのやり方で
やって来る
....
歌う汽笛は下手くそだった
生命波打つ、きみどり色の絨毯の上を航海する船
柔らかな日差しが撫でるように氷を溶かすから、行き先はどこまでも広がる
細かく枝分かれした新芽、太く根を張って、遠くを見通す ....
年をとると
医者通いが多くなる
今日は内科
昨日は眼科
明日は皮膚科というように
どの医者も
基本的には
年寄りは老化現象と見ている
パッと診てパッと処方箋を書いて終わりだ
原因なん ....
感じ悪いって思ってる
たとえば
嘘をついてしがみつくとか
取り乱して吠えさかるとか
感じ悪いって思っている
自分のことを護ることしか
考えていない自分とか
帰る場所がないのは ....
柔らかな海に溺れたとき
人は、なにを見るのかしら
感じるのかしら
大きな事象のなかの小さな事実に
私は、気をとられてきたけれど
きっとそれだけではだめだったの
あなたを理解したい、私を ....
こっくりとした夜の静けさに
ルノアールはおどけて傘をさしてくれたかもしれない
郷愁を呑む
換気扇は回り カタカタと音を立てる
朝 起きがけの夢の跡とコーヒーの味は苦い
悪友の葬儀は明日への吉兆
出かけるのは僕
喉元を腫らして タテガミのように波打つ髪 ....
便りと契
昔からの名残
液体に溶けた塩
むき出しの白と汗
体温より高く
熱冷めず
より遠くへ
ひどく風荒む海岸
ゆっくりゆっくり
波は収まらないんだ
樫の木の杖
光沢帯び
古に ....
憂色
火山
簑
輪郭だけがある、かたまりには、
模様のようなものが、
刻まれていて、もうずっと動かない
胸の奥
いつここに来たのか
それは
外界の音に共鳴するようなところがあり、
愛おしくも無いけど ....
目の前にたくさん転がっていた
あたりまえの積み木を
崩してなくしました
わたしが積み上げたいカタチは
誰もが羨むような
とても綺麗なお城で
どうして此処に三角形を置くのか
納得の ....
この世とは
ぼくがまだ死んでない世界?
地球が隕石かなにかでくだけ散っても
ぼくが宇宙船で脱出して生きていれば
この世は存在し過ぎてもいく
ぼくがこの世にいなくても
....
蕾のような薔薇は
これから咲き誇る美しさを秘めているようで
ちょっと わくわくする
華拓いた瞬間
見詰める瞳の煌めきを
全身に 浴びること
互いに
前進して 行くことをも
....
自分は自称詩人ではない
何故なら「自分が詩人である」などと
未だ嘗て言ったことがないからだ
もしあなたが
こんな風に思っているとしたら
それはかなりの思い違いだ
私の言う自称詩人は ....
遠く君、
光の点となり
消えていく
石燈籠をぐるりと廻り
追いつけない追いつけない
生は死を含み
死は生を含み
宇宙の大海原を
渡っていく帆船
現に獲得した智に
自ら発光しなが ....
不思議と書いてみる静寂な闇
完全な無は同時に底のない落とし穴
だからだろうか
誘われるように足が動く
見えないのでなくあらゆるものの内包
差し出された孤独が
標のない道を彷徨い途方 ....
ざぶんと音立てて
かわのなか
跳ね橋の底
見上げてる
気持ちのいいことなんか
気持ちが悪いし
誰かを好きでいることは
自己嫌悪への入り口
後ろでドアが閉まる
慌てたようなふりをし ....
表にも裏にも
鏡のついた手鏡を
ふたつの指で廻しながら
光ははじまりと終わりを行き来している
横の波が
縦に重なり窓を覆う
外の冬を隠すように
布の鳥の羽音が積も ....
ろるあるとももあるは
てをつないで
らいれるてるめるの橋を
けいてんしるさるしつつ
ろるでんする時間を
すとっくする
それは
もしかしたら
はいてん
なのかもしれない
そういうはい ....
夜は絶え間なくやって来るこころの襞に
おとことおんなは何時もばらばらで
それは覚束ない幼児のあゆみのようで
ときに滑稽を誘うものかもしれない
きのうの残骸からきょうが算出されるわけでも ....
風
メンチカツ
黒蝶
ただ休んでいい
どうにも身体がいうことを聞かないときは
休んでいればいい
否
休むしかない
笑顔を作れず
前に進めず
指さえ微動だにせず
涙も零れ落ちない
そんなとき ....
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