針穴に糸が通った遠い日から
ずいぶんいろんなものを縫ってきた
時には
縫われることを嫌って
ぴちぴち跳ねて
てんでに海へかえってしまう布もいたけれど
人の営みのかたわらに
一枚のぞう ....
生まれてきてからこれまでの
血の成長を袋に詰める
明日には収集車が焼却場に運んでいく
つい最近知り合ったばかりの
知遇を本棚にきれいに並べる
いつの間にか本棚はいっぱいになった
拠 ....
瞬きしない癇癪持ちの貴女が遅れて笑ららう
瞬きしない癇癪持ちの貴女が遅れて笑ららう
瞬きしない癇癪持ちの貴女が白く透き通る卵を一粒一粒数えて笑うように洗ららう
氷山の如く切り立つブラウス ....
よく分かっていなかった時
世界がギラギラしていた
分かってしまい外界に絶望してからは
結局自分でどうにかするしかないんだなと
暴走列車の鋼鉄のようにビクともせず
強くハッシンシ シ ....
東の果てから顔を出す太陽があなたの眼の色と同じでよかった
まるくて熟れたあんずの実をとなりに並べたら、あなたとあたしは似たもの同士
果汁の一滴も、種まで残さず食べ尽くしてくれませんか
大丈夫です ....
町
花弁
サファイア
暖かで穏やかで
土と花の匂いで満たされ
子供たちが無邪気に走りまわり
笑い声がいっぱい
その子供を老人たちが笑顔で眺め
かつての友の顔を思い出し
自らの子供時代をゆっくり確かに思いだす
....
力強く踏み付けた地面に
穴が空いた
穴は細長いトンネルになって
どこまでも落下して行った
割と早いスピードで
うねうねと
蛇の身体のように
なだらかなカーブを描いているように思え ....
口の中に広がる 錆びのような味
毎回 思い出す 鉄棒のシーン
Tシャツの裾を 括りつけて
何度も後ろ手に 回り続ける
逆手にするのが 邪道だった
順手のままで 十手を持つ構え
....
旅がもし日常の中に潜んでいるとすれば
僕達は何処にもとびたてない愚かな鳥にすぎないのかもしれない
月の満ち欠けにいのちをふきこむものが風だとしたらならば
僕達の望楼は遥かな砂漠の果て ....
いい気になって
クソ自称詩を
垂れ流している自称詩人にとって
突然身に降りかかった厄災
俺自身、自分にはそんな価値しか認めないが
「犯罪のないところ弁護士いらず」や
「虫歯のないところ歯医 ....
自称詩人の夢とは何か
自称詩人の多くは
プロフィール上
センシティブで眠れない人を気取っているが
実は床についたら
2秒でグースカ鼾をかきだす奴等なので
一応夢は見る
そして、それ以 ....
人生のポイントカードがあればいいのにね
そしたら私は
やなことポイント貯めよう
傘をとられた 1ポイント
上司に嫌味を言われた 3ポイント
欲しかったスカートは売り切れ 2ポイント ....
私が超えられなかったあと一歩の心の段差が
今、すんなり超えられたの
様々な出来事を頭の中で整理出来るようになって
私、ひとつ壁を越えたよ
熱い太陽の陽射しの下で
柔らかく時が ....
いつも日没は反覆だった
ごみ箱に弁当の中身を捨てる
箱の中
散らばった白飯が造花のように咲き
今朝解凍された惣菜がぽろぽろと転がる
(それだけしかないから)
誰にも見つからない ....
白木蓮の花が
まだ冷たい空に向かって
ふくらんで
忘れていたつもりの
いくつものことが
いくつもの夢が
何人ものひとたちが
咲いてきそうで
立ち止まっている
と
こころがにじん ....
薄臙脂色に錆びた 夜に向かう空
冷める夜営の街 風がなぞって
そんな絶景の中に 悲しい唄の語り部がひとり
物静かに立ちすくんで 遠くを見やり 語りだす
「誰のためでもない この世界で」 ....
冷たい空に似合う、寒い雨が降っていた
暗いインクの道に街灯が流す 光の滝
その中で これまた同化しそうな程の黒い傘をさしていた
「こんな景色では 僕は帰れないね」
喜びの滲んだ ....
あれから10年も、と
渡辺美里が歌う
100年続きますように、と
一青窈が歌う
10年前 父が他界した
真面目で
小心で
サービス精神旺盛で
ギャグがよくすべる
そんな彼を
私 ....
聴いてくれなくても
いいよ
息づいた
鎖骨のくぼみにすこしだけたまって
あとはみんな流れるよ
疲れた首
あなたに雪を投げる子ども
溶けて
白のうえに残っ ....
風見鶏
博愛
ポスト
うなだれて
中途半端な姿勢で
寄りかかって
肩が痛い
眠たいからしょうがない
かと言って眠れない
今夜もまた
夜は更ける
朝が近くなる
やっと眠りにつく
目覚めは早く
....
俺の脳天に風穴がふたつあいている、ひとつは自分でどうにか出来る、もうひとつは自分じゃどうにもならない、その穴はお前にどうにかして欲しい、そいつは俺にはどうすることも出来ない穴なんだ、俺 ....
ザプンと飛沫が上がる度
痛みが 一つ 弾けます
空は 真っ新なほどに 青くて 白くて
耀く太陽が 全てを覆い尽くす程に
ツライのですが
その言葉を 発する手前で
光が 消して ....
国有地を
不当に安く手に入れ
自称詩人育成学校を
設立しようとした
自称詩人の夫婦
(夫、硝子のガチョウ 妻、春風弥生)が
首相から
100万円の寄付を受けた
と証言した件は
実はホ ....
「綺麗」「美しい」
その語感に
こころとろけ
誘惑され
引き込まれる
私はそれを愛おしみ
抱きしめ愛撫する
それは秩序があり
天体のように
細胞のように
緻密で
謎に満ち ....
大地が鳴ってる
静けさ聴こえる
どんな時にも祝福を
憎悪ではなく祝福を
死の間際こそ祝福を
大地が鳴ってる
静けさに耳傾け
底の底から湧きあがる
生きて今在ること、
共鳴する ....
潮風を浴びている
白い丘
黒い岩肌、
なめらかな、
すべるように飛ぶ鳥の
くすんだ青の骨
、風に中指をのばす
調律師はもうなにも
弾かなくても、それが見えた
やさしい音楽 ....
朝の接近が
常態化して
討ち入りの日が
検討されると
本当の上司が
茂って来る
石器時代の庭に
埴輪があると言う
アナクロニズムで
長い川が美しく
明らかに正しい泡が
厚かましく ....
貰った花束をスマートフォンで切り取ったり
取れてしまったボタンを小さな箱にしまいこんだりすること
連なっているはずの港区の海の匂いは
知っている海と少しだけ違うような気がした
平坦につづく ....
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