君が踊れば
ほらもう舞台までもが羽搏きはじめて
宙へ舞いあがってしまうのだ
君の身体から
君の狂おしさがあちこちに飛び火して
つぎつぎ燃えあがってしまうのだ
ほら星々までもが
その位置を ....
○どんな手術でも
最悪というものは
ある
ワイフに眼で
「今までありがとう!」
と言った
○入院前は
美人の看護師が
いいなあ!と思っていたが
入院すると
やっぱりやさしい看護 ....
湯の地に
美しい姫が居て
ゴミを捨てる
美しい姫は
腹を貸して
磯野カツオに会いに行く
じわじわと不治の病に犯されて
じわじわと
笑いがこみ上げる姫の名前は
ナンシーだった
コマを ....
解離体になりたい物はこちらへこいと
それだけしか指導を受けていませんので
役割が違うわたくしは
いつまでも放っておかれている
白いテントを思い浮かべるの
その中に入っていく
わたくした ....
青空の下
部屋の照明を全部つけて
新人女看護師の前で
先輩女看護師が
いきなり僕のマツタケを
左手でぎゅうと握りしめて
「まず尿口のところから消毒します」と言って
右手で尿口をさっと拭い ....
道路のど真ん中に靴をかたっぽ落として行ったのだぁれ
さっきの自転車から落ちた傘はだれがひろうのかなぁ
あなたがすてた空き缶はだれかの畑に転がりおちた
ねぇ君が
蹴っ飛ばした小石 ....
命
たけのこ
鼓
桜のように咲いて桜のように散った
そう言いたいのか
生きてさえいれば何度でも桜は咲くのに
敗けても焼けても国は残り桜は咲くのに
桜花よ
秘匿のために付けられたというその名
....
ありふれた新月も満月も
見上げることもなく家路に急ぐ僕ら
ただいま
とは言うものの
おかえりとは言うものの
すぐにテレビやモニタの光に飲み込まれ
て
朝の目玉焼き
月みたいだね ....
目を閉じると
宇宙と宇宙が対消滅してる
星々が呑み込まれてく
おもちゃをのせた
絨毯を畳むみたいに
カルナ基地から
通信レーザーを送る
はやくそこから逃げて
7 ....
目醒めたとき
夢は夢になる
目醒めなければ
夢は夢でない
夢と目醒めの
あいだはなに
生きてるからこそ
死を憂える
死によってはじめて
生は完全になる
生と死との
....
水滴が笑う
ちいさな
脚はがたを来たし
腰もひん曲がり
青い想いまでも涸れはてた
卒寿を迎えたおひとりさま
なにをささえにい ....
人間頭で考えたことは
あまりあてにならない
実際に体験しないと
わからない
痛い!と言われても
どのくらい痛い!かは
実際体験しないと
わからない
特に初めてのことは
そうである
....
入院すると
病気と戦っている
歴戦の勇士が
たくさんいらっしゃる
初年兵の僕は
ビビることばかりだ
今日は人生初の手術だ
心臓の手術だ
後は自分の体と医者を信じて
任すだけだ
今朝 ....
*
初めての旅をした
魅力に富んだ表紙のついた 本の
扉を開けるように
それは 始まったわけではなかった
足を引き摺り ひと気のない
トンネルを歩くように
それは まだ終わらない ....
幽鬼
落花流水
鋏
VXガスを製造し
異母兄を殺害するまでの
苦難の道程を
中島みゆきの歌と
田口トモロヲのナレーションでお送りする
感動の物語
プロジェクトVX~朝鮮者達~
今週は「キムジョンウォン、最後 ....
あなたの傘は
少し小さく
私は少し
はみ出してしまう
私は誰かの
傘を求める
心地よい
雨音を聞く
あなたの傘は
同じ角度で
いつでも
そこに咲いている
私は ....
足首が凍りつくほどの寒さを堪えて
桜の花びらを踏み付け
横殴りの雨の中を
傘を握りしめて前へ進む
灰色の空は遠く
希望を掻き消し
さらに冷たい風が吹き荒ぶ
嗚咽を押し殺して
目 ....
ほんとうか
疑うことは
確かめるための第一歩
だった
しかし
うたのおにいさんは
うたのおねえさんの
秘密を守ろうと
画面からも
現実からも
その姿を
全自動システムで
消 ....
花びら
ユーカリ
酒
毛を剃られて丸裸にされた
オチンチンというものは
毛をむしりとられた鶏のような
感じだ
若い男看護師がきれいに剃った後
若い女看護師が最後に点検した
こんなにしてまでも
生きていかなけれ ....
夜あるくにはこわい道だった
夜桜は昼よりも白くて
ふたりの歩幅はうそをついていた
お葬式のような桜のぼんぼり
好きだとはとても言いだせなかった
血を流したところを抱き締め ....
春の訪れと共に
夢は去り
熱は冷めてゆく
桜の花びらは散り
情熱は燃え尽きた
メタセコイアの並木に
風が光ったのは
青春の日
今は
定めを悔やむこともなく
新緑の風に吹 ....
switch
ある箇所。拡大。線。拡大。黒。
ある箇所。
自身の
ある箇所にバーコードを見たドナー。
switch
修正液を飲み干せばいい。
s ....
駅が燃えている
交通量を燃料として
絶対零度で燃えている
構内放送はいつも通りに
列車の運行を伝え
人々は隙間の時間を通り抜ける
駅は青白く燃えている
そして即座にたち消える
....
私の決め手
それは
遺伝子を残したいと
思えるかどうか、かな
結婚を
うだうだ悩む後輩の
話を聞いた彼女の一言
そんなこと
考えたこともなかったな
なにしろ
愛読書が太宰治 ....
きのうつぼみだったあの子が
今日はもう咲いているね
満開になって
散ってゆくね
みおくるかなしさで
こわれてしまわないよう
みんなで別れをおしんでいる
はなやかなお葬式
淡いピ ....
忘れてしまいたいことと
覚えておきたいことが
どうでもいいことに紛れ込み
記憶という空を駆け回る
いつの日か あなたが作ってくれた
栞を探してみたけれど ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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