僕は見たんだ
きみは
そんなのはいないって
否定するけれど
横須賀の海に
照らされて
瑠璃色に輝く
猿を見たんだ
「サル!」って呼び掛けたら
猿は僕の方を振り返って
....
透明な何かがかすめた
それで十分
脳は甘く縺れる痛みの追い付けない衝撃に
砕かれ 失われ
死に物狂いで光を掴もうと
欠片たちは
凍結されることを望みながら
永久に解読不能
時間の延滞の ....
金色の髪を巻き上げた君のこと
小さい頃から好きだったんだよ
一緒にいた時の思い出はみんな
素敵なものばかりだったはずさ
カール 君がいなくなるなんて…
カール 君がいなくなるなんて…
....
子供の遊ぶ声
木々の梢にとまった名の知れぬ小鳥のささやき
どんな辞書でも測れないほんのすこしだけの幸福
一本の木はそんな幸福を見つめてただ沈黙している
鳥の中に鳥がいて、犬の中に犬がいる
そ ....
今年も田植えの時期が来た
田んぼには
稲の赤ちゃんが
いっぱい生まれている
すくすく育ってくれよと
蛙たちも一生懸命に
応援している
ごきぶりをみて
にげだして なきだした きみ
きっと いまの きみに
「せかいで いちばん こわいものは なに」
と きいたら
「ごきぶり!」
と
まよわず こたえる ....
睡眠
全ての意識的認識、運動機能をダウンさせる事ができる
ありがとう
休む事ができる ありがとう 休む事ができる
ある朝起きて
眠る前と丸っきり違う人になっていたい
毎日毎日違う人 ....
からだが ほてっている
なぜだろう 風邪かなぁ
初夏の気温のせいかなぁ
それとも老残の 空しい抵抗かなぁ
胃袋があくびを繰り返す
大腸 ....
カモフラージュされてしまうほどのオレンジ
大抵の人間が「夕陽」と呼ぶ現象が訪れる頃
少し冷たくなった風が そよと吹きかければ
花びらは ゆっくりと お辞儀をし始める
隣に似合うのは か ....
光る風の中で
まほろびの白が溶ける
さざれ石
旅立つ日には
一つのメロディーが流れている
旅立つ日には
何かが必ず終わるから
僕らは故郷を持たない
僕らは故郷を探さない
故郷への渇きだけを持ち続ける
旅立つ日のメロディーは
....
チョコレート
にんじん
円高
爪先を伸ばしたかった
ただそれだけのことだった
誰かを蹴るとか
階段から落ちるとか
足をひっかけてやろうとか
そんなことではなくって
ただまっすぐに
そう
バレリーナの ....
熱気で目覚めた朝は不機嫌にもなる
苛立ちを隠すこともなく
誰かに八つ当たりもできず
機嫌は拗れたままでほぼ一日を過ごす
目覚めたときに雨が強く降っていると
憂鬱さを隠すことができない
....
溶けてしまっても
あることにはかわりはない
のだけれど
にごってるほうかいい
いつの間に消えたように思える君のことも
空に、海に、
それは
ポカリスエット ....
おい、みんなあ
声なき声をきいてるかあ
悲しかったり
つまらなかったり
みじめだったり
苦しかったり
そんなとき
みんなあ、声なき声をきいてるかあ
....
夜の残酷さに怯えるように一本の鋭い剃刀の上を蛞蝓が這う
微小なガラス玉のように危うく私の生はあるのか
ゆっくりと剃刀の上を這う蛞蝓の軌跡を辿る者は生と死のあわいで屹立し吐息を吐
我々は死の影の奈 ....
午前3時に凍った血が
ことばの触手から逃れようとして
室外機のかげで汗をかいている
ぼくもまたひとつの原像
群衆の波にうもれているうち
体温はすこし
上がったみたいだ
敗北の構造 ....
高架下に流れ込む
川は
いつも後ろ姿
追い越したくても余地はなく
一定の速度を保持し
行列を維持して
たどたどしく
けれど確実に
進んでいく
迷いながら
躊躇い ....
今夜最強の
煩悩をもって
この街を
ほろぼします
今夜うちに来た時
みしたげるぜ
感情兵器の
ブレイカーを外すとこ
コンビニエンスストアの明かりが消えて
隠れていた生き物 ....
これは
むかしむかしとちょっとのいま
真夏の壁に
交響曲が残照して
鋭くないガラス片と
青臭い血潮の
散った 咲いた
青春末期のお話で
※
顔の
みぎはんぶんが
麻痺して ....
行ったり来たりの場面展開
ブランデーに似合うホワイト
真っ黒な猫に 似合う
根っこが確りしてる味
寝っ転がって 認めた
唯一の 甘さ
消しゴムの絞りカスや
カレーに入れる 最後の ....
発車ベルが鳴る
僕は旅の終わりを迎えようとしている
見たい景色が見えるかも知れない
そう思って始めた旅だけど
見たい景色は見えただろうか
それは誰にもわからない
ただ、今わかってい ....
花心
電卓
夢中
小さな溜め息といっしょに吐き出す
貴女への恋は
あと何度の二酸化炭素にすればいいのでしょうか
小さく繰り出すつま先は
貴女との距離を
あと何歩で埋めてくれるのでしょうか
辛くもない ....
火の消えたタバコを自分の左手に擦り付けた
それがせめてもの断罪だった
罪と知らず犯す罪は
知らずの内に他人の罪になった
償うことも
学ぶこともせず大人になった
誰にも知られず犯す罪 ....
静けさ
ちょこんと
夜底に
座っていた
剥き出しの界、像なき界
それは決して混沌ではなく
何かを伝え何かを造形している
響き木霊し無限の力の生動する
もう一つの界、 ....
先ず、バイト先の店長に
認められるようになりなさい
「この子はよく頑張るな」
と言われて初めて
きみの未来は
切り開かれます
そんなことはバカらしいと
思っているうちは
死んでも
....
よく晴れた初夏の午後
家の庭で、ダウン症児の息子に
青い帽子を被せる
まだ{ルビ喋=しゃべ}れない5才の息子は
うわあっ!と
帽子を脱ぎ捨てる
部屋の中にはBGMの
ロックが流れ ....
生きるとは
自らに内蔵された
ギアを、入れること
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