昭和という小さな家族の乗り合わせ
不思議で不可欠な力が運転していく昭和バス
十才半ば、私の春
道路工事の終わった平成通に差し掛かると
祖父の姿は消えていた
草履では歩きにくくなった、と呟いて ....
私は何を残すことができるのか
恥を 汚名を
何かしらの名誉を
残すのか
しかし
時がたてば
人々の記憶から忘れ去られてしまい
滅んでしまうであろう
私たちが日々なしている ....
ひかりをやぶき
いくつものかたちが
そのかたちをしているのをみる
それは偶に 惨めなことだ
夕焼けに似ていない
コロッケに似ていない
どうでもよ ....
諦めてしまえばいい
そうすれば楽になる 晴れやかになる
それが出来ない
捨ててしまえばいい
そうすれば自由になる
それができない
嗚呼 楽になりたい
晴れやかに自由になりたい
....
風のグリッサンド
娘たちのうなじ
蜜蜂の囁きと遠い銃声
耳の奥 深く 深く
雨のアルペジオ
素早い波紋のダンス
生まれ 出会い 干渉しあう
飛べなくなった蜜蜂は冷たい
....
「明後日父の日だけど
夜は空いていませんか?
ウチでバーベキューやるんですが┄」
「空いていません、
ウチの子たちがどっか連れて行け、
と言うかもしれないんで」
父の日の意味も
時代とと ....
子供が不登校になって
親失格と言われた
登校さえすれば
親合格なのか
子供がいじめられて
親失格と言われた
いじめる側なら
親合格なのか
子供は一人で立ち直る
無条件で信じて ....
{引用= ビニル箱がバイオレットに並び・はや私は夜に気づく
(高円寺南三丁目の夜)
バイオレットにビニル箱が廻り・はや私は夜に気づく
(水晶体の所有する夜)
ビニル箱 ....
【街景】
感覚というものに訴えたのは
騒めきの嵐
取り留めのない言葉の流れ
舞い上げられた人間の叫び
雑踏とした街並に咲く
毒づいた偽りの花
もう震え上がった真実を
覆い隠す暇は無い
....
星のきれいな夜、わたしはひらく。
明日の予定も忘れて、
うちゅうに立ち返る。
(A)は、(B)を防ぐことを目的とした法案であるが、(B)とされる範囲が広く曖昧なため、
捜査機関の恣意的な運用あるいは濫用が可能なため、市民の自由が脅かされるとされ問題となっている。
問題; ....
おひさまと雨に愛された
やわらかなこの地と
地続きだったはずの
荒地をなつかしむ
わたしは
奇跡的にそこで芽を出した
小さな花のこぼれ種
運良くここまで風に運ばれて
のんきに咲いて ....
家に戻ると白象がいる
リビングの大部分を占める巨体
なぜかしくしく泣いている
いったいどうやって
窓も玄関も
そんな大きさはないのに
どんなに宥めても
泣き止むことがない
仕方なく
....
風が体を通り抜けていく
ポロシャツの細かい穴は
体の細かい穴となり
細胞一つ一つが風に洗われていく
風景に溶け込むために
最も適した衣服
私はもはや人間の意識を捨て
自然と同じく ....
力みのない笑顔
幸せオーラが出ている
あなたの笑顔は魅力的
ポジティブな現実を引き寄せる
良い流れは自分で創り出す
良いことばかり起きる
あなたの側にいるだけで
私も良いことに包 ....
変わらぬ思いを誓い合うために
少女と手をしっかりとつないでその泉を訪れた
母と子のように見えても実は
一卵性の独りっきり
ほとりに辿り着いてふと気づく
少女がいまにも泣き出しそうなことに
....
サーカスが去って行く。
ネルソン坊やが月に向かって口笛を吹く。
ジェームズ夫妻は互いを罵り合う事で生への愉悦を感じている。
駄馬が一頭、自分の運命も気にせずに草を食んでいる。
....
銀の銛が突き刺さり
青と金でできた腹から
ひまわり 硝子 晴れの日の雨
街の入口の門に散らばる
砕けひろがるものの先に
ちぎれた鉄や鉛があり
多眼の宝石の角度から
言 ....
沙羅双樹
ユトリロ
残照
現状再生中
僕は僕を見てる
六歩離れて
手を伸ばしても
届かない事がわかる
いー距離さ
夏が寒いとか
冬が硬いとか
アノード探しの
宣言に酔ってるんだ
可愛いつもりで
....
十代の恋は幼く
大人びた香りがした
あの夏の日暮れの
夜が落ちてくる手前の街を
指を絡めて歩いた
あなたの指は
ほそくしっとりとして
引かれるまま道を歩く
足取りはひどくゆっく ....
バカに遭うと世の中を正したくなる
悪い癖だ
こんなのがのさばっていることが許せなくなる
ろくでもない青春だ
偏差値のひくい真面目な連中がいて
彼らは小中高大とエスカレ ....
緞帳をあげよ 決戦のときは来た
オリンピックがはじまる
沃野に死が降りそそぎ
血まみれでのたうつ菊の花
小さな王冠をかぶった騎士たちが
青ざめた顔で海からやって来る
....
そのようにわたしにメダイをくれた女性と
初めて ほんとうに 会うことになったその日
二人でまるでおさななじみのように打ち解けたころ
すでにそとは昏く遠くのネオンが仄かに西を告げていて
荒れた手 ....
みずうみのほとりで
黒いヒバリになって絶叫している
おんなのひとをみかけた わたしは
自分の最期を青い星と決め
その女性を儚く抱擁した
高潮がとどかない
岸の家
朝霧につつまれて
素描のようにかすれている
ざわめきがとどかない
途切れた鉄路、廃石の丘
みすてられた彼岸に
まぼろしめいて建って
此岸の水面のかがや ....
空の青さが濃くなる日
木の葉も緑を濃くしていた
さくらこぶしりらこでまりなど白っぽい花が終わり
赤いサルビアが揺れる頃
濃い血の色をしたワインを飲み干し
ラベンダーの香りが漂う
....
空から落ちてくる何かを
咀嚼しようとして
すっと伸ばした舌先を
寸での処で引っ込めたのは
雨粒の不味さを 体感したから
あれは屋根の雪
が 数日を経て象られた 氷柱
美しい刃先の ....
1
水のせせらぎのかぼそく落ちてゆく音の
さらさらとそよぐ 細い川が立っている
あるいは川面に映る 黒髪のなびく樹木の体幹
水面を揺らす風の冷ややかさでつるりと象られた
細ながい球 ....
こっそりあなた宛てのうたを描いた
とてもちいさな
それはたぶんほとんどのひとに解けないはず
けれどあなたなら願いをくんで
きっと――わたしは百年後のさざなみ
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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