シュールな海に
陽が沈み
いつか見た魚が泳いでいる
ぼんやりと月をながめ
浮き世をいきる
わたしのように
ゆっくりと泳いでいる
潮にながされ
ただよい
....
22才になる自閉症の息子は
大半の情報をyoutubeから得ている
俺の知らないことも知っている
俺が知らないとキレて
パニックを起こすこともある
明らかに女房よりも博識だ
そんな息子 ....
くるみの内側を
走り続けていたよ
放物線を描いて
世界を広げようとしたよ
僕は
一人ではなかった
君の姿は、
見えなかったけど
くるみのにおいが
していたんだ
僕が目を覚ますときも ....
わたしがわたしのことを考えていると
障子がすーっと開いて誰かが入ってくる
いつか夢で会った人のような気がする
上から下まで赤い服を着ているので
目も眩むような思いで
何も言えないでいると消え ....
覚えています
あなたの鼻を触る癖
覚えています
あなたの足音
覚えています
あなたの匂い
覚えています
あなたの寝息
覚えています ....
蚊取り線香の匂いが漂っていた
あの夏の夜を
貴方は覚えていますか
時折天を仰ぎ
用意していた言葉を
ひとつ、ひとつ紡いで
気づくと蚊に刺されて
痒みを帯びた足の甲
それくらい動 ....
かたい骨のなかの
やわらかい骨にふる
いっしゅんの雨にうたれて
街はくずれた
犬たちはしんだ
わたしがほろびた
そうして きみへの優しさが
只 ....
貝殻
五月雨
百日紅
俺は化け物だ
他人とは相容れない
愛されず
触れず
少し遠くをひっそり生きる
俺は化け物だ
生まれたときから他人とは違う
愛さず
手を伸ばさず
少し遠くで震えながら待つ
俺 ....
滲む濃紺のシルエット
おくれ毛ぬれたその耳を塞いで
いたのは 誰の声だったのか
小さな手から逃げ出した
風船は 空いっぱいにふくらんで
音もなく 破裂した 大人びて寂しい
始まり ....
妖艶なほどに美しい花びらを翻す仕草を
ゆっくりと見詰めてみる
そこには シロツメクサの首飾りが
良く似合うだろう
知っているかい? 露を吸った時の甘味を
朝や雨明けの空にも 負け ....
*
背を向けて一人の男が寝ている。
一言の口も利かず、黙って、
かなり前から ずつと、
長い ながい時間
心はうたっているのかも知れない
新しい悲しみを
そして
南極 ....
出すもの出して
スッキリしたのなら
もう行かなくちゃ 行かなくちゃ
片づけるもの片づけて
くっきりしたのなら
もう行かなくちゃ 行かなくちゃ
世界は待っているよ
驚か ....
団地は
隣人の集合体だ
そこには
それぞれのお話
それぞれの事情
それぞれの理由
それぞれの歴史
それぞれの食物
それぞれの欲求
それぞれの体位
それぞれの安息 ....
この道ちがうんじゃない!
この間も通っただろう
いや、やっぱりおかしい!
間違いないよ、ナビを見ろよ
ナビがちがうんじゃない
え!変なことを言うな、不安になるじゃないか
....
太陽がまだ昇りきらない
鈍い光の中
近所の大きな公園を散歩する
芝生は朝露に濡れて
紫陽花はしとやかに
私はひもを引っ張るように
快楽と安寧を手繰り寄せる
公園にあるものはすべて ....
病気は
怪我と違って
病気と分かってはじめて
無理していたんだなあ!
と気づく場合が少なくない
だから、定期健診が必要だ
森の緑を照らす太陽が心地良い朝。
緑という緑が生気に満ちて光り輝いている。
森の奥からモーツァルトのクラリネット五重奏曲が聴こえてくる。
精霊たちが奏でる音色に聴き惚れていると心に勇 ....
昼間とは違い
夜は穏やかに過ごす
急ぐこともなく
大好きな料理を作り
大好きな人をもてなす
喜ぶ笑顔が
ふんわり明るくて
夜が持つ雰囲気が和らぐ
何処までも続く気がする
....
眼鏡の奥の青い瞳が血で染まる時、埠頭から飛び立つ鳥よ、憎しみに湧け。
人間の弱さを自分の弱さと重ね合わせ、逃避する心よ、悲しみに暮れろ。
存在を日々消費してゆく者が夕景に若いエキスを吸い ....
俺は日本テレビの
世論調査を受けたことがある
電話にたまたまキン玉出たからだ
支持政党はどこやらなんやら
政治的なこと聞いて来やがったので
「答えても良いけど
俺が日本人じゃなかったら
....
初夏の夜風、湿気と都会のノイズ
この中には諦めが満ちて
もうダメだって声が反響して、私は耐えきれず
いや私自身の声かもしれないそれに耳を塞いで
帰路につく
満員電車でボリュームを絞った音楽を ....
いくつものニオイが入り混じり
人々ゆきかう
東京、東京
賑わいすぎた街の声は
静かに私の心を殺してゆく
曇り空からわずかな西日
アスファルトの照り返しで
ああ、ここで死ん ....
街の光が消えゆく中
ワイングラスに赤ワイン
夏には冷たく、と
冷蔵庫に入っていた。
憧れ続けた東京摩天楼
きみを此処から眺めてみる
ポツポツと消える都会 ....
かつてあなただったはずの指が
窓辺におかれて
うっとりとひかっている
乾きながら鳴るように美しいそれに
いまからちょっとさわってみようとおもう
蓮
兄
勇気
わざわざうみにまで行かなくたって、近所をぶらぶら散歩しているだけで案外救われたりする。
道をさえぎるほどに伸びきった雑草、ハエのたかる犬の糞、
でかい音を立てて走り去るトラック、落書きのされた ....
ところで鬼哭尖る。死とろとろのだ。
ログインうたた寝またも彼女。
カレンダー!まるで跪く手紙だった。
内臓をふるまうので首吊りも負かす。必ずだ。
メろめロなウェイトレス ....
どんな物事も永遠には続かない
だからこの苦しみにも終わりが来る
そう思うと少しだけ勇気が湧いたんだ
つらかったのは
そこでわれにかえった
時間は限られている
過去のことは過去
だからわたしは
つらいのは、つらいのは、
いま現在に絞っても止まらなかった止められなかった
あ ....
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