雪は拭い去らない
覆い隠すだけ
日ごとに捲る
白紙のページ
忘却は灰ではなく
深みに沈むこと
どこか届かない
タイムカプセル
書き変えても
消去しても
記録を改ざんしても
....
自分の過去を
振り返ることもなく
自分の意思で
前に踏み出す訳でもなく
時の流れに
身を任せたまま
流されるまま
しばらくすると
ずっと、留まってしまっていることすら
気 ....
この理論があれば
おねえちゃんを
キャバクラで働かせて
自分は昼日中
酒飲みながら
クソみたいな自称詩を書いて
暮らして行けるらしい
それを発展させたのが
M理論らしいが
私はソ ....
生きていたいという人に
死にたい人の心が分かるものか
「いつか良いことがあるでしょう」
暢気な予言者よ
骨は軋み、心は張り裂けんばかりの明日を
迎える準備はできているのか
....
風の最中に立つ状況ならば
壁を探したり
穴を見付けたり
はたまた風そのものを愉しめたりも
するのでしょうね
自然界と隔絶された空間、
例えばガラス張りの室内から眺めると
....
眩しい太陽に
不釣り合いな
冷たい空気が
意外なほどに
心地が良くて
今暫くはただ
こうしていたい
村のはずれの小さな宿で彼の残したシベリウスを聴いていた。
作品75の5、樅の木。
流れるようなその旋律に眩暈を覚える。
まるで夢のように去っていった彼みたいに。
夕暮れの中、 ....
壊れた彼女のこころが
ちゃんと修復されるまで
じっと待ってはいられなかった
彼女を連れて
尋ねた心療内科の病院は
目立たない場所にあって、ひっそりと静まり返っていた
受け付けを済ませる ....
君のために開け放たれた窓は、少しずつ風景を描き始めた。君の中に降ってくる光や闇はとても温かく、純粋な愛情の洗礼を受けている。君は今日、裸足になって歴史の川に足を差し入れた。歴史の川はとてもきら ....
近所から良い匂い
松茸を焼いている匂い
今年は少ない
ニュースで聞いた
今年は食べたい
松茸狩りに誘われて
山に入っていく
なかなか見つけられない
やはり今年は少ないらしい ....
人はそれぞれ心に悲しみを持っている。
でもさ、くよくよするなよ。
明日は必ずやって来るんだから。
もしかしたらあなたは今人生のどん底かもしれない。
でもさ、くよくよするなよ ....
ひとりぼっちのこころは 栗だ
かたいトゲトゲ
その下に
カブト虫の羽のように さらにかたい皮
もひとつ下に
渋皮につつまれ虫食いにあっている
虫食いのあなから、ひゅーひゅーと漏れている ....
物置を痛打されて
私は憤った
畏友だけは痛打しないでくれと
ダースベイダーに頼めば
ダースベイダーはミッキーマウスの
ごみ箱をぐしゃぐしゃにして
序でにピノキオのごみ箱も
ぐしゃぐしゃに ....
スクリーンにはBPMじゃはかれないテンポがある。その遅さにぼくは何度も救われた。一生分の景色をミニチュアにしたようなフィルムのメロディーは匂わせるだけでいいんだ。声に出す必要はない。
さて、でっ ....
お前の美しさに業を煮やす
少し下界の風に晒されると良い
パタンと閉じることの出来ぬ雑誌の
下世話なコーナーに佇む
昔ながらの 電話ボックスに告ぐ
悪夢と灰汁湯を 一緒くたにするな
図ら ....
艶めく林檎の滑らかな膨らみに
包丁の刃を当てて一息に押し切る
迸るエチレンの醇香
生まれ立ての双子は
仄かに黄味がかった白い果肉を
更に真白な俎板の上に
投げ出していた
あられもなく
....
薄墨色の空は
不安を掻き立てる
なにか良くないことが
起きるのではないだろうか
そんな予感で胸がざわめく
それはある種の期待ともいえる
高揚感を抑えつけても隠しきれない
そのような淡い期 ....
紫外線に
焼かれ続けて
色褪せた
生活の数々が
焼かれ続けて
ぼやけた
台詞の数々が
流れ着いて
さらされて
流され出されて
打ちつけられて
砕かれる
....
ワタシノコエガキコエマスカ?
ワタシノコエガキコエマスカ?
今の私があるのも
あなたのお陰であると
深く深く感謝する
雲の上にはアオゾラが広がる
それだけで充分じゃないか
天気がいいな
もしよければ
僕のチョコレート
死んだ母乳 ニコチン
足が先に出て 手がなであげる週末
ミュートしているギター音源が抗議の電話をして知る
迷子のギターはいつも孤独 ....
たとえいくら年を取っても
目ん玉だけは輝いている人になりたい
たとえ頭は禿げ、顔はシミシワだらけでも
目ん玉だけは輝いている人になりたい
たとえ貧乏年金暮らしでも
目ん玉だけは輝いている人に ....
その死刑囚の首に
縄をかけたのは
何を隠そう
僕たちだったんだ
そして彼は
吊るされ命途絶えた
まっ赤な血を
吹きながら命途絶えた
彼の
首の縄には
仕掛けがあって
首をすり ....
おまえではない
おまえではない
絵の具を燃やす手
土に火の絵を描きつづける手
隠れていた猫も虫も去り
原はどこまでも静かになる
鳥も鳥を話さなくなり
常緑樹のなか ....
きょうもたくさん、頭を下げました
ありがとうございます、あ、すいません、すいません
「雇用期間の定めあり、平成30年3月31日まで」
条件により更新あり
条件により・・・
ねえ、あなた、 ....
勤労感謝の日で休日。
「おれって、アラジンの魔法の精みたいじゃない?
起きたら、洗濯も終わってるし、洗い物も溜まってないし」
横で洗い物をしている私に
感謝の一言もなく、
冷たい視線を一瞥く ....
雨は止んでいた
底冷えの余韻もなく
左手にはぶらぶらと
きまり悪そうに一本の傘
軽やかに往く人々が
刹那の訝りを湛えた一瞥を
そっと私に投げかけて去る
そうか、彼らは知らぬのだ
ま ....
開けたり
閉じたり
叩いたり
抓ったり
もっと
面白いこと
ないのかと
探す
長く 細い 指先を
引っ張るように
力を込めたら
瞳 外れた
睫毛の方 ....
あなたの寂しい心
買い取ります
あなたの悲しい心
買い取ります
あなたのイライラした心
買い取ります
あなたの苦しい心
買い取ります
こんな買い取り屋がいたら
いいな!
雪を被ってすっかり閉ざされた
枝の間
小鳥は空を
ひと跳ね
ふた跳ね
すっ と吸われるように消える
とりあえず
生あるものは辺りから姿を消した訳だ
空を埋め尽くしていたあ ....
この見渡すかぎりの
芽吹きの果てに
わたしは満ち満ちて
君がそういわなくても
俺には
この全てに
問わず語りで
君の影を見ている
名前をつける前に
消えてしまった朝にも
....
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