勉強が原因なら
勉強を捨てなさい
友だちが原因なら
友だちを捨てなさい
勝ち負けが原因なら
勝ち負けを捨てなさい
「死ぬよりも捨てるほうを
選びなさい」
仕事が原因なら
仕事を捨 ....
暑い熱い夏
雨が降り夏が弱っていく
それを身体で感じる
気温は上がるけれど
色褪せたような写真に見える
夏の終わりの雨が
汗ばむ身体を冷やす
八月の終わりの頃
台風や雨 ....
殺菌されているような灼熱の中
塞がれてはいないが、とうに朽ちて
忘れられた路の、ひび割れた路面に
おれが求めるうたはいつだって落ちている
摩耗したスニーカーの靴底で、搔き集めながら歩いてゆ ....
苦悩と苦痛しかない
生と死のまどろみにある貴方を
ぼくは分かるような気がする
身体中がびんびんになって
靄のなかにいるようだ
かあちゃん たすけてー!
呟く時代にあえて叫ぶ
つきまとう重 ....
いろいろ怒っていたから
夕焼け雲も眉間のしわに見えました
優しくなんかないよ
夕焼け空も
あたしも
自転車をこぐこぐこぐ
このままどこかへ行きたい気持ちで
必ずと言って良いほど
選挙になると
中学時代の同級生から
電話が掛かってきた
未だ実家暮らしをしていた頃だ
さほど仲良くもなかった奴だったが
ある宗教団体の信者だそうで
選挙運動のために ....
自転車置き場に届く光が
まだ短くて生まれたばかりで
それでも僕等は卒業するから
さよならとひと言ずつ手を振る
ハードルしか跳んでこなかった
一瞬だけ空に止まった気がして
僕は何になりた ....
ら
彼女は地球上のごみをクリアし尽くしたごみ拾い
のはず。らら 地球儀だったかな?..
つるつる
になった地球に ポツっ 1人 うん。
らんらん
を着る思春期ですが。 ....
熱を嫌う午睡の肌に
蜘蛛は幾度も近づいてゆく
夏も冬も 獲物はいない
巣だけが 巣だけが増えてゆく
時の網目に掛かる埃
壁を覆う飾りの埃
彩りの無い彩りに
霞ん ....
カーテンから
もれてくるはずのひかりが
今日はなんだか弱い気がする
消失点とおなじ朝
つけっぱなしにしていた
デスクライトが
明るさを補完している
ほこりの粒がひとつふたつ
諦 ....
そしてゆっくりと
身体から夏が剥がれ落ち
空虚するための九月がやってくる
白を纏う
夏のように
眩しさを反射するための白ではなく
とり残されるための 白
とり残されて
空虚する ....
「79歳自治会長
女子中学生に一万円を渡して
みだらな行為で逮捕!」
事実は小説よりも奇なり!
世の中はふかーい闇におおわれているようだ
僕の田舎は
今だに豪邸主義だ
ワイフが知り合いに
「あんたの家は小さいねえ!」
とまた言われた
豪邸だと掃除も大変だろうに
豪邸の家でも
広くないのが
トイレだ
毎日何回も出入りする ....
僕は、シンプルになりたかった。ひらがなになりたかった。
ひらがなになれたら、悩むことはないだろう。苦しむこともないだろう。
悩みはなやみに、苦しみはくるしみになって、隣の文字たちと混ざり合って ....
午前二時 水溶星の アルタイル ガラスの海に
沈んでいく それを追いかけて 閉じていく私
*
教科書が雨降りの学校が 影が黒板に差して
私は鉄棒の下 花を胸に挿して
先生が絶望を黒板 ....
理事に選出された
ボーデンはアイスばかり食べて
何もやらない
集いに誘っても
フレーフレーとチアガールの真似ばかりで
ドウ(お菓子)に成って仕舞った
その時リベリアンガールが
駆け寄 ....
土星がこんなに走れるとは知らなかった。いくらボールを入れても得点にならないので火星はいらだちはじめた。水星に至ってはペットボトルに作り置きしたウィスキーの水割りを枕元に置いて眠り出した。金星は泥にまみ ....
銀河の彼方からモールス信号
ぼくはコーヒーを飲みながら受け取る
先人の知恵を享受しながらも
なまけ者のぼくが地球に存在する
ウィスキーが「神の水」だったら
飲むことにするだろうになぁ
狂人 ....
自称詩人という
悲惨な存在を
一掃するためには
社会改革により
格差や差別を無くす以外ない
と考えた私は
自称詩人の集いに参加し
「君たちのような人が
1人もいない、ゼロ、ナッシングな ....
逆さまになって
ぶっ倒れ
気付くと
天を仰いでいた
青
濃密な青
漆黒の宇宙空間に
そのまま接続していく
濃密な青
標高三千メートルのアイスバーン
アイゼンの爪先が食い込ん ....
私の中の私は泣いている
一人は嫌だと
優しい心に触れたくて
求めた身体に汚される
きたない
いたい
こわい
どれだけ傷付いても
触れた指先が忘れられない
....
雨に濡れたアスファルト
踏みしめ歩く
何処に辿り着くのか
道の果てはわからない
この星の息づかいが
足の裏に響き
それが力を供給する
悲しみか、憎しみか、
それとも喜びか
....
女子高生が蛇を履いていた
ズルズルと足首を食べられて
血が流れるのは上の方からだ
子宮の鱗が剥がれていく度
透明な体に生まれ変わる
水泳の授業を休む時に
男の先生だと言いにくい
....
しらないうちに
ふくらんでいた
さよならの風船が
やぶれて
きみはとつぜん
さよならをいった
夏のあいだじゅう
さがしても
おいかけても
たどり着け ....
北朝鮮がミサイルを発射するたびに
政府は「圧力強化」を繰り返す
いつまで効果のない圧力強化を
繰り返すつもりだろうか
今回北朝鮮が中国四国上空を通過させて
グアム沖へミサイルを落とすと発表す ....
朝はひとり
琥珀色をみつめる
砂糖はひとつ
あたたかいやつ
ラジオがながれ
おもいはぼんやりと
カーテンがゆれた
夏が終わろうとしてゐる
花がしづかに揺れてゐる。
その横に小さな言葉がおちてゐる。
姉さんがそれをひろつて、お皿にのせた。
子供たちは外であそんでゐる。
まぶしいほど白いお皿に ....
うちの猫はもうすぐ十二歳になる
この二、三年 もう駄目だと思う時が
何度もあったので
いつ死んでも不思議ではないだろう
祖母は施設にいるが、もう九十五歳で
いつ知らせが来てもおかしくない
....
薄曇りの空を浴び
錆びたトタンが発色する
剥げかけた というよりも
薄い金属の表面を
浸食している赤ペンキ
腐蝕しながら
守るべきものを阻害していく
かつては輝きそのものであり
....
みどりいろした
星をなぞる指先が
燃える
やわらかい
歯をたてては
めいめいにいのって
慈しむ紺色、宙をけって
絡まるいばらが
すきとおる喉元で
ひろいあげた木の葉の
ささやかな屈 ....
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