百合 薔薇 向日葵 アストロメリア
雪のふるまち 金魚草
廃品回収 木瓜 紫陽花
開きのちがう菊の花
醒めた夢を温め直すために
電子レンジを買ったんだ
温室は 電池切れ
いまは ....
他人の家の匂いは気になるのに
自分の家の匂いは気にならない
これは、常に漂っている自分の匂いを
脳がかき消しているからだと本で読んだ
確かにしばらくすると慣れる
いつも周りにある匂いを消 ....
地元のガイドボランティアの方たちが
700円の参加費で
10キロの山道コースを案内して
城跡や神社などの歴史などを説明してくださった
途中とゴールでは
ぜんざいや甘酒や漬け物などの
心あた ....
美貌の横顔を真青に埋めて
寂しげな眼差しを遠くに投げる
翼が欲しいと叫びたい心は
襟の白線で縛り付ける
黄金の前髪が耳へかけて描く波は
柔らかに繊細を奏で
そして僕は思い知る
手が届くこ ....
{ルビ彼の人=かのひと}は名をミライという
いつも明日の方を見ている
後退りすることなく
自信に溢れ
畏怖の念を抱き
それでも邁進する
笑顔を輝かせ
力強く
明日私はあるだけありがたい仕事の内部をかき回すように箒で掃き清め、
月曜から火曜に駒を進めるのだろう。内心もう面倒で、始業5分前にしか到着が出来ない。
遅刻する日も無断欠勤する日もそう遠くないよう ....
仮面を被る
泣いた子だあれ?
解き放つ、と書くと
何処かしら清々しい雰囲気が広がりますが
朱鷺放て、と書いてしまうと
翼が欲しくなりますね
時が経たなければ
開放できぬ事象に
翼ならぬ
唾吐きかけ ....
わたしはつらい
って君は背中で言うんだね
わたしうれしい
って君は瞳で言うから
あなたにはなにも
隠し事できない
あなたにはもう
嘘はつけない
いまはわたし
....
穏やかな秋晴れの日に、絶望の角度を測っていた。
「その角度は、希望だ。死に至る病だ。間違いない」
昂然と、苦渋に満ちた青白い顔を上げて叫ぶ男が近づいてきた。
── おかしな事を言う。 ....
バカが
自分のバカさ加減を
棚にあげてこね繰り回した
屁理屈を見ていると
バカは死ななきゃ治らない
なんてことじゃ済まされなくて
「どの方法で死ぬか、おまえが選べ」
と直接バカを完全治癒 ....
言葉の停滞
言語の解体
言霊たちの
本意を求めて
日を見ぬ閉塞
ひそかな生息
居場所もないまま
ようやく生かされ
道なき隠遁
未知なる混沌
....
左手首に微かに残る
傷跡の意味をあなた
は知らない。あの夏
のよく晴れた朝に私
が台所用洗剤と乾燥
剤を飲み込もうとし
て苦しんだことをあ
なたは知らない。ふ
うちゃん、ふうちゃ
ん ....
涙は結露に似ている。
結露は涙に似ている。
私の吸う空気を七色に変える。
耳を澄ませば聞こえる音も
七色に変わる。
私が歩んでいけなかった道
私が歩もうしなかった道
もう誰しもが追いかけ ....
乳色のワンボックスカーが
庭なしの一軒家にとまっている
僕の思う以上に 世の中の人たちは
ひとに興味をもっていないと分かった
東京はとてもうるさくて淋しいと ....
ソファで眠るあなたの指から
灰になった煙草を外す
ずれ落ちた毛布を掛け
散らばった睡眠薬を戻す
教会の鐘が冬の朝を告げ
絨毯に零れたワインが香る
妹とあなたと3人で
病室にスナックとソー ....
公園の写真を川に流し
波乱を飲み頭に尽くして
夕日の中から影を取り出す
山の踊り 蝶の渇き
鳴らす座り方を立たせる
焼きたての咳を我慢し
通り道を夜にするさるすべり
支えるものが支え ....
女房に
俺たちも
近所の神社に
襲撃に行こうかと聞いたら
「あんた一人で行ってきな」と
冷たく跳ね返された
それじゃあ、運転手は誰が襲撃すんだ!
と反論したが取り合ってもらえなかった
....
姉がトイレに降りて来たので
私は台所を離れて
パソコンの前に戻り
ピクチャーライブラリーの続きで
日付をスライドさして居たら
歯の生えた扉が
ものすごいスピードで
やって来て
十三歳の ....
不幸せなら 手をたたこう
不幸せなら 手をたたこう
不幸せなら 態度でしめそうよ
ほら みんなで 手をたたこう
不幸せなら 足鳴らそ
不幸 ....
公園の小山
こどもたちがスキーの練習をする
抉り裂かれても純白の
やわらかくつめたい乳房は
午後には固いデコボコに変わり果て
――されど まだ十二月
なんどだって楽しめるさ
雪のお化粧 ....
釧路空港霧のため
鳥のようには飛び立てず
蛇のように這って帰る
特急ス―パーおおぞらの腹の中
ゆらりゆられて眠りに溶けて
ボールペン型ミサイルが
ピンポイントで飛んでくる
今ならいい 今 ....
老人介護の問題は
つまるところ
排便処理の問題なのだ
一番簡単な解決法は
老人にウンチをさせないことだが
そのためには
飯を食わさないことになるので
死んでしまって
一石二鳥になっ ....
ふたつの卵のような目をした彼女と向かい合っている。
卵は茶色く黒い。ゴキブリの羽根だ。ゴキブリの羽根が
ドリアを食べる、私の口元をじっと見つめている。羽根
....
佇んでいる。
びたりとも動かない水だ。
この夏、そんな水を見た。
早朝、いつものように堤防道路をのったりと散歩している時だった。ぼくは、不意に気づいたのだ。音がしない! いつもの音がしな ....
僕の暮らす町には小さな小さな神社がある
榎木神社と呼ばれるその神社には 多くの人がお参りをする
そこには大きな楠木があり 皆その木をさすって帰る
鬱病を患っている僕は よくこの神社にお参 ....
「あんた、レンジが使えないから
あたしがパン焼いてあげるから」
「いくらパン焼きが上手でも
コンセントが入ってないと
焼けないよ」
「次はトマトを切ってよ」
「いいよ、これぐら ....
人々の足となる列車
年々乗客は減るばかり
山間を走り抜ける
廃線の話が持ち上がる
口々に「困る」と言うお年寄り
観光する場所もない
特産物のようなものもない
米や野菜はたくさんあ ....
黒い指先でノートに描く空想は踊る。
悲しみのインク、苦しさのインクはすぐに消えた。
快楽のインク、喜びのインクだけがノートに刻まれる。
夜は静かに更けてゆく。
ノートに綴った ....
異教の里で出会ったのは魂の遍歴だった。
彼や彼女が生まれ、死に、そして生まれた。
前世の記憶が正しければ、私はハーブ売りで彼女はほんの少女だった。
そして二人でいびつな小窓から覗いた ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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