雨は降りやまない
けれど
雨音は音符に変換されていくから
赤子も子燕もやすらかに眠る
雷は遠く くぐもって鳴り
狙い撃ちされる心配はいらない
流れ星のいくつかは
蛍に生まれ代わり ....
本当の事は何も分からないさ
そして
どうでもいいけど
もう詩人なんていらないよ
詩人は飽和状態
猫もかしこも書いたからって
それが何になるんだ
魂の叫びなんて何も聞こえないじゃないか ....
千年の未来と過去に咲く花を
摘み取ってはこれない
地球の歴史と時代に降る雨は
時間を混沌と暗黒で湿らせ
世界に洪水をもたらした
恐竜たちの眼は滅び 氷河はとけて
地面は全て海に飲ま ....
{引用=たくさんの本棚に囲まれた部屋に
一つのテーブルと 一脚の椅子
灰皿には薬の抜け殻と オーダー表
鳴らない黒電話、かける機会のない大型レコード
ここに来る人は饒舌の上にある沈黙を愛した
....
異教徒なんて言わないで
僕たちは約束されたはずの兄弟
孤独感を追い払え!
邪悪な夢が家庭を蝕む
リアルを味わうんだよ!
舌で転がして、味わうんだよ!
家 ....
ボクシングで言ったら
ゴングが鳴って
リング中央に歩み出て
グローブで
挨拶しようとした相手に
メガトン級のフック食らわして
ぶっ倒したみたいな
セコンドの指示通りに
でも反則 ....
カセットテープに録った声を聴き
ヒーローにはなれないと思った
向けられるマイクや花束の数も
夢であるうちに食べてしまおう
歌や絵が上手い人は心に
褒められた記憶が残ってるから
自分を信 ....
午前四時十五分かえるに混ざって
すずめの声を確かに聞いた
隣家のだれかは壁を蹴ったか
三分後には車の音も
、走り去った
誰を何を載せて
さよならよりも永遠な気がする
午前五時前の
理不 ....
二階の窓の目の前に
柿の葉が見える
この柿の葉の一枚一枚が
じつに生命力にあふれている
葉も枝もじつに生き物という感じだ
僕よりも何十倍も何百倍もの生命力を持った
生き物という感じだ
言 ....
幼稚園の頃
プレゼントは野に咲くお花がいいって
私が言ったから
兄ちゃんと二人で
どこかの空き地で摘んできた
ジシバリ アカツメクサ ははこぐさ ルピナス ひめじょおん
引っぱっ ....
少しずつ 近付いて来る
大切な季節は
楽しみに しているのは
雪でもなく
撒き散らされた 愛でもなく
あなたでした
ふらふらと彷徨う町に
イルミネーション
色合いが青いからと
....
嫁にけつ叩かれて、ゴミ出しへ
気持ちの良い梅雨を前にした青空の元、
ゴミを出し終わったところに
肌の色の違う外人さんの通勤
「おはよう」
馴れ馴れしく言ってみる
....
朝は熟れていても清潔で、新聞紙のにおいがします。
(瓶詰の海に日をあててから手を洗う)
することはたくさんあります、
洗剤をあわ立てたりほこりを集めたり、
出かけっぱなしのくつ下をペアにし ....
文字に残す
今を残す
時間はみえないけど
文字にすると見えるようになる
私の今を
真っ白な紙に残す
終わりを知らずに
結婚をしたくて 結婚をした
孤独はいらない 家族が欲しかった
思えば それがたったひとつの理由だったかもしれない
人の根元にある 寂しさはけして拭えないと
解っていた
結婚をしたくて ....
のどかな田園風景ではない。
土にまみれて、
雨とたたかい、
繰り返す日々の暮らしの中で、
土と語り合ったか?
雨の機嫌を知ってるか?
のどかで、おだやかな、田園風景でもいい。
....
言うのだが
それは不連続の話で有って
連続で考えなければならないと
言い返す
そして
角膜の上を撫ぞる様に
明滅する活字を流している
ふと
どこかで動作音が鳴っている
鳴いて ....
ときの過ぎゆく悲しみは僕に
まるで嘘をつけよと唆(そそのか)しているかのようだ。
夢にみた黒猫の貌をした貴女、
夢の中でなら、
僕たちのキス、あたたかかったね?
夜を ....
コップにお水をいっぱい
こぼれそう
レモンを垂らして
ごくごくと飲み干せば
ため息一息ついて
落ち着いて立ち上がる
この期に及んで
自称詩人でいられるのは
もはや、世間全般に対する
悪質な嫌がらせではないかと思う
自称詩ハラスメント
所謂ジショハラは
まだまだ認知されていない
何故なら自称詩人と自称詩 ....
貧しくても
資産を残しても
墓場に持って行けるのは
墓石だけなんだなぁ
とうちゃん
目の前にある料理の山を見て
分け合う人がどこにもいなくて
肩をすくめるだけのランチタイム
焼きたてのピザより暴力的だ
隣で会話を弾ませてるのは
人が集まっているせいなのか?
小さい頃は ....
私は罪など犯していない人のような顔して
この先の人生を生きていくために
長い間共犯者だったあなたを捨てた
捨てた後にも
秘密はあり続け
私と貴方はそれを共有しつづける
隠しているのでは ....
姫 姫 脂
水面の虹
蜘蛛の背の地図
こがねの手足
水紋の下から
空を視る目に
光は廻る
光は跳ねる
夜に満ちる緑の泡が
ひとつひとつ星になる ....
僕たちは
なぜまじめに生きているんだろう
来る日も来る日も
日が沈んだらまじめに寝て
日が昇ったらまじめに起きている
どうせ年を取って死ぬのに
どうせ死ぬのに
働き蜂のように働き蟻のよう ....
魂の脱け殻が落ちているらしい
日常のあちらこちらに
凡人は誰も気づかずにいるから
誰も気づけずにいるから
日常はいたって平穏だ
人は生きている間にも
魂の脱け殻になってしまうら ....
自分は自分
他人は他人である
だれも自分のかわりに
苦しんではくれない
死んではくれない
情報に振り回されてはいけない
自分なりの判断力を持たなければいけない
みんなで渡っても恐い!赤信 ....
これもダメ!
あれもダメ!
ではなくて
これもあり!
あれもあり!で
生きていく
年寄りは
片足を駄目にした熊が居たので
重い信用が必要だと思った
嗅覚の鋭い母が熊の看病をするので
私は護衛を務めて
誰も入って来れないように
牽制し続けた
私は尾崎を歌う
ストレス解消に
....
駅が好きだ
旅行者がいる
外人がいる
妙齢ご婦人の三人連れ
急いでいる人
見上げる人
せわしなく
人が動く
何かの目的に
人が動く
あなたと
待ち合わせたことも
....
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