波長が合わない音楽に
置いていかれた気がして
落とした涙が
トンボの羽根の
動きを止めていると
思ったのに
ちっとも動かずに
死体だと
気付いたせいで
そこには触れずに
....
駆けていく星が流星というなら
命のきらめきも同じだけ流星といえるんだ
わたしの星のはなしをしよう
夜明けが見えない遠くの星月
ここから先、指じゃないよ、あれを見て
暗闇を切り続ける君の粒子が ....
田んぼと田んぼの間の細い道。その道端に夏草が生い茂っていた。
道の上に陽炎が立って揺れていた。
普通の人は誰もが忌み嫌う蛇がくさむらのなかに潜んでいた。
少女は夢のなかに現れた
少年は夢を ....
秋の、早朝の、爽やかなころ、
あえて、徹夜で、詩を書いてみたら、
こぼれおちた、言葉たちは、まるで、
珊瑚礁のように、真っ白なノートの、
深海で、輝いて、希望を、照らしている
あ ....
ライオンが駆けキリンが跳ね
シマウマがゾウが土煙をあげ
太陽が沈むまで
バッファローがハイエナが
ぼくのこころは永遠に雄大だ
主義ややり方
人間関係や政治力
....
ぴこん、ぴこん。
人もまばらな仄暗い駅のホーム。
まるで、テレビゲームでハイスコアをとった時のような、軽快な音。
電車がホームに来ることを告げるものだった。
何もかもがばかばかしくなる ....
秋の雨はしとしとと降る
仄かな月明かりを纏い
冷たい風を誘う
闇がじわじわと迫り来るのを
背後に感じながら
長靴を履いて
せめて足取りを軽くして
色づく落ち葉が降り積もる
....
──幻詩の果てへ。
若い詩人のかさぶたは、0と1に濡れていた。端からゆっくり剥がしても、爪をたて一息に削っても、いつも同じ、0と1が滴るかさぶたを、うたうよりも速く書き写し、有事の際には、また ....
マスコミや世論におもねって
恥ずかしいと思わない奴は
何をやってもダメだ
とりあえず
こいつらとは逆、逆行けば
間違いないことに
いい加減気付け、ドアホ!
LGBTに
SとS( ....
剃刀みたいな言葉にも愛情は宿るのだと信じていた。切っ先のひかりを盲目的に見つめて、この体がふたつに切り落とされる瞬間、左右どちらの器にあたしは棲んでいたのだろう。解を得ないまま伏せるまつげのすきま、き ....
血や肉に変わる
栄養がメロディだった
肩で捉えた朧げな
始まりと終わりを
狭いアパートで
録音をした
仕事や買い物も
忘れがちで
それでも何ひとつ
奪われたくなくて
時 ....
ひたすら憧れて
螺旋階段を昇っていく降りていく
根無し草の宙吊りで
呼ばれるように拒まれるように
(何一つ叶えられることはないのだと)
遠い遠い鐘の音を追いかけながら
ただひたすら憧れて
彼女はほんとうは、登ろうとしていたのではないか
山頂の標識に手を触れると、もうすることはなかった
あたりは一面雲の中で、遠望できるはずの峰々も麓の集落も、
あるいはどちらが上でどちらが下なの ....
みんなと同じ服装
みんなと同じ髪形
みんなと同じ食べ物
みんなと同じ考え
みんなと同じが幸福
みんなとちがうと不幸
これじゃ
造花ばかり
生きた花は咲かぬ
ワイフは
毎日隣の犬との散歩を
楽しみにしている
毎夕1、2時間ほど散歩している
隣の飼い主が
仕事や介護で多忙なので
かわりにやっているのだ
毎日やっているので
「一回いくらでやって ....
落日の量る太陽の重みを
その身の上に遊ばせて
女は隠れた感情に名付け始める
喜びも悲しみも薄く展開していき
愛は少しずつ輪郭を明らかにする
女は陽射しのパンを食べ
風の美酒を飲み干 ....
巨峰よりも
マスカットが好きだ
好きで好きでたまらない
一年に一度だけの
食べる恋人
なんといっても ぶどう狩りで
ぶどう園へ行き
熟したてのマ ....
山からはキンチョール
海からはフマキラー
虫は震えている
足場の悪い磯辺で
蚊取り線香の煙は揺らいで
遠く乱れ雲が重い
わたしの足元で
虫はつぶれている
闇の中で燃える火よ。泣き疲れた女、マラルメよ。軌道の果てに行き着くことはないと正しく異なるステップで奏でた草花。夢から夢へと遍歴する、酩酊ののちの酩酊、燃え尽きたページをめくる骨の手の群れ。ぼくらは死 ....
乾いて荒れた
まぶたが開いて
かすれた小さな
産声が午前を揺らす
きみは何度目かの
救済と絶望のなかで
目に見える世界は
たしかなものではないと知る
クロー ....
人とうまくやってけないんだよ
解き明かせたら
その原因と理由は
いたって単純かもしれないし
その反対かもしれないんだが
人とうまくやってけないんだよ
それは子供の頃から
大人への階段 ....
わずかに開いた
夜の扉
ふくらはぎを
受信する耳
ふるえ ふるえ
どこか冷たい
縦も横も
どこか離れて
どの扉にも
開けたあとがあり
その幾 ....
鉱のような
父の服がある
洗ったはずだが
そうは見えない
裏地に牙が
見え隠れしている
....
育てた蜘蛛が
ある日いなくなり
用意した餌の山を
生きたまま噛んでいる
ステージが替わると
アルファベットはカタカナになり
午前5時は夜から朝になり
妥協点と思っていたすべてが沸点になる
かつて愛した爆音
こんにちは安心安全
無限はイオンモールに散らばっていた ....
化石した
遠い遠い
昼下がり
わたしは
人を離れ
故郷を離れ
海へ向かった
知らなかった
心さえ向けば
海とわたしとは
一本道なのだ
そんなことすら
知らないほど
....
人魚姫は逃げた
愚かな人の子狩人を
眩ますため
水浴みしていた
砂に埋もれそうな
砂漠に埋もれかけた
小さな小さな泉を
碧の湖に変えて
そうして2度とは
現れなかった
オア ....
子供のころに姉とけんかして
ムキョーと発狂するほど悔しくて
髪を引っ張った
頻繁に
今では僕が他の人にそんな思いをさせているのかもしれませんね
子供のころに隣の席の女の子が好きで
....
信号を抜けると駅が小さな口を開け
その口の中にざぶざぶと雨が流れる
その口の中をしきりと鴉が覗き込み
鴉が入っては抜け 入っては抜けして
鋭利な風が立つ
風の中
おんなが頭を垂れて
....
みすてられた
犬に
なりたかった
けれど
かこが
いまでは
黄金郷
みすてられた
犬に
なりたかった
けれど
みすてられた
犬に
なれなかった
今日
あ ....
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