ペットボトルに
お湯を入れて
タオルで巻くと
その暖かさに
安心して
眠るのだそうだ
きみにとって
そのぬくもりが
母親なのかい?
雨のひと粒は私の涙
あの夜の排水口にするりと流れた
今日の雨は
あなたの肩を湿らせましたか
今日の雨はあいつの一滴
アパートの窓からじっと見つめる
今日は外には出ないと決めた日
傘に ....
空白ばかりの夜がくる
「思い出を忘れていられるのなら」
ねぇ、そろそろわかったかしら
憎むべき人へ
昔むかしの落とし物
愛の結晶?
愚かだね
ざわざわざわざわ、声の森
黒くうごめくたくさんの声が
あちらこちらと私を招く
ねぇ、ほら、こっちだよ
違う違う、あっちへおいき
さぁ、よく来た、いい子だね
声はよしよしと頭を撫でて ....
心は数にはあまり似ていない。
どちらかといえば、数と数をつなぐ、演算のほうに似ている。
その演算が、僕らを突き動かし、無数の鮮やかな数式を描いていく。
その式の出す結果に、救われたことも、
傷 ....
空や海や
群像劇の主役は
絵の具では
出せずに
組み合わせた色が
青と呼ばれて
感じる切なさに
もっと近付いて
明日を迎えたい
空は変化する
海は荒れ狂う
人は思い出 ....
電気ケトルと時計の間に住む老婆が教えてくれた。「お前が眠っている間に雲から女の腕が伸びてきて、窓をすり抜けてお前の顔に透明な手形をつけていったよ。その手形は洗っても落ちないだろう。もう逃げられないよ」 ....
緩いフタを開けて ほんのり取り出す
ベルマーク 小さな頃の 指紋が張り付いている。
山のような捨てゼリフ
体のドラムがビートする。
真空管のジオラマへ また出掛けよう
金ピカの オルゴールの ....
大吉は
大凶を連れて来る
だから油断してはならない
大凶は
大吉を連れて来る
だから絶望してはならない
暑い夏がすぎた
ころ、
スーパーでは
松茸や
梨、
ぶどう、
秋刀魚が売られている
家では
百均かどこかで買った
ステンレスの型抜きを使って
たくさんの紅葉のかたちの人参を作る ....
(10(テン)月4(シ)日は、てんしの日だって?ふーん)
天使の日
闇の清廉さを
剥がされつつある
このゴミだめの街に
夜明け前
タワーマンションに灯る明かりへ
....
薔薇の下から
少女の唄声が聴こえる
庭の片隅に植えられている
その深紅の薔薇の下から聴こえる少女の唄声は
私にしか届かない
それが惜しいほどに、華麗に、時に遣る瀬なく
....
夜の街に赤い糸が絡みついている。ガソリンスタンドから交番へ、団地へ、駅へ、ことさら明るい信号の数々へ。死も生も絡め取るこの無尽の描線を爪弾いて、絶叫するものがある。絶叫するものがある。絶叫するものがあ ....
針女について語らなければならないだろうか。そんなことができるわけがない。私が言えるのは彼女の舌、真っ青なその上に無数の針が針山のように刺さっていることだけであって、他の何一つも許されてはいない。自分で ....
われただたるをしる
だれも傷つけたくない
傷つきたくない
底にあるものをつきつめない
ふんわりでいい
うおーっていうのは、なくていい
ひとりのいいねで満たされる
新鋭的な、斬新な
研ぎ澄まされた感覚 ....
人は誰でも神からの余命宣告を持って生まれて来たに違いなかった
医者が
例えば治癒の見込みを断たれた末期の癌患者にするみたいに
相手のダメージを推し測り、計算を加えながら
絶望の暗闇に僅 ....
春を待っている
桜道に太陽の光があたり
私はその景色に飲み込まれる
桜は天界の木
深い愛の後の花
春は美しい
神聖な女性性が空間を泳ぎ
安らぎに包みこまれる
....
好きだった
北の富士が負けると咽び泣いた
親父の貴の花が
北の湖に勝つと感動で泣いた
二人が私のお気に入りだった
しかし時は流れ
気がつくと
弟子の千代の富士も
息子の貴乃花も ....
キリッとした
秋の空気に溶ける
甘い香りが
鼻を抜けていく
黄色信号のように
足を止めても
子供の頃から
知っている名前
惑星のような
不思議な響きが
美しいものを
....
それは偶然ではない
幾年もの月日を私は棒に振り
自分の事に精一杯でもない日常は
惰性や言い訳にまみれ
耳を澄ますことすらしなかった、
その結果です
おば ....
ここ は
未だに見た事が無い場所 で
す。歩道の ちょっとだ け外側で
はそ
れはそれ は ブンブン
とペーパーが 掻き鳴らして いますの で
掻き鳴らしてますんので
でぼ くはか ん ....
昨日の真夜中に
久しぶりに ゴキブリに出あった
コオロギかと思ったら
ゴキブリだった
我が家からゴキブリがほぼ消えて
かれこれ15年
この10年はまったく見てい ....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で
(金木犀の花が軌道を舞い
秋の大気が生まれるところ)
遠く ....
何かどうでもいいことを
左の手のひらに一つ
何かどうでもいいものを
右手の人差指の上に少し
噛みすぎたガムを耳の中に一つ
冷たすぎる水をまぶたの中に少し
はみ出した友達の
後 ....
大金を持てば
盗まれないかと心配になる
美人のカミサンを持てば
浮気しないかと心配になる
偉くなれば
責任も重くなる
有名人になれば
人の目が気になる
普通が一番気楽で安心だ
朝
おはようございます
と挨拶をして
おはようございます
を
返さない人は
おはようの嫌いな人なんだろう
馬鹿馬鹿しいから
そんな人は
素っ気なく通りすぎる
馬鹿馬鹿しいから
....
昨夜は夢の中で
ヤクザ集団にしつこくつきまとわれる
夢をみた
ワイフが
昨夜はうなされていた!という
夢の中であっても
苦しさは現実とちっとも変わらない
うそみたいな
ねいきを立てて
みるく色の
おひさまのはーぷに
なでられて
しずかなおとが
きこえます
とおい とおい
そらの つまさきまで
「こんにちは」
....
嘘みたいに、雨が降って
天気予報は、当たったのに
それだから、だれも喜ばない
嘘みたいに、雨が降ったから
嘘みたいに降った
雨を
傘で防げきれないように
嘘みたいな彼にもらった
希 ....
916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933 934 935 936 937 938 939 940 941 942 943 944 945 946 947 948 949 950 951 952 953 954 955 956
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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