飛行機に乗ってひさしぶりに東京にきた
初めてシルバー割引を利用した
カウンターのお姉さんが
「よかったですね、最後の一席でした」
といった
東京と田舎との大きな違いは
あたりまえのことだけ ....
夕陽が頭に
作る髪飾り
彼岸花みたいな
放射状に
光を向ける
赤い集まりが
顔をぼかして
くれるから好きだ
乾く前の
水彩画で描かれた
筆を使って
美しくなるなら ....
真理 真理 真理 真理
みんな天国に住んでいる
あなたは常に幸せ
なのに地獄にいるんだね
愛 愛 愛愛愛愛 愛
男の子と女の子が合体
あら悟っちゃった
慈悲は ....
わたしの 中の 美しい言葉よ
わたしの 中の 憎しみの言葉よ
わたしの 中の 哀切の言葉よ
わたしの 中の 怒りの言葉よ
わたしの 中心 全ての想いを
燦き 輝き 憤って 震えよ
燃え上が ....
(時は1829年10月 ショパンは19歳
恋心にときめいていた)
今はただ せつなくて
好きなのに 言葉がでない
きみの前では
なにもいえない
....
マーブルチョコなら
ピンクのクッション
青みがかった鮮やかな色を
身体に並べた棺の中で
ウインクするような恋の埋葬
ピンクのはずだった棺の色が
影を連れて来て黒に変わると
瞼 ....
月曜日は買い物日和だ
砂漠の中のショッピングセンターへゆこう
遠くの部族が集まる日曜日よりはましだから
きみの前髪を上手にきってくれる人をさがそう
くだらない思想でこころを壊さないよう ....
小さいけれど頭の片隅に確かにある言葉
とらわれないように首を傾げて微笑むわたしの癖を
あなたはいつも笑っていたね
引き出しの奥にある日記は思い出の色がつき
次のページを待ち望んでい ....
朝が来て
鳥のように飛び立ちたくなりました
一夜あなたの存在が途絶えただけで
小さな胸の大きな不安
今日の朝陽が呼ぶのです
風に乗りなさいと誘うのです
空高く飛びなさいと心 ....
痛み 哀しみ 揺らぎを留めて
クルクルと回る
周りを見渡せば
唯だの喧騒
カラカラと響く 笑い話
謙遜したり 相槌を打ったり
余念が無い
邪念が無いとは
どういう事 ....
あなたの疲れなど
誰も共有してはくれないのだから
休息は自ら確保しなければならない
睡魔に襲われる瞬間さえも
共感してくれる人はいないのだから
睡眠も自ら確保しなければならない
あ ....
目立たないように
言葉を包んだ
ガムの銀紙で
生温かく
あの爆弾は
破裂する前に
風船を作り
香りが抜けた
味のなくなった
人間がいたら
渇いた喉を
何で濡らそうか
....
心の色は
なにいろ?
どうしよう
アイスを食べても冷たくない
病いのなまえをなんといったか
どうしよう
この街の色が白黒になり
心弾まない病いはなんといったか
どうしよう
....
リズムの残骸は、砂浜に沈んで、視覚障害者の見る幻覚みたいな朧げな輪郭だけが、晩夏の太陽のなかで揺らいでいた、それはジェファーソン・エアプレインの音楽を思い出させた、敢えて違うところで繋がれたパズル ....
題名の無い一日が今日も始まる
意識したときからカメラは回っているのだ
分析しない注釈もつけない
ありのままを映す86400秒
今日の私のどこを切り取れば
ドキュメンタリーになりますか
誰が ....
リノリウムの床を靴で鳴らせる
スタジオ風の洒落たロフト作り
ピアノの鍵盤に染み込んでいく
石油ストーブの匂いを弾いた
鼻で感じる冬の気配はいつも
レッスンの後に出されるコーヒー
....
多彩ないい句が出来たので
私は回って回って回って喜ぶ
市電がイチョウ並木の間を縫う様に
行けば車窓から見える田圃よ生きろと
思う、稲穂、刈田、稲雀など
季語もいっぱい
ちょっと前まではもう ....
左目の時間は遅くなり
右目は知らぬふりをする
雪になれない雨の日々
径に生える短いまぼろし
冷たい水のかたちたち
好きと同時に嫌いながら
指の数を限りなく
限 ....
右手を左に巻き
手のひらを横に
額に立てて
夜は夜を
ひとりはひとりを
両断してゆく
水門が開くと 溜まり水が 一気に落ちる
白く泡立ち 轟音と共に せめぎ合って 混ざる
やがて静まり ゆっくり下る
水門が閉じると 鴨が ウグイが 水苔を食べに集い 鋭気を蓄える
....
感極まって泪が溢れたり
感極まって射精する
普通だな
自然なふるまいだな
法に触れる事は何もない
したくても
できない
そんな事したら世間からつまはじきにされて
世間から著 ....
きのうまで
かれていた花が
今朝起きると
元気に咲いている
たしかに黒ずんで
かれていた
水がえなどはしていない
ただきのうの夜は
....
万が一、
この貴方への想いが熱をうしない
わたしの心が疲れ果ててしまい
手をつなぐ掌さえ、
気色悪いからと、
イヤになってしまっても
それでも貴方からは、
貴方はわたしを
けっ ....
ここは空がまどろむ地上
光の色が硬く移ろっていく
荒れ地は碁盤の目に整地され
種々の国々に植民されている
心を殴打する音律が激しく
地が震える音響が小脳を駆け巡る
特急電車でさえ自 ....
茄子にソースをかけたものを食べて外に出た。人が叫んでいる。何事かと思うがこの目ではよく見えないので構わず歩いていく。車と車の間には程よい間隔があってところどころにきれいな売店も出ている。ジュースを買っ ....
世界で売春婦の割合が一番大きいのはベネズエラだ
貧困とハイパーインフレに喘いでいるこの国ならば
それは仕方のないことだと思うのは間違いだろうか
二番目に割合が大きいのは一万人あた ....
愛しく思う感情に
唯一の心を込めて
知らない色が付いたように錆び始めた指輪のこと
あなたは気づいてる?
夏と冬が交互に戯れているような日々
手を繋いでる暇なんてなかっ ....
妻が財布を買ってきた
古い財布と、中身を入れ変える
小銭と幾枚かのお札を、入れて
レシートの束を、捨て
ポケットの空洞に
旅先のお寺で買った
お守りをそっと入れる
その日から
....
山に登れば遠くが見える
視界が広がり
自分の住んでいる町が小さく見える
ふだんの心配や不安がどうでもよくなってくる
山に登れば遠くが見える
視界が広がり
今が長い過去とつながって見える ....
夢のなか
真っ直ぐな道を
ゆうらゆうら歩く
蛇みたいで
眠くなってくる
君がすきだと気付いてから
恋に落ちた
丸い夕日が特別じゃない山に刺さる
僕は意味を探していたし
二 ....
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