溶鉱炉で白熱する
脳髄
掬い上げれば
途端に
灰色の唄が
を
始まる
始める
歯で噛む
歯応えの無い
灼熱
一オンスの光る肉
歯も溶けているし
口も無いから
大脳皮 ....
雲の切れ間から
青が光って覗いている
俺はくたびれ脱力して
道端に腰掛けている
わけの分からない宣伝カーが
ゆっくりと通り過ぎて行く
ひんやりと動かない空気
傾きかけた太陽
何も変わら ....
秋空の下
漱石の「こころ」を読む
「坊っちゃん」でもなく
「三四郎」でもなく
「明暗」でもなく
「こころ」を読む
靴下の日焼け跡が残る足
それを隠すために選ぶ長さが
メスシリンダーの目盛りを上げて
短い夏に終わりを告げるよ
新しい靴下が止まる場所に
黒いサテンのリボンが似合うから
翼を広げてどこへ ....
切り落とした無数の黒髪が
浴室の床に散らばっている
鼓膜の真横から聞こえてくる
二つの刃物が擦れ合う音
例えるならば泡
閉ざされた水槽の底から
少しずつ浮かび上がってくる
泡 泡 ....
シューベルトが作曲するとき
意識して
あるいは無意識で
ほとんど
といってよいほど
歌曲の世界へと向かう
ストリングクァルテットが ピアノクインテット ....
たまには
こっそり
味噌ラーメン
一人
かくれて
味噌ラーメン
仕事の合間に
移動の途中に
立ち寄り
すする
たのむのは
いつも
同じメニューのはずなのに
メニューブック ....
青い秋空を背負って大きな芋虫が私の頭上を走り去った
半分だけ残った発泡酒を飲み干せばB級映画のような
夢を見ることが出来る
それで満足
いつの日か、私は私の墓標を見ながら
誰かが供えてくれた ....
よくわからないけど
人は土でできているらしく
それなら私、自分に種を植えよう
今は秋だし、春咲きの花なんていいんじゃないかな
お芋とかトマトとか、おいしいものもいいし
ねえもしかした ....
いびつに切り貼りされた現実の、ぺらとぺらのすきまにきみはしがみついていた。きみの顔をのぞくこの瞳はさながら怪物に見えるだろうか。差し出した爪の先を巨大な肉切り包丁とたがえるだろうか。鏡なんて当てになら ....
やさしいひとが
笑えない世の中で
山河に吠えている
一体何と戦っているんだ
言葉を交わせないひと
心を通わせ合えないひと
ひとつの世界しか見ないひと
ふりかえることのない ....
サブイボが出そうなことを
平気で書き散らせるあなた
一度鏡を床に置いて跨がり
自分の肛門を見て下さい
きっと想像以上に
黒ずんでいますから
その後は
サブイボ自称詩を書こうとしても
「 ....
部屋に飾る写真が
色褪せないような
角度を探す
大切にするよ
景色も匂いも
分け合う前の
勝利みたいに
誰かと一緒に
抱き合えるかな
将来の夢は
写真への思い
ソ ....
ランドセルを振り回し
カエデを蹴りつけた
少年は
舞う羽にはしゃいでいる
いつか
ナナカマドを蹴りつけ
私に雪を浴びせた
君は
夏の綿雪のように
どこかへ
飛んでいった
....
○「情報過多」
朝インターネットでニュースを見て
それをまた朝の新聞で読んで
それをまた朝のテレビで見て
それをまた昼のテレビで見て
それをまた夜のテレビで見る
リタイアすると情報過多 ....
叶わない恋ばかりをして
安全地帯に置いた自分の
抜け殻を抱いて落としたマスカラ
涙に濡れて旗を揚げた今
遮断機を超えて会いに行きたい
募らせる想い果てなく続く
地震が起きて沈んでく ....
降る星は 私のもとには降りてこない
きっと 遠くの誰かのもとに落ちたのだ
願い事 ひとつする前に消えていく
一体 誰のもとへ行ったのだろう
ジャンケンなんてしなくなっていた
それはすっかり大人だから
もう子供には戻れないから
ジャンケンなんてしなくなっていた
もう鬼ごっこはしないし
できないし
かくれんぼは
どこにも隠れ ....
遠い声を聞いた 海の底のようなはるかな声だ
耳に残る 今はおぼろげな記憶のようだと
貝殻の奥にある秘密の旋律のようだと
遠い道を歩いて抱いてしまった憧れに逢いに行く
人々が集って来る ....
見たところ肝臓のようだ。中学校の階段の踊り場の高窓から差し込む夕日に照らされて、赤黒い肉塊が落ちている。まるで今しがた体内から摘出したばかりとでもいうようにてらてらと艶めかしい輝きを放って、よく見れば ....
ホワイトタイガーは
人間一人食っちゃったぐらいでは
何のお咎めもない
何故なら色が白いからだ
その一方で
ブラックタイガーは
海老だ、タイ産の
この差別は
如何ともし難い
....
雪が降っている感覚に、薄目を開けた
凍りつく湿度と、ほのかな光を感じる
雪の一片一片には
冬の陽がほんのわずか宿っているのだという
だから真白く淡く輝いているのだと
幼い頃、母が聞かせて ....
足が寒くて目が覚めた。寝ているうちに片足が布団から出てしまったらしい。なにか不安な夢から抜け切れないで枕元の明かりで足を見てみると、透き通った白魚が腿のあたりまでびっしりと食いついている。食いついたき ....
クロワッサンの
生地を丸める時
過去と未来を
決めなきゃならない
左に置き忘れた
約束は
右へ向かってく
希望の尻尾と
同じ味なのに
心が違う
クロワッサンの
生 ....
もう30度は超えないだろう最高気温は
20度を割り10度も割りだす日は近い
それはいたって健康的なお話なのだ
百日紅の花びらが歩道に少なくなると
うっすら金木犀の香が漂いだすの ....
半球を描いて
鰯雲が流れていく
哀しい目の名無し人は
気付けば人波に逆らって
鰯雲の後を追う
途方に暮れてあてどなく
ただひたすらに勇気持ち
ゴミで埋もれた場所にしか
居場所を見つけられない僕らが
月面探索隊に選ばれた
四人で集まるなんて久しいな
四人が一つもってたナイフ
明日、雨降ったらもうやめよーぜ
全くクソみたいな ....
○「酸欠」
大都市東京は
酸素が薄かった
たくさんの人と車で
酸素が不足していた
田舎に帰ってきて
新鮮な酸素を十分に吸える幸せを
改めて感じた
○「横顔」
女の本性は
横顔に ....
空を横切るシャボン玉に映る
街は水槽の墓場みたいな
プランクトンを浮かべた光だ
高層ビルが歪んで見えるから
手が届いたらタイムカードを押して
ブランコを漕ぐ時間が欲しいな
腕時計の ....
やあ ちゃんとした挨拶から始めたいところだけど
今は時間がない
とりあえずポケットの中の物を出してくれ
いや 小銭だけでいい
水を買いたいんだ
やっと落ち着いた
とんでもなくのどが ....
910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933 934 935 936 937 938 939 940 941 942 943 944 945 946 947 948 949 950
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
2.96sec.