桜の季節
舞い踊る花びらの中で
遺影の父が笑っている。
暖かな風が吹いて頭上を見上げれば
並んで浮かぶ雲が二つ。
その姿は
海原をゆくイルカの親子にも似ていた。
八ヶ岳の裾野に抱 ....
三日月の夜にだけ零れ落ちる
月の雫を浴びた花のことを
この地では月花と呼ぶ
その花を煎じて作られた秘薬は
古くから健康長寿の源として
月夜の民に親しまれてきた
真面目に働き旅人にも ....
砂漠で見る
オレンジは
鮮やか過ぎて
つらい
────自称詩人 やすじゅん
人質で思い出すのは
黒澤の用心棒だ
良い母親の司葉子が
人質交換されるとき
離れ離れの
幼い息子 ....
美学があるなら
飴玉を舐めよ
ゆっくりと
優しい坂道を
転がる味が
舌の中で
溶けながら
綺麗な透明に
色の付いた
ノスタルジーを
抱えて消えていく
瞳の大きさと ....
ああ風が吹く と
風を浴びる名無し人は
気流の鳴る音を聴きながら
ひたすら途方に暮れて
ああ風が吹く と
この世界は 炎上だ 成り立っているもの
それはほのお。 おかしくて良い
ゴミの臭いがきつい ほのお 力頼らず
溢れる良点焦がし 小さなスキをつつく
ただひとつ
光と影 だとかいう 在り ....
あおい夜だと
常套句からはじまり
永遠の秋だと
月並みな言葉を放ち
考えた末に
寝転んで昼寝をした
いちごジャムのびんに
あおい草を生ける
涙がこぼれそう でも
こぼれないで そうやって
過去に慣れていく
降りてくるアルバトロスを見た
関係ないとあらぬ方向を見つめていた
空いっぱいを占拠した雲を見た
余裕がないと
ただ黙々と大きくなり続けていた
浜に寄せる透明な波を見た
少しだけ俺を落ち着か ....
髪の毛のふさふさした友人が来たので
「それ地毛なの、髪の毛ふさふさしているね、十歳は若くみられるね」
といったら
「そうなんだよ、少しは禿げ上がってないと、貫禄がでないんだよ」
というから
....
今日は一日
女房のいない秋日和
とーっても
のーびりするなあ!
なんでだろう?
男はみな
前立腺やられて
勢いがなくなる
やさしくなったんではない
弱くなったんだ
男の衰えは
急激にくる
君の内なる水面で
睡蓮がうっとりと花ひらく頃
僕らを出会わせる偶然が
またおとずれるだろう
◇
これは片野晃司さん制作のソフト
「マウスで作る一兆の詩」
を使わせていただいて出来た、私の詩作です。厳密には私の最初の詩です。
これまで俳句、短歌、掌編小説、童話等、それらしいもの ....
漠然とした痛みが夜を襲い
ミシンを踏んで絆を作った
上糸と下糸が手を結ぶと
縫い目を増やす足跡のように
0.1ミリの隙間が怖い
どうしてゼロにはならないのかな
追いかけて止まっ ....
突然私が自称詩を
投稿するようになったのは
大好きなカレに振られたから
ううん、この場合のカレは
単に三人称のカレ
彼氏のカレじゃない
だって告白する前に
カレが仲間に
「あのブス ....
汚したくなる
好きだから、かな?
どうでもいいなら
思いもしない
汚したくなるのは
どうしてなんだ?
あなたのこと
綺麗って、思ってるってことだ
綺麗な、真っ白な、
ふにゃふ ....
踏ん切りのつかない弱い雨は中空で折り返して黒雲へと戻って行った、とうに濡れる覚悟が出来ていた俺は拍子抜けを食らってゲーム・センターで結構な金を無駄にしてしまう、どこをどんな風に波立ててみたとこ ....
もう優しさが違うから
グラスの冷たさも忘れるくらい心が凍っているのがわかる
「知らない」ことを恐れていたはずなのに
感情そのものをぶつけてくる瞳がこわい
この沈黙があな ....
変わらないものなんてあるのかな
不意の呟きの真意が分からなくて
曖昧に微笑んでみせた水曜日の夜
降り始めた雨に不安になったのか
ざわめくように木々が揺れていた
変わらないものなんてあ ....
同じフレーズから 導き出される
別の存在
繰り返される後悔は 悪夢として形を成し
心の奥に出現するから
"なかったこと" には 出来ないんです
" ....
昨日でもない
明日でもない
今日でもない
いつだってはじまりだ
まだ死んでない命の
サイケデリックな営みは見てらんないからさ
ちゃちな欲望が錐細胞を燃やし尽くす前に
殺して食うことの何がイケないの?
思い出して
この世に生まれたときの苦しみ
やるせ ....
辛い時 振り返る景色がある
それは若き日溢れんばかりだった感情を
形にしていた場所
いつからか辛い時なにかを
残していく場所になった
その景色は曇っただろうか
それとも濃く ....
このままじゃいけない このままでいたい
動けぬ理由は 涙の中
川となって流れたら
さしこむ光が 穏やかに誘う
あのパーセクの向こう
猫には見えるのだろうか
死んでいった魂が
都会では星さえ見えないが
ほんとうは暗闇の向こうに先があるのだ
しんとした部屋、片付いてはいないが汚くもない
自分は ....
スカートを履くと
股間が震える
解放された
器官を放り出し
投げ売りにする
みたいな軽さを
乾燥した空気が
読み取った
スカートの下に
ジャージを着ると
生々し ....
喜びもない
平安もない
愛もない
ただただ途方に暮れている
人は道徳や戒律では救われない
清く自分を律しても
それでは救われない
人は死ぬまで罪を犯す
罪人だから罪を犯す
....
誰も寝ていない寝台の上に
まだ戒名の付いてない
母の骨箱を座らせる
ダウンロードしておいた
浪曲を流す
追い追いと涙が溢れる
こころに穴がある
その穴を覗くと君が見える
かわりにその穴を塞ぐ人はない
それが夫婦というものかもしれない
906 907 908 909 910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933 934 935 936 937 938 939 940 941 942 943 944 945 946
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.33sec.