白樺が銀の葉をギラギラ揺するから、
どこか浮わついていたのだろう、
まっさらな、日記帳を汚してしまった。
湿っぽい土のにじむ、
その先、
桃の木は裏表紙に根付くだろうか、
それとも更に次の ....
世界、割れる
割れる世界の
音、ヒタヒタと迫り来て
今日は曇天冬模様
と打った ら
冬も酔う
と 出た!
冬も酔う冬模様
冬模様冬も酔う 冬冬冬、終、
糸、冬 糸冬
いと ....
掴みそこねた現実は
水蒸気になって舞い上がった
空から落ちてくる雨粒を睨む
ホームセンターに行かなくちゃ
ぽつり
「存在 意 義なん て要りま せ ん」
毎晩夢に見る箱詰めの私 ....
剥いたばかりの
ゆでたまごが回る
箸では掴めない
軌道の秘密
向き合うことから
逃げてきた僕は
誰かが撒いてゆく
塩の上で
ブレーキをかける
臆病な心
全てを見せるには
....
美黒から美白の時代へ
固定電話からスマホの時代へ
亭主関白からカカア天下の時代へ
貯蓄からマイナス金利の時代へ
現金からキャシュレスの時代へ
根性からパラハラの時代へ
ふれあいからセク ....
もしも優しいお日様が
雲に隠れてしまったならば
空に恋したお花はきっと
ずっと元気が出ないでしょう
もしも夜空に輝く月が
闇に隠れそうになった ....
雨雨雨雨雨
雨が降っています
通勤中の電車のなかで
車窓のガラス越しに降る
雨を眺めていました
車内は満員で
周囲の人人人人人が
それぞれに息苦しい圧迫感を与え合っていました
....
The Razor’s Edge
— W. Somerset Maugham, 1944
What a race of giants.
Came ....
1.
寄せては帰る波の音
寄せては帰る波の音
寄せては帰る波の音
寄せては帰る波の音
寄せては帰る波の音
寄せては帰る波の音
寄せては帰る波の音
寄せて ....
ぐずる甥っ子を抱き上げ
父はいつでも背中をさすりつつ
時折歌を口ずさみ
廊下や座敷を行ったり来たりと
泣き止み
眠りにつくまであやし続ける。
母となった娘が生まれたばかりのころ
ぐず ....
冷えたソーダの中の気泡を眺めながら
本日の出来事を 頭の中でリピートする
君の声が 柔らかく響いて
淡い気持ちが 気泡とともに消えていく
泣きそうな気持ちには 知らないふりを
....
世を去って久しい、彼女は
開いた財布の中にいた
先日ふらりと寄った
懐かしい店の
薄桃色のレシート
ちょこんと、折り畳まれ
あまりにも無垢な姿で
内にある暴力的なものに屈して
もう自分の味方ではいられなくなって
人生を投げようと
ただ思っただけであった
自分には甘い
気休めの漢方薬とインターネット
腑抜けた鏡像
怒りの拳を振り上げ ....
ずいぶんと
サザエさんチックな名前だなと思った
後ろは刈り上げで
頭頂部にある一本の毛が
風にそよいでいる
マスコミ関係者で
世間的には
恥かきっ子の息子と娘が
いることになってい ....
陸上短距離選手の名において
貴方の元へダッシュする
待ち人でないのは知っている
それでもダッシュする
手の届かないゴールでも
猪突猛進ダッシュする
....
僕はなぜこの道をすすむんだろう
ボロボロになっても
誰からも認められなくても
ほんのかすかな気配しかなくても
この遙かな険しい道を ....
ここに一筋の海があるとして
だけど、そこに何かある訳じゃない
言葉に出来ないような貝殻や
名状しがたい砂浜のアートが
何故だか僕の纏まらない思考を
一瞬忘れさせてくれるだけだ。
例えば ....
離れると 音もなく
落ちた 花びらは
ひとつひとつ 冷たく発光して
私たちは 消失のただなかで
不釣り合いな接続詞を
あてがい 続ける
たくさんの繊細な 傷を
指でなぞり 再生して
....
陽の光満ち、
無数の銀の矢飛び交うなか
私の意識は泳ぎ出し
遠く貴女の声を聴く
久しく憧れ懐かしい
囁くような貴女の声は
やがて天空に力強く木霊して
飛び交う銀の矢を震わせ
降って ....
目の前を見つめる 仏を真似て
波紋は目で汲める
オーラを漢字に当てはめて
色まんちゃーと破目を外す
らしさに取り憑かれて そのままを
目の前で見つめる 鑑に焦がれて
情熱が灰になって残 ....
とにかく今は力尽きるまで
自分の弱さと戦うことだ
力尽きたら
休んでまた戦うんだ
とにかく今は戦うことだ
大丈夫
俺は必ず守られる
浮かび上がる文様の中に
私だけの世界を探す
仕草の向こうに
溜息のこちら側から
しっとりとした音が流れて
重たくなる
湿り気はキライという帰来
描き出される影
そう 一瞬
二 ....
毎朝お弁当を作らなきゃいけないので
私は毎日卵焼きを焼く
冷凍食品の中にひとつだけ
手作りがある
ありがたい、と思ってくれるのか
ただ、また冷凍食品か、とだけかもしれない
昔から私は至らな ....
血液混じりの夕立が
夕凪の前にやってくる
生臭い風が通り抜け
生暖かい体温と
生暖かい気温が
溶け合って少しずつ散逸し
透明なビニール傘越しに
赤き血潮は色褪 ....
『椅子』
もしここに椅子がなければ、
自分だけ
椅子がなければ、
どうするだろうか?
立ち尽くすのか、床に座るのか
だれかの椅子を奪うのだろうか
それとも黙ってその場をさるのか
....
男は自画像を描く
少しも似ない自画像を
鏡を見ながら描く
その面影は兄弟友恋人
鏡は男以外を映す
少しも似ない自画像を
鏡は自画像を映す
静かだ
この現、
静まり返り
沈黙の間に
無音の響き
行き交って
静かだ
音の精霊たち、
掬うコトバに
寄り添って
何も問わないよ 感謝の息吹はすぐに溶けるものだから
1週間分の新聞が出窓に積まれて ビニールの衣
止まない雨はないはずなのに 笑って雨は諭し続ける
山積みの脳疲労 生きるのみに上書きした目 ....
息子が米寿を終えた母親に
あと一年したら帰ってきていっしょに住もうか
といったら
一人暮らしが自由で一番いい!
といって断った
淋しくても不安があっても自由が一番いいようだ
僕はその頂きを極めて、その後で
それについて語っているわけじゃないよ
今はまだ、そこを目指してトボトボ、トボトボ、休憩したり景色を見たりしながらゆっくりゆっくり進んでいる段 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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