広やかに奥ゆき在る
聖堂に雨降り注ぎ
無数の漆黒の虫たち
動き廻りやがる
疑惑は未だ晴れてない、
俺は我欲捨て切れない、
深い森陰の下草の
緑の間借り人として
深淵を臨む
絶 ....
四角い画面越しに
ピアノの調べ
ギターの弦を弾く音
1/fに揺らぐ歌声
眠れぬ夜に
ブルーライトで照らした
頬をつたう涙が光る
ベッドの上で
体を小さく丸めて
眠れぬ夜に
....
無
と聞いて
深く思う人と
浅く思う人が居る。
無もさまざまに受け取られる
いつか、詩人は、わたしに、森 鴎外の『舞姫』のパスティーシュを書きたいと言っていた。
愛がわたしを知るとき、わたしははじめて、愛が何たるものかを、知ることになるのであろう。言葉の指し示す ....
あっまたおこしになったんですね
まってました わたしは40になりました
ずいぶん遅くおいでだったんですね
こわくて こわくて
ひりひりした山をのぼってらしたんですね
それほどたいしたことでな ....
サボテンとの別れ
身を切られるような痛み
きみとは何万語のことばを交わし
無言で見つめあったろう
きみはわたしの髭を
わたしはきみの棘を
お互い数え飽きなかった日々が
あえなく終わろ ....
生温い風に吹かれている
魂はこの世に残らないのか
跡形もなく消えたあの人
生きる力を失いそうな時
思い出の欠片を
かき混ぜてみるけど
記憶をすり抜けて
静けさだけが残る
....
とおりみちデス通路です、
色んなもの湧出する
永劫なる普遍光の海から
あらあらぽわっぽんぽん
現れ来るもの表すのはこの私
神々しきもの
私を見入り
私の胸の内 ....
川上から金曜日が流れてきた
彼は働きすぎたのだ
川上から土曜日が流れてきた
彼は眠りはじめた
川上から日曜日が流れてきた
彼は手を冷たくしていた
川上から月曜日が流れてきた
彼は左の瞳し ....
7 いいいいいいいいいいい!
8 いいいいーーーーー
9 いいいいいーーーーー!
10 い
11 い
12 あぁ
13 うぇあ!
14 ぎゅぇあ
15 ぎゅえあ
18
1 ....
宇宙が
生まれてから
ずっと来て
つながっている
私のいのちに
さまざまな
美しい影の
濃淡を
描く
光のいのち
涙の夜に
生と死を思い
絶望を失った。
生を楽しむ
そう決めた
雨があがり 黒い蝉が騒いで
真昼の月と目が合った
月にあなたは穴なのかと問われ
自分がいつの間にか大穴だったのことを知った
細くて 丸くて 白い月は
とてもゆっくり喋る
そして地球の周りを ....
振り返っても
もう元には戻れない
歩いてきた道
歩き方が悪かったのか
いつの間にか獣道
足を引きずるようにして
闇雲に進んでいる
ふいに現れた道に
躓いてしまう
Y字路の ....
明日は梅雨の中休み
曇りのち晴れだという
渓谷の奥深く入り
源流の王イワナを狙う
バッハの無伴奏チェロを聴きながら
神さまは、
いらっしゃる
とても、
気まぐれに歌を歌って
いらっしゃる
下々の下賤な希望を踏みにじるのが喜悦
なのか
くすくすと
笑ってい ....
感覚の奥に横たう
もう一つの次元 、
死のリアル
しっかり意識保ち
見つめ入る瞬間、
ぽかぁんと浮かび
取り囲む無数の眼
何時かの記憶の如く
深淵を一息に超え来て
....
寄せては返し合う
はてがないことのふしぎ
ここから命がうまれたというふしぎ
だとしたら
この水はなにからうまれてきたのだろう
半島の先でぼんやり待っている三ッ石
今はまだ歩いてはいけないけ ....
未だ幼木の胡桃の木の後ろには籾乾燥施設があって
霧はそれらを囲むように包んでいる
疲労という疲労は
体のあちこちに固形物のようにしこりとなってとどまり続け
筋肉や腱を蝕んでいるような気がす ....
アンジーがみずから
帰り来る月夜の吸血鬼に
その白く細い首を
差し出し
その瞳には歓びの涙が浮かんでも
固く結んだ真っ赤な唇から
甘やかな夜の声が漏れ堕ちたとしても
....
夜を歩く
雨の匂いを嗅ぎながら
時々苦しくなるこの胸の
内側と闇を重ねて
街灯や家の灯に助けられ
地に着く足が見える
暗がりのロードムービー
果てはある
明日が来るのが ....
想い出と予感、
熱く沸き立ち
郷愁と憧憬、
いつしか合一し
一つの宮居を為すと
オリーブの王冠被りて
物質と非物質の狭間に輝き 、
水に浸かり今に立ち上がる子 迎え入れる。
グラスの縁を
指でこする
音は
遠いあの日とつながっている
あの日もじんわりほほ笑んでいた
死にたくないのに死んだ人が居た
その人を思い出したんだ
私が死にたくなった夜に
私を助けてくれた
死者
・
今 ここに
私の
いのちがある。
さまざまな
いのちに支えられて ....
あぁ彼らは赤子を殺した、
彼らは逃げた、
何も知らずに彼らは逃げた、
振り返ってはいけないのだ、
塩の柱とならぬよう、
河を越え踊りうたい、
山を仰ぎ見て争った、
暗雲立ち込め雷鳴が ....
たった今見たもの松明、
ついさっき見たもの私の爪、
さっき見たもの慥か狐だった、
慥か轍があった、
日は見ていない、
パンは持っていない、
現在私がいる所は雨が降り、
今しがたいた所 ....
花を見つめて、いたら
グロい気がした
幻覚が、花を、大きくしたり
小さく、したりして
いつの日かの誰かが
あなたを、支配すると、嘆いてた
でも、僕は、僕が誰だか分からず
それは脳 ....
純粋な幸せがほしいだなんて
なんてわがままな希望なんだろう
生まれたかぎり生きてゆく
みたいな
生きることを祈らなくても誓ってる
みたいな
純粋でいっさい
一滴の泥もかか ....
ずっとおれを見ていてくれといったのはおまえなのに
おれがおまえをずっと見ていたら
おれを見ている人間はむりだ
と言って遠ざかっていったおまえ
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