強く 抱き締められた形で
ひしゃげたまんま大きく なった人たち
身ぐるみ剥がれたみかんの皮を
物悲しく思いやるということは
良いきもちや悪いきもちで触れる
分別も足りてないってことなんだね
....
雨が降ったあとの街が、きらきらとひかりを反射するように、
たくさん泣いたあとの世界は綺麗に見える。
涙は魔法だ。涙と一緒に、悲しみも流れていく。
君の涙は、君のなかの大地を潤すよ。君のなかの樹々 ....
恋愛を語る友人楽しそう苦い経験笑顔で語る
終わりゆく夏は何だか足早でやり残しないない?そう聞いてくる
足早に夏が離れていく感じ砂浜からの声小さくなる
よく冷えた西瓜を食べる夏景色夜風 ....
僕はひとつの連鎖する出来事だった
君もひとつの連鎖する出来事だった
僕と君は互いの出来事に巻き込まれ
その渦巻く政治のおもむく先に
ひとつの事件を発生させた
社会はこの事件の波紋で打ち震 ....
あの日 バンコクの高架下で
僕は一人ぼっちで寂しくご飯を食べたのだった
薄暗い屋台の席で カオマンガイと
闇の中を行くバイクを 一人で 静かに眺めていた
今年のクリスマスの印象としては ....
"まぼろしのように"
粘性の夢はつやつやとして
汗の匂いがする、果実の匂いがする
いつか異国から届いた葉書の匂い
紙の海を泳ぐとき紙の月が空にある
異邦の歌声は艶やかに過 ....
水天宮前をあがって
ジャンクションのその先に
20万くらいのワンルームがあった
彼女が住んでいる
近くには成田まで55分のバスターミナル
明日の夢を見る
今では ....
神を今すぐ信じてください
必ずや神はお救い下さいます
裁きの日は近い
と日本語で、優しく、
男の声で振動するスピーカーを
槍に貫かれた首級のように掲げて
ブロンドの長髪が引力に逆ら ....
さささささっ
と
走る
すすすすすっ
と
消える
今ハ
静まり在るもの
森羅万象、
さささささっ
すすすすすっ
ハシル キエル
消え走る!
呑まれ飲んで
また呑まれ
....
牙を剥く
土竜を
撫でる、
のです
食べたい
檸檬を
舐める、
のです
みんな
午前5時には
無駄に生きてきた地球への情熱を
返す必要はない、
のです
....
今のご時世
あんなにハッキリと
「変な子供がそばに来たら嫌だ」
と言ってのけるおばちゃんはスゴい
惜しむらくは
おばちゃんは
自分の子供だって
いつ鉈を振り回して
おばちゃんの首を ....
青の名前を言いなさい
身体の中に滴り落ちる
かなしみの青かな
しあわせの青かな
どちらでも
同じようなものかな
そんな鳥を見かけませんでしたか
そんな空を見かけませんでしたか ....
朝露のかがやく
翠陰にいこう
ぼく
そよ風のかおる
草原にもゆる
あす
目にうつる
景色は
今
蒸発のない
刹那は
却
周りが敵ばかりの状況に陥ることは、あるけれど、
そんなときでも、きみの味方はちゃんといるよ。
きみの心のなかに住む透明な生き物たちが、
きみの勇気ある行動をちゃんと見てくれてるよ。
彼らは姿や ....
貴女の衣のような髪は 縹いろ
月に帰ろうと階段を深縹から
浅縹へとグラデーションを積んで
登ってゆく
私は宙を浮いて向き合っている
貴女の縹いろのひとみは見知らぬほしの者
....
俺が出した命を
俺の犬が食っている
尻尾を振りながら
そんな汚いものでも
お前は喜んでくれるのか
俺はもう一度
ひねり出した
フガフガと鼻の周りを
命だらけにして
嬉々と ....
ローソンに歩いていってコーヒーを飲むのが日課になっている。
「やっぱりローソンのコーヒーが淹れてもらえるからか、一番おいしいね。」
そうなんですかぁ?と言いながらボクには中学生にしか見えな ....
坂本花織はコアラに似てた
マーケティングしたら南青山あたりに児童虐待が多かったのだろう
ゆずは弾き語りツアー中に2020年解散を発表するにちがいない
カルロスゴーンは見るからにヒール ....
ラジオ少年だった
FMではなくてAMの……
さんまさんに自宅の電話番号を教えてもらったことがある
二度かけてみたら二回とも
ねてるかエッチしてるかひとりエッチをしてるのでご用の ....
おもう
おもわれる
おもいたい
おもわなければ
おもう、おもい
おもい。
どうしてもおもいどおりに
ならないとき
諦めて
しまう
そのまえに
もう
このおもい
伝わらるな ....
もうすぐ
トンネルだね。
息子がつぶやく
車内は空調がきいてあたたかい
帰路を走るフロントガラスに
ちらちらと落ちる雪
しろいね。
冬が深まるたび
吐く息が白くなる
....
ポストに投函した手紙が何処へ届くかは解らない
宛名と宛先を忘れた
差出人とその住所も忘れた
そんな封書の中身は便箋が数枚
便箋には文字を綴るのも忘れた
そんな手紙は迷子になって
い ....
「私は洋食が好きなの。」と言って
いつもミラノ風ドリアを頼む90歳の祖母
性格もシビアだが
財布の中身に関してはことさらにシビア。
死にかけた親父にミラノ風ドリアを食わせると
やり残した ....
-おかえりなさい。-
御馳走を囲んだ部屋に父がいる。
右手で柱を掴み玄関先で手を振る父がいる。
骨という抜け殻になった父が腕の中にいる。
「おいしいね。」と言って食べていた金平糖が
袋を開け ....
冬に映える黒髪の獣の口から、あなたとの四季のため息が風に巻かれていくよ。あのシャボン玉がすべて包んで弾けたからぼくやきみの悲しみさんはもうないんだ。同じように喜びも弾けて消えるからまた悲しみさんはとな ....
老人はおまえに
ものを
放りこむ
赤々とした
その口へ
おまえの頭上で鍋が笑っている
数限りない夕餉の匂いがおまえに
染み付いている、また酒の芳しい香りと
血の流れと涙は静かに漂っ ....
そうしてお前は海藻のような俺の臓物を引き摺り出す、喪失の感触はあまりにもヘドロを思わせる、トッカータが聞こえる、それはあまりにもマッチしている、俺は呆然と虚空を眺めている、目に映る風景はとっくに意味を ....
開けた窓から雨の匂いが流れ込み
濡れていく遠い森のざわめき始めて
貴女の声は透明な水底に沈んでいく
クリスマスイブに降臨する
ピッカピカの大天使、
クリスマスイブに舞い落ちる
さらさらの粉雪、
言葉と
こころと
理想と
夢とを
傷つけられて
千切られる寸前まで ....
「表裏」
表が出来るのと同時に 裏が生まれる
裏が出来るのと同時に 表が生まれる
あの人が好きだと思う のと同時に 嫌いが生まれる
あの人は偉大だ と ....
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