あかるいあの夏の日差しが切れ目なく
あればきっと誰も悲しまない
窓から見える灰色の景色にも
洗われる清々しい風が吹くかもしれない
家の周りにてお住まいの神々しい猫の声が
一 ....
純いろの砂浜で
ともだちいたんだね
夢遊病者のあしどりで
忘れものを取りにいく
ガソリンをまく
火を放つ
ほうむる
自分をやり直す
純いろの砂浜 ....
ICU
初日のひかり眩しくて
おとこの指をちち(傷)に這わせる
のびた爪を夜に切ってくれた
妻である人が切ってくれた
爪が指の先でのびる
切らずにおいたらどこまでのびるかなんて
普段は思わないけれど
思ってしまった
のびた爪であたしの体を触られ ....
雲が楽譜の白みせる
空に水いろたちのぼる
不思議の国のアリスたち
ゆく年くる年踊ってる
その悲しみに冬光る
日ノ出を祈りに愛しいあのこ
夕暮れのダンスが来るまえ ....
雨が傘に足をおろすのを聴きながら提灯を手に町へでていく。雨の日には町の水路は誰もがきづかないうちに、碧い水に満たされているんだ。ゴンドラの唄が雨に濡れて艶やかに響いてきて、水路のうえにぼお、とした灯が ....
小夜時雨、わたしは夜のなか
朝をしらない、昼にふれば
だれもわたしを小夜時雨と
よびはしないから、涙もない
夜の静寂を細いゆびでたたく
あの窓明かりからのぞくひと
あなたがわたしをわす ....
寒の暁には
怜悧な羽根の
蜻蛉がつぃーつぃーと
細雪に混ざりこみ
わたしの心を
薄く
うすく
スライスして
春も夏も秋も
冬もなく
町の風景に散らばめてゆき
ます、冷え切っ ....
今年も終わろうかとしているとき
私達は、仮初めの体温を分け合った。
あなたは、ただ36度とちょっとを感じられれば良いという風に私の体温を貪る。
私も、あなたの熱を感じる事は好きだった。
....
電灯を持って 夜を渡っていく
陽に炙り上げられた煤けた空は
山影に 明かりをしまう
小指ほどの電灯をつけようと ボタンを押す前に
避け切れない車のライトに 身体は轢かれる
カーブミラーの ....
触覚が反応して描きの渦に入ってゆく
5年前の踏み損ねた韻をモノクロに見
恥を晒すが頬はクールにペールオレンジのままに
スキップしながらアンプをぎゅんぎゅん鳴らす
今宵は今宵と信念が悟情 ....
風の招きに集められ
ひとつの夜に出逢う僕等は
互いの盃を交わす
この胸から
静かに踊り出す…心音の行方に
物語の幕はゆっくり上がる
誰にも知られぬ遠い夜よ
{ルビ蹲=う ....
私の中に
永い間眠っている
マグマ
涼しい顔してほんとうは
体内を巡る真紅の血が
いつも渦巻いている
そろそろ目を開く季節だ
あの空、葉脈、
一本の水平線を
( ....
年も死ぬ大晦日。明日には新年が生まれる。
ドイツの哲学者・マルクス・Gによれば、
「世界」は存在しないという。
《平成》などと言ったところで《日本人》
以外には何の意味もない。しかしだ ....
夕陽を抱いた木々の裸は細く炭化して
鳥籠の心臓を想わせるゆっくりと
いくつもの白い死を積み冬は誰を眠らせたのか
追って追われる季節の加速する瞬きの中
ゆっくりと確かになって往く単純なカラクリに ....
今、京都にいる
年末年始は京都で過ごす
何故京都なのか
それは
息子が無類の近鉄好きだから
それ以外に
京都に来る理由はない
ほら見ろ
言わんこっちゃない
周りは中国人ば ....
たまや
ほんとうはそこにいたかった
冬花火
どこかでだれかが虐待される
たいせつにしてくれなかった
くもりぞらのゆうがた葦の原
たまや
ほんとうはそこ ....
太陽が硝子を撃つ
それはいつ頃からだろう
じぶんがいなければ
壊れてしまうようなひとが好きだ
光が刺さる砂浜で泣いた
たいせつにされたかったひとに
たいせつにさ ....
冬の街を歩くとき、私は少し優しい気持ちになる。
どんな感情も、持っちゃだめってことはないんだよ。
あの人がそう言ってくれたときの、きれいな白い息を思い出すから。
凍える季節のなかで初めて、私 ....
室戸岬の
先端に
向かって手を
ふってみた
室戸岬の
先端からは
ぜったい
見えやしない
この
ちっぽけな
沖堤防から
恥ずかしいから
声は出せないが
こころの
こころの
....
直七が
転がっている
道をぬける
ぽっかりと
あいた
筍の跡地は
そのままになっている
五月からずっと
ちらほらと
落ちた
つつじの花弁は
じっとりと
しみている
ぽつん
....
山の上に山を積んで
キャパオーバーが騒ぎだし囁く
あれもこれもと撹拌されマーブルのスピンは止まらない
それでも華の中の華を摘んで
私は 言葉を編んでゆく
仕上がりの予測も出来ずに
その ....
生地が破れたジーンズが
格好いいのだから
夢が破れた背中ても
格好いいのかも
ただどちらも履きこなした
ダメージであること
遠巻きにして人だかりができていた
始発電車まではまだ時間がある
上野駅の構内でそれを待っている人たちは皆一様に張りつめた冬の寒気に震えているに違いなかった
まだ入れない改札口周辺の通路になぜ ....
全てを失くしたような顔をして
覗けるショーウィンドウなど
ここにはないよ
きっと汚れてるファンデが落ちて
心の毛穴に詰まらせながら
どうしようもなく哀しい涙は
手の甲で弾くピアノ線 ....
聖書をよく焚いてから飴玉を投げ上げてください。
反転します。
落下しない
林檎
蜜柑
それから
檸檬。
安物です、この宇宙は。
{引用=( ....
黒い箱を買うことにする
店に行けば売っている
値段は全財産の半分
富める者も貧しい者も
持っているものの丁度半分
店に行っても選ぶ余地はない
買うことを告げると
店員が店の奥に入って
....
愛想笑いで過ごした昨日は可哀想だ
そんな反省を笑ってる
感傷的に慰めてくる君も結局不干渉
そうさ僕は「対岸の人」だね
抱えきれない想いを綴って
折り畳んで君の知らない僕を脱いで
....
体臭と口臭
そして
お互いの獣臭さを嗅ぎあう夜は
同じベッドの上で汗垂れながし
軋みあった
小柄で背は低い
美人でも可愛くもなかった
髪の毛は短くて化粧が無理矢理だった
スカートを ....
通称『やり直し神社』って、
大阪にはあるけど
これまであった悪い縁を断ち切る
そんなご利益のある神社、
らしい。
べつにウチはそんな
やり直したい人といっしょにいるわけ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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