開けた勝手口へ涼風が届いた。
胡瓜と茄子のお礼にと、今朝早く。
幸せ過ぎて
あと何回
涙を流す
あと何回
あとひと泳ぎで
私は岸へと辿り着くのかしら。
あなたが好き
心底惚れた
そばにいたら十分だから
どこにも行かなくていい
ドラム缶のお風呂に ....
そこは砂漠のど真ん中じゃなくて
海辺の砂浜だった
人影まばらな晩秋の海
無性に海が見たくなって家族を連れてきた
幼い娘二人と
二人を産んだ母親と
四人できた
その時
長女が ....
いつでも最善を尽くし
いつでもこれで終わりだと
そう信じて枯れ葉がいつどこに
落ちるのかさえ分かった気がした
いつ夏の精が明日から秋だと
涼しい顔をして言っても
私はおどろかな ....
チテ・トテ・チテ・トテ
ちいさな、
黒い足跡が。
チテ・トテ・トトトテ・トテチテトトト……
ほら、翠のはらが
どこまでもどこまでもひろがって
風に揺れている
草は目を射るように揺れて ....
誘い直してくれたことが嬉しいが、
この地点でこんなに喜んでて
いーのだろうか。
まだ付き合えると決まったわけでもない。
私なりに自分の性格を踏まえ、
合う人を思い描き、
あの人は私にピッタ ....
悲しいこと苦しいこと淋しいこと
生きていれば、たくさん嫌なことあるけれど
道端に咲く花の香りがしたら
わたしは立ち止まってしまうくらい
うれしくなるよ
お互いをいたわりあう ....
歳の数だけたばこを吸って
早く寿命がこないかなと
思うだけの日はどうかな?
どんな日になると思う?
今日の二十三時に
ホームに立っていないと
確信できるのは誰なんだろうね
零時に自分 ....
何年後の静寂を思えばいいだけの話
誰の灯火も消えた星空が迎えてくれる夢
ぱちんと消えて目が痛い
十一時に吐いたため息は
次の日も次の日も次の日もおもって
消えることがない
きみの話を聞 ....
三日前から、とある乙女の目のまえで
ユニコーンの角を
風が撫でていたのでしょうか。
その風がわたしに届いてくれたころ
吹きさらされた
こころの扉を叩く音が聴こえます。
....
さよなら ´
入り口も出口もなく 近さも遠さもない声の内にあなたの裸体は張りついている
通り雨のような服のなかをあなたは歩いて帰り 、わたしは通り雨のような服の袖口であなたを見失う
....
赤いラッパと白いラッパ
雨が止むのを待って
空に向かって奏でる
今はまだ逢えない
遠い星に向かって吹く
夢の中の声は小さくて
全身で聴きとって泣く
小さな黄昏に果てしない影
私 ....
今日のKQ電車はゆれる
こんな日に限って
いつも以上にゆれてる
ゆれてなんぼなんやろか
ゆらしてなんぼやろか
こころは、こころは
かっくんって
こころが、こころが、
かっくんって
....
小枝に星が止り
漏れ落ちる月明かり
微かに緑色に光る羊歯
苔は森の水を濾過して
妖精にどうぞと言う
言葉さえ持たない
透明な森の羊歯
葉の形は心の形
優しく恥ずかし ....
あたしは、もうなにもしない。
きょうこそ、かならず、なあんもしない。
勉強もピアノも、いぬの散歩もなぁんにもしない。
あたしはっ! なにもっ! ひとつもっ! しない!!
ぜったい! ぜっったい ....
なぜか安全じゃないカミソリで
うぶ毛剃っていたら
呼ぶもんだからイッちゃって
そのまま振り向いたら転ばれた
痛い、こっちだって
いつまでも一緒にいようね。
割り算のやり方なんて忘れてさ。
私達は 窓枠にはなれない
カートにも ジムにもなれない
あなたをとても好きなのに
愛してはいなかった
私の好きな世界が
蹂躙されている
私の職場の何人かが
私の元を離れた
白い四駆が
目の前に止まったら
私は
窓を開けるだろうか
それとも
私のために
誰かが
奔走してくれ ....
食材と調理器とのパズルを解いて
今日も君は正解を導き出す
その正解は少し焦げていたり
しょっぱかったりするかもしれない
だが少しの偏りはみな正解である
料理と僕とのパズルを解いて ....
覆水盆に返らずなんて言う
盆があるだけ良い
あわてて水を掬いにいったら
盆を膝で割ることもある
かなしみのふち
小さなことが気になって
大きなことがどうでもよくなって
大きなことに気 ....
風に飛ばされてゆく葉っぱを拾いあげ
それを大切に懐にしまう人をみた
まるで栞を挟むような手つきで
忘れられてゆくはずだった葉っぱが
何か違うものに変わったのだ
ある日、出会った他人同士が ....
ごめんなさい と ありがとう が
死語にならないのは
人が
常に間違え
常に許しを
感謝して来れたから ....
雨が止んで
月の光が庭に落ちる
照らされるのは妖精の羽根
背の高いタチアオイが二人
寄り添って踊り始める
赤い絵の具が流れるように
フレデリックが
月明かりでピアノを弾く
....
延長戦よ、みんな。
次は引くの
そして待つの
ある意味、
楽よ。
ヨッシャ。
白い花に腰掛けて
草笛吹いてあなたを見てた
子供のあなたはあっという間に
私の時間を追い越して行く
大人になりたくて追いつきたくて
焦る気持ちが隠せない色になる
若草色がいっぺんに ....
天国に帰省しますと
空に向かって叫ぶ
たぶん
そうだろう
お盆に間に合うように
大地を脱いだから
けれど
神様がルビをふるなら
たぶん
「死にたくない」と叫んでいる
たぶん ....
{引用=独居美人}
託児所の裏の古びたアパート
窓下から張られた紐をつたい
朝顔が咲いている
滲むような色味して
洗面器には冷たい細波
二十五メートル泳ぐと
郵便物の音がした
....
真昼のまぶしさの下
水中眼鏡で世界をのぞく
あらゆるものがここでしかない自由をまとい
わたしだけが不自由だった
にせもののひれを誰も笑わない
ゆるされていた夏
さよなら、まりも
ひんやり ....
ミンミンゼミの蝉時雨
窓ガラス越し物凄く
気が遠くなるよな濁音の渦
彼らはひたすらに生きている
僕らが時をやり過ごすとき
彼らは命を燃焼する
僕らが虚空を覗き込むとき
ミンミンゼ ....
865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904 905
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