洗濯物を畳んだ後で
しを
仲直りしないまま
しを
いたずら電話の後で
しを
ヘイトスピーチの後で
しを
首脳会談の後で
しを
弾劾裁判の後で
しを
燃えないゴミの日に
しを
....
しゃぼん玉と
握手を交わしながら
掌に伝う
虹色の雫
弾いてしまった
鍵盤のように
瞳を震わす
メロディが欲しい
ターンタターン
用意されたのは
大きな舞台で
人と結ばれ ....
一輪挿しの花を
わたし達はただ愛で
やがて枯れたならば
裏の畑に埋めて
忘れてしまうでしょう
なぜ、忘れてしまうのでしょう
そうして人々はまたこともなく
明日の朝を、明後日の夕を ....
集めたものより
与えたもので
わたしたちはできている、らしい
逆をいえば、
わたしたちは
足りないものをおぎなうため
ひとに何かを与える、
のかもしれない
ミ ....
梅雨のあけない海で
貝は静かに海水に身をまかせ 霧を弄ぶ
怪物のように伸びたコンクリートの橋脚が
海抜ゼロメートルから立ち上がり
山峡を跨いでいる
トラックの轟音と排気のにおいが雨音と混ざり ....
涙のない光の夜に
闘いは風をひもとく
桜に集まる少年の歌は
一つになる静かな歌
一番なんて言わない
遊びなんだもの
光によって歌によって
始まりになった春の扉
パラパラと振りかける
殺風景から出汁をとる
彩りなんていらない
味で決まり
正面にぶつかって 腕を直角にパキパキ振る
末広がりのヘアスタイルに
器がついていかないシルクハット
....
人間として信頼されるより、
女として愛されたいよ。
そこには多くの家族がいて
大きな机の上に並べられた
温かいものを食べていた
それぞれが思うことを
なんとなく話して それとなく呑み込めば
喉元は 一晩中潤った
天井の蛍光灯が点滅を ....
心の海に巻き戻すフィルムが
情熱を失くし灰になる夜
思い出せないあの頃のように
いつか消えてしまうものを何個も
抱えた身体に光のスキャン
爆弾みたいな重さと匂いで
解るほど簡単な夢 ....
近所の曲がり角
夜の雨に濡れて煉瓦と
あたたかく帰る人を待つ街灯の
そのひかりが
煉瓦を光らせていたのは冬のことだったか
春がもう きている
梅の花びらがあたたかな煉瓦の上に
白く舞って ....
軽々しくは言えません
待つている
騙すつもりも
嘘をつくつもりも
ありません
この瞬間は素直な気持ちで
待っていると言えるから
俺はまだ肝心なものを手に入れてない
肝心なものがいったい何なのかわからないのが
その証だ
人生の滑り台を何度も上りその度に滑り落ちただけで
いまだに滑り止めが見つからないみたいに
探 ....
メガネのフレーム内しか
見えないわたしだから
メガネのフレーム内から
できることを探す日々……
好きな芸人が窃盗で捕まった
みんなから愛されている歌手
わたしは嫌い
自分で詩 ....
愛という血縁につながれて
異なる血を持つ僕たちは家族となった
異なる性と異なる音階、異なる正義を携えて
家族には形而上学がいらない
大地に根差した食事と空から降る会話だけでいい
宇宙に似 ....
変な言い方かもしれないけれど娘には男がいる
俺ははけして良い父親ではない
それどころか
娘に依存している
不甲斐ない父親だよ
娘には男がいる
もう長い付き合いらしいが
俺はまだ一度も ....
鼠が地面に落ちた
餌を食べる 午前〇時の新宿
家の無いおじさんは
幸せそうな笑みを浮かべ
北風に凍える僕の傍らを通り過ぎ
バケツの残飯を探す臭覚のままに
繁華街の路地へと
消えていっ ....
夜は明けない
日は出ない
見えない路を
徘徊する
夢とも何とも
いえないところで
自らそこへと
入っていった
その隅っこは
暗かった
顔が闇に
埋ずもれた
そう ....
この古くからある
閉ざされた小さな町で
いつからこんなに人がたくさん
人生を過ごそうとするのかしら。
仲良しも、子よしも、休みの日
ここにも私に与えている気持ちを
800回の青ざめた嘘 ....
若くして人生を終えた
友が住んだ街を
久々に歩いた
駅前にある
薄明かりのパスタ屋で
白ワインのグラスを傾ける
向かいの空席に
あの日から齢をとらない
透けた面影を浮かべれば
....
繰り返し
繰り返される夢
祖父という見た事の無いもの
二度と見る事の無いもの
無いものへの信仰
不知への限りない接近と離脱
長押(なげし)に上がった肖像の夢
不知への限りない接近と離脱 ....
クソマスコミは
役所の統計データの不正で
騒いでいるようだが
統計なんか所詮統計でしかないので
実態そのものじゃねえんだから
たかが知れてんだ
騒ぐ意味なんかねえんだよ
大体、統計デ ....
「もう一度やりなおしましょ」
ソファの隅、二度寝になりたい きみ
流行を気にしなくなったぼくは、
流行からも気にされなくなったらしい、
から、
たまにはふざけていいんだぜ、正直なデジタル ....
{引用=*筆者より―― 旧稿を見返してゐて、本フォーラムに掲載してゐなかつた作品があることに気付いた。以前のアカウントを消して以降、復帰するまでの間にかいたものは随時掲載していた積りだつたがどういふわ ....
春うらら
光のどけき街を行けば
子供と老婆が手繋ぎ歩み
すれ違う人々微笑んで
命の讃歌を歌い出す
季節の巡り、宇宙の鼓動と同期して
ガムをやめる
願掛けかも知れない
じぶんという磁場や意志や真摯さを
試しているだけかも知れない
だからどうだと言うのだ
おれはきみの災厄を吹き飛ばせるか
ガ ....
ピックガードにトリがとまっている
博物図鑑から飛び出してきたような
ハルなんだから
もうハルなんだから
ライト・ゲージで
8・ビートで
送りの歌でもかき鳴らそう
ハードな ....
あの春から この春がやって来た
馨りはまだ手のひらの上
ふわっと小さな宇宙を乗せて
ここへ ここへとやって来た
呼び覚まし 瞬間にカチッとアルバムにはまる
大事な 大事な一期一会を刻んで ....
神々に感謝できる自由を日本は守り続けてきたの。
理解できますか?
もう一度いいますね。
神々に感謝できる自由を日本は守り続けてきたの。
いつかわかると思います。
日本を日 ....
「ここでは生きられませんよ」と
言うわけでもなく、
コンクリートの護岸をながめている
よそへ行く、わけでもなく
与えられた一直線を
射抜いている
覚悟は、
両手のはさみしか知らな ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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