降り注ぐ雨が
掴み切れず指をすり抜ける
落として来たもの
空がやけに広い朝焼け
終わりなのか
あるいは始まりなのか
レールを走る列車のようには
うまく進まない生き方を
けれど今を精 ....
月の横に大きな鯨が浮かんでいる
ちいさな星や人工衛星を食べて生きるまぼろし
ごちそうさまの煙を吐くと
オーロラに乗ってどこかに帰っていく
きっとあれは
我々のことなんて何も思わなくて ....
人生、いつまでも
学生のノリで
過ごせると思ったら
大間違いだぞ、てめえ!
えっ、そのキャンパスではなく
絵を描く方のキャンパスですだあ?
何言ってんだ、頭大丈夫か?
キャンパス ....
誰かの幸せに
揺さぶられても
自分の思い出
輝く時は
大きすぎる手に
五本指足りず
泳いで潜って
爪の先で会う
無印になった
爪の色は負け
さよならといつも
隣り合わ ....
先生、それならどうして
教科書にそれが
記載されていないのですか?
いいかみんな
歴史の教科書というのは
歴史の許可書なんだ
歴史の記述は
その時の権力者の
思惑に沿って許可さ ....
詩とは何かの答えがどうにか出るたびに
間違っていたのではないかと思考停止して
それはそれは本当に美しく散っていった、
遺された答えを
受取る未来にとっては
死屍累々の
惨めな繰り返しの中で ....
人生が一枚のキャンパスだとしても
俺は絵描きにはなれず
絵は苦手で下手くそ
それでいて、嘘で自分をしっかり塗り固めていないといられない
俺の人生
それでいて
他人にはからきし嘘をつけな ....
自分の夢が
現実になろうとする
現実になった
今までの経験が繋げた
夢へと伸びてゆく道
リアルなイメージが
現実になること
何倍も早める
ポジティブに日常を楽しみながら
....
磨り硝子の向こうをよぎったのは
夜を飛ぶ鳥なのだろうか
それとも
地に落ちていく誰かの魂だろうか
生れ落ちていく無垢な魂だろうか
ぼくの見えぬところで
はじけたり、とんだり、は ....
取り柄なんて何もないし
いたって目立たない人間
脳みその出来はわるいのに
考えてしまう性格
くよくよとジメジメとぬかるんでいる人格
中学の頃は太宰治にのめり込んだ
ような気がする
....
催眠術にかかっている間に
彼らが買おうと思っていた家は燃えた
右も左も分からない子供のような街
サイダー売りの声はとてもよく響く
私の住所は内緒にしておかないと怖い
何が起こるかわかったもの ....
ついに渡すことのなかった
焼き増しした写真のあなたを切り抜いて
ポール・グリモーの、羊飼い娘みたいに
止まったままの四角の中に
梯子をかけて、あなたを連れて、逃避行する
でも本当は
....
詐欺師の女は
ムンクのマドンナ
のような表情を
漂わせ
フラッシュの
光の中に消えた
キムジョンナム
にVXを嗅がせた
女は国家に見捨てられた
ヴェールのなかで
捨て子のよ ....
幼いふたりは
ふたりなりに
ふたなりについて
思い巡らし
どちらかが話出すまで
流れに身を任せた
土曜日の
午前4時
「いつまでも
愛し続けたい
夜が明けたって
何も変わ ....
最近、思う。
宇宙に果ては有るのか、無いのか。
科学者は追う、宇宙の果てを。
....
また一晩が明け
光溢れる一日が来たよ
風はそっと穏やかだし
空はぼうと水色だし
街は花の香に包まれて
実に飄々と軽やかに
ステップ踏んで春は行く
おれはのそっと鬱だけれど
五十九回 ....
完備 第一詩集『abstract』
…………………………
index
you
・footprints
・memo
・units
・difference
i
・ ....
その手は冷え切っているから
あなたが春なのか冬なのか
わからなくなってしまいます
つくしにふきのとは
いつもの場所にいません
あなたの背中をさがして
遠まわりして歩いていたら
風 ....
一周まわって今時の
君の着る服が、
私の前髪をきれいに揃えようとする
君のきるシャッター音が
あまりにデジタルなので
私は前髪を揃えようと思うのだ
私の肺の穴あなから
ミツバ ....
雨のなかの声
とおりみち
夜に立つ
銀の生きもの
夜を 揺らす
曇の音
手をふるもの
雨の去る音
月が照らす海
小さな声
静かな ....
夜
リビングのソファーで母が咳をしてる
姉がトイレのフリをして
白湯を入れに行く
「電気消すよ。もう寝な」
私は父の手紙をしまう
「うん、おやすみなさい」
「おやすみ」
....
ピエールと言って
ピエール・ルメートルを思い出すのは
監禁マニアに限ったことではない
或いは低身長マニアという訳でもない
何故ならそのどちらでもない私が
こうして思い出すのだから
(実のと ....
テトリスみたいな」
猫の落ちてるソファの背もたれにもたらされる月」
欠けている」
尽きかけたHPは週末になるとドットコム」
手取り足取りと栗鼠ウイスキーに沈む丸い ....
死から遠ざかる方法
あと一二年のいのちから夜を見つめる
信号の赤やみどりが頑張っている
信号無視する派遣社員ぽいひと
コンビニから大きな袋持ってでてくるひと
ああ、いま、 ....
井戸から罌粟風呂
人文男子の捩った柔毛
鮭食べ
下ネタ大サロン
良い腕だ
だから何だ
頭 電位懼れ
稽古だ 意図よ モダンかもしれない ....
部屋に魚がいる
いつの頃からか住み着いたのだ
水槽に水を入れ勧めてみたが
お気遣いなく、と辞退する
空気の中を平気で泳ぎ
窓から外を眺めたり
ソファーにちょこんと座ったり
いつしか気心が ....
いつのまにかコーヒーを飲む人になった。
えんぴつから青空が生まれていく。
褒め言葉が君を悲しい気持ちにさせるなら、
耳をふさいだって構わないんだ。
神様から君への祝福を、見て見ぬふりしたってい ....
点と線で描く
風船の中
詰まった言葉を
透かしながら追う
軌道の先で
詩人は待ってる
釘をさすような
最後のひと声
丸い形を
変えたくて割った
地球の中心
少しズ ....
傾いた太陽が
枝だけ残った木達を
公園から浮かび上がらせる
枝には時間が葉のように光にきらめき
螺旋状に生い茂っている
手前には娘がブランコに乗り
奥では息子がすべり台をすべり降りた時 ....
どうやら春は来るらしい・・あたりまえのように、
さり気ない顔して、来るらしい
休みたいのに休めない人間の性を見つめる
欲と愚かさ・・・
朽ちかけている躰を横たえて
この世の境界線を越えて ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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