結論から先に言え。
いつもそう言って
俺の努力もアンタへの気遣いも
不毛にしてしまう上司。
....
真夜中の古巣に向かい歩いている。
ここは慰めの場所
心を元気にする止まり木だ。
移り行く場所を眺めても
寂しくは無い。
懐かしく遠い日々の出来事を支えに
今日もまた背筋を伸ばす ....
父の魂は
今に置かれた座椅子の上で
孫が遊びに来るのを待っている。
ぷにっ。ぷにっ。と
柔らかいほっぺたの感触と
宙を見つめる大きな瞳を思い浮かべつつ
かわいい孫を
自分の手で抱き上 ....
甥っ子の手を握る時
妹が生まれた日の事と
父の手を思い出す。
私をずっと守り続けてくれた
大きくてごつごつとした手を。
小さな手を眺めつつ
すーっ。すーっ。と
寝息を立てる口元に ....
化粧しない女と
化粧する男
売れない絵かきと
熟れない詩人
言葉の重みと
その軽さ
一直線
と一曲線
地図のある部屋の壁
ナビのない車
狂気と
狂喜
....
太鼓の皮を破るような
驟雨が駆け足で通り過ぎていった
恐る恐る顔を軒に突き出して
ほっ、とする、お天道さんと
顔を突き合わせて
軒下で菜園の土を破り
アスパラガスの夏芽が
にんまり笑 ....
人間の愛は実に複雑だ。
しかし、私は、物事を単純に見て解決するすべを覚えつつある。
魔術師と儀式主義者は、最も地に足をつけた種族である。
恐れるな。
失敗を恐れるな。
プ ....
終電にゆられて、風の強い歩道橋を渡り、またビールを買って帰る
テレビ通販の明かりだけの部屋で、あしの爪を切りそろえて
膝を眼窩にうずめた
いつになく緊張してた官房長官がその昼なん ....
ボクの体に星の原画が描かれていて
プラネタリウムが投射する
世界は鏡
自分が誰だか
それを見て思う
さようなら
ってキミは手を振ったから
ボクもさようなら
自分も鏡なんだな ....
Ⅰ
心臓の叩き出す
下腹部のあたり
分厚いえら呼吸の悲鳴で
男を締め付けると
そいつは
足裏まで落ちていった
こうして
彼女は君臨する
四本足の机の
空洞部分で
Ⅱ
....
花かごに
ゆったり
あしかけ
たっぷり
ゆられれ
まなこに
うつるる
えだの黒
電車で足を投げ出して
座っているクソガキの
足を思い切り踏んでやる
120kgのストンピングだ
「イテッ!」
「ああ?なんだあ💢」
マジの殺意には
誰も抗えない
黙って目を伏せるだけだ ....
少女の告白した罪を
ゆるしてあげたかったわたしも、
少女であった
のどけき春
光のさなか
惑いにとらわれた指のかわりに
野花をそっとよけ
スカートのひだが重なりあう
....
首筋から這わせた指先が
胸の先にかすかに触れる
少し切なそうな顔をしてあなたは
そっと目を閉じた
夕暮れ
カーテンを引いた部屋に
隙間から少しだけ
黄色い光が差し込む
言葉で伝 ....
防波堤に打ち付ける、波
全てをさらっていく
泡沫が少し、澱みに残るだけ
日がやけに低い昼下がり
人の姿もなく
旅の友は、おねだり上手なカモメ
行先不明の私は
いつだって
迷っている ....
真夜中を疾走する無軌道は自意識は所詮、夜明けとともに失われる時代遅れのノスフェラトゥだ、陽のあるうち連中はどこに潜んでるのかまるでわからない、お互いの顔すら見分けがつかないほど暗くなるまでは怖くて ....
私は今日、父になった。
娘が産まれた時
妻は命を懸けて母になり
命を懸けていない私は
父を、演じ始めた。
....
降り注ぐ
陽の光は黄金、
人 歩む
今日という時空のなか
未知、迎え入れ
好きな人たちと、楽しく暮らしたい。
願っているのはそれだけなのに、私は今日も優しくなれない。
四月の花は、こんなに素直に咲くのにね。
誰かの感情に染まるのは簡単だから、
好きなものは自分で決め ....
灯台の下のテトラポッドはいつまでも輝いている
防波堤に波がぶつかって砕ける音は
真っ暗な地平線へと吸い込まれていくようだ
パチパチと光る緑色の灯は
きっと私に何も伝えない
落書きと錆にま ....
洗濯機の中で汚れた衣類が回る。
夜に洗って朝に干して。そんな生活繰り返して繰り返して。
何だか寂しくなって、その寂しさに苛立って。
人に産まれて女に育ち
人に産まれて男になった。
洗 ....
となりの家はリボン細工
ピアノの音が聞こえます
お嬢様の手毬唄に
私は恋をしました、と。
彼女の髪は
いたずら好き
ピンとまつ毛を跳ね上げて
ピアノの音が
聞こえます
....
桜散りゆく偶数の月に
解き放たれし夏の日へ進む
理由があるとすればあまりにも
陽射しが見事に肌を光らせた
両腕をくすぐる生ぬるい風
袖を切ったのはいつだったっけ
みんなの意識は ....
理由は瞳でも言葉でもなく
甘い棘でいたぶって
囁きながら堕ちていかせて
憧れていたの
散らしたのは何度目の夜
秘密はいつもドロドロしてる
苦い香りに慣れた頃
横顔をなぞる煙がいび ....
真珠はだれに殺された
孫娘に殺された。
(はないちもんめ あの子が欲しい)
孫娘は泣いている
おうちに帰りたいと
泣いている
真珠の背中のぬくもりが
帰るおうちよ
ほたほた落 ....
やあ
十五年前の君
予想できるかい?
ひとつだけ、教えてあげよう
{ルビ面白=おもしろ}苦しい、面苦しい、日々の果てに
君は手にいれる
ひとつの温かい宝を
自由だとか、幸いだとか ....
僕の部屋には季節が無い
うずくまって見詰める本棚には
うっすら埃が積もっている
TVのコンセントは抜いたままだ
頭痛が少し
腹痛も少し
瞼が厚ぼったく重たい
もう長いことゆっくり眠れ ....
花瓶の近くに置かれた姉の唇が燃えてゐる。
うす紫色の炎が小さく上がつてゐて、読んでゐる文庫本に今にも火が移りさうだ。
目を細めて見ると、表紙に「菜穂子」と書かれてゐた。
....
静まり返った夜に人々は固唾を呑む
意表を突く歌詞を並べたて
繊細で微妙なメロディーラインで攻める
艶っぽい声にガードされた瞳
おまえは吟遊詩人
魔力のような鳴き声に引き込まれ
....
茅葺き屋根に鳥が舞っております
舞い降りてくるのは雲雀でしょうか
春を尾に引く雲雀でしょうか
茅葺き屋根に陽が舞っております
待っているならススメと云います
陽は待たずススメば夜が来ます ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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