遺影などに目がとどまると、
この世の者ならぬ者となられた者の、
超自然的な力にすがりつければ、
などと虫のイイ妄想をつい抱いたりしてしまう、
事がしばし多くなってしまった気もする。
自己不安 ....
三日月がポキッと折れた。
それは神様の前歯によって。
誰もいない静かな高原
雨に濡れた五つの花弁
獣道に紫色の風が舞う
月は山に隠れ
見えるのは六連星だけ
一人分の星の束
墨があれば忘れずに
言葉を残すのに
草に隠れて手を伸ばせば ....
パリの妖精
第4話「コンコルド広場の妖精」
学校帰りにマカロンを買う子供
笑い声が風のように過ぎていく
一緒に遊んで欲しそうに
妖精が肩の横で飛んでいく
遠くにエッフェ ....
憎しみも
羨望も落胆も
今は山道の腐葉土やゴミムシの糞となって
ころがしておこう
葉がはかすかにさざめき
木の樹皮はなめらかにひかり
木漏れ日はさらさらと山道に塗されて
山道を歩く人 ....
いつも僕がパートタイムで
稼いでるなんてことを
だれが言って、笑ってるなんて
そんな情報はいらない
退屈な仕事を続けるのは
暇つぶしのつもりでも
いつか自分を食い殺すような
化け ....
みなとみらいを見渡す
横浜のビルのカフェで
ひとり珈琲を飲み
命日の近い詩人の生涯を偲ぶ
若き日に戦地で被弾し
負傷兵として帰国してから
九十三年の人生を終えるまで
か ....
果てしない豪雨のさなか、悲鳴を聞いた気がした
たぶん現実のものではないのだろう、けれど
おれは街路で耳をそばだてる、かなり昔、こんな歌があったなと
そう、思いながら
今日のすべてが粘ついた ....
死んだらどこそこで会おう、
なんて
言われて返事はしたけれど、
もちろんそんなところへ行くわけがない。
絶対行かない。
冗談じゃない。
俺はひとりでリゾートに行く。
冷えたビール ....
私の直感は当てにならない。
追うべきでない人を追うし、
好きになるべきでない人を好きになるし、
嫌いな人を好きだったと勘違いするし、
相性が悪いのに離れたがらないし
馬鹿で
無様で、
そ ....
プラスチックの
罪のない赤や青
まじりけのない黄色にみどり
青ざめてるピンク
地図を裂くように
飛ばしてきた、
ビールの泡が
はじけるみたいに
かるい期待
(そして失望) ....
パリの妖精
第3話「ムーラン・ルージュの妖精」
サクレ・クール寺院のてっぺん
十字架に座って街を眺め
星がやってくれば人ごみに紛れ
出来たばかりの赤い風車を覗く
貧しい画家 ....
流れ星
ひとしずく
ほほを伝わり
落ちてった
鈍い光
ちかりと
咲いて
掌の上
どん
ぴっちゃん
流れ星
ひとしずく
爆ぜて
飛び散り
....
しじみに砂を吐かせた。
僕もそろそろ白状しないといけない。
これさえあれば…
これは敗北を許される
敗北許可証
これさえあれば大丈夫。うん
途切れた天使の足跡…
その傍らに落ちている羽をペンにして
手紙を書いてみるのだ
天国へ飛び ....
わたしという器に
一塊のさびしさが盛られている
それは
昏い色をしているのだが
光の当たりようによっては
時に
ほのかに真珠光沢を帯びる箇所があったり
ほのかに虹色を帯びる箇所があっ ....
雨音のように
妖精の足音のように
今はもう無いはずの
ピアノが耳の奥で
海鳴りのように降る
目を閉じて幻覚に触れて
優しい声が指先に響いたなら
ソフトペダルを踏むあなたが
紫露草の ....
白詰草の畑で横になり
ミツバチの羽音を聞く
陽の妖精たちの
鱗粉が睫毛に降りそそぐ
甘い香りだけ頂く
そう私は香り泥棒
時間は鏡に写らない
写す事はできない
だけど
今こうしている間にも
刻々と経過している
人間はそれを計測するために
時計を発見し発明した
日時計
砂時計
などの原始的な時 ....
剥がされたとしつきが 白鳥の羽のしたに風をよんだ
はらはらと ふり 白く つもる
昏い 目の中のひかり と よぎるスカートの白が
したたるほどの夜明けを ゆっくりと通過していく
....
山口冨士夫のクロコダイルのライブDVDを見た
妻と娘は実家へ行っているので、爆音で
2008年のライブだけれど、
僕は確か、この日のライブを見ていたのだと思う
途中まで、あれ、僕の見たのは ....
珈琲とパイナップルをふるまわれて
味噌汁がのみたいと言って死んだ友を
ぼくはしばらく忘れてしまっていた
おおきな目的ってなんだったんだろう
ずいぶん恨まれそうな変心だ
家 ....
陽の光を遮る木々
無数の蝉の声は一つとなる
清涼かつ陰鬱な渓谷
私は一本道で迷子となる
ギンヤンマは乾くことを知らぬ土で戯れ
鴨は湧水足らぬ川で泳ぐことを諦める
涼しい風の中
....
家族や仲間と楽しく
過ごしている世間と違い
家族からは
存在しない者とされ
生まれてこの方
友達と呼べる者はいない
そんな自称詩人を残して
避暑地に向かった家族は
旅先から
「ど ....
お日さまをつかんだ
ちいさな手、まだ開かない開かない
蛍になるか、星になるか、それとも
お月さま、猫の瞳かもしれません
お日さまをつかんだ
ちいさな手、まだ開かない開かない
ギュッと握 ....
張り詰めたガラスはため息を吐くように割れていった。冬の静寂にすべて諦めたように、身を投げた人びとのように、ひと息に去りゆくものの気配に、なにが言えようか。握りしめた石を凍った池に投げつけていた幼い記憶 ....
紫外線量だけはいっちょ前に初夏の
寒いオホーツクの波間へ海鵜が潜って
ぴょこりと浮かぶ
嘴の一つが淡く 光った。
あれは
いつかの私の恋心だろうか……
潮風を爽やかに甘いだけだと思って ....
どこから入ってくるのだろうか?
この優しさは
見つめる葉っぱと僕の違いなど
なかったんだ
生命は世界にひとつで
しかも数ではあらわせない
生と死が混ざる暖かい渦から
それは流れだ ....
流星の親子が流れていく
暗い夜空になかよく
迷子にならないように
手をつないで流れる
赤ちゃんの手が離れ
小さな光が雲に落ちる
一人ぼっちで泣く流星
大きな泣き声は雷になり
....
君の事なら何でも知ってる。
お墓参りの線香を一本くすねた事も。
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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