松本さんは珍来のチャーハンが食べたいという
それにビールが飲みたいと
毎食ペーストと栄養飲料
牛乳だけの食事を希望したのは彼の意志で
病院からの強制ではない
ぼくはレバニラが食べたくて
昼 ....
大
吉
◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
声をやって女を呼び込み、彼女は私のところまで歩いて来た、が、それは{ルビ漠然=なんとなく}どこか真っ直ぐやって来たな、と私に思わせた。まぁ、{ルビ尋常=いつも}はこれほどまでに真っ直ぐやって来たとは ....
血なまぐさい系列の時代があり
生ぬるく溺れる時生続き過ぎ去り
混沌の渦巻きにまた
血なまぐさい系列が打ち寄せつつ
壊滅の前の静けさに
浜辺の優しい潮騒のにほひ薫る
ひたすらに走り廻る
....
ぱっつんに、
切られたつもり 失念さ
よくよく見るとガタガタ
揺られる心と蔑む顔
奈落の底に溜まりゆく辛酸
傾けて 流れ 湖になる刹那
硝子のコップは今 破ける
スワンはまだ ....
小雨降る中ランデブー
雨宿りの階上喫茶ラブでの一コマ
窓際のテーブルで向かい合わせの
コーヒーとアイスクリーム
煙草を吸う?なんて
カウンターへ駆けて行って
灰皿も貰えず
帰って来るとク ....
忘れかけた思い出だけを
抱きしめて君は出ていく
ほのかな想いを抱く女も知らず
憧れだけを頼りに
ベルの音が響くホームで
見送る人の影も無いまま
一人列車に飛び乗ったのは
朝もや立つ夏 ....
爪先を削る
無機質な画面を叩く堅い音
呆れたため息が
私の肺を締め付ける
まぶたと視線と身の振る舞いの速度と何
蛍光色と速度の愉快さが
ずっと続いてたらいいのに
終わる終わる終る
おわ ....
太陽は、くれなゐ
月蒼く
さうあつて慾しいこの繪だ
霧がその色を
奪つて
白けきつた朝
無色の太陽と月
だが繪
現實ではない
さう云つて慰められる
のなら、いゝけれど
貴女の愚痴 ....
ありの儘ではなく
何となく抽象的に云つたやうな色の
空、そこに
晝の月が
風に吹かれて懸かつてゐる
キュビズムの繪の家々
詰まらない、味がない事
夥しい
僕たちが生まれたのは
こんな ....
○「愛情とは」
愛情とは
見飽きないことである
恋人 赤ん坊 愛犬 愛猫┅┅┅見飽きない
○「修行」
自分でやるのも修行だが
やってもらうのも修行である
年を取ると後の修行が多くなる ....
このような異端的な発言が真剣に受け取られるためには
僕は後三十年、老けねばならなかった
というのが老いていいことの一つですかねぇ
他はいいことあまりないですねぇ
意識を拡張するのだ
こん ....
私
人の尊厳を奪い
生命を侮辱し
愛され
幸せを手に入れた
うつろいゆく日々の向こうに明日があるとは限らない
さまよい経る向こう見ずさも、なまなましさの遠いみらい
わたしはこんなにも
存在しているのに
遠い星々を掴めたことがない
かすかに聞こえる喉笛 ....
去年同じクラスで
ケンカって言うほどじゃないけど
ちょっとあって
それきりになってた子と
久しぶりに朝電車いっしょになってさ
私の中ではもう終わってたこと ....
それが 当たり前だと 思っている
神様の声が聞こえること天使が笑うこと悪魔とお話をすること人を殺すこと愛すること死のうとすること生きること
空から雨が降ってきてびっくりするのか ....
冥王星か、その衛星
しん、と冷え切った暗闇から
発射された一発の銃弾
娘の側頭部を目掛けて、一直線に突き進む
君に似て、目じりにほくろがあったなら、
何言うの、産まれたあとにできるのよ
....
空恐ろしい事に空がある
落ちて來さうな空が
實際それは杞憂なのだが
僕は何もかもうつちやつて
禱る、アーメン
南無阿弥陀佛
空は修羅
風吹き荒ぶ
本当は地獄なんぢやないか
僕は勘繰る ....
初詣が済んだのでおみくじを引く
小さな地域の小さな氏神さまが静かに祀られている小さな神社は
この日ばかりは少しの間だけ人混みで溢れている
ぼくはおみくじを引く順番の列に並ぶ
ぼくの並ぶ列はどう ....
長い連休はポリネシアン
重要なのは精神の結びつき
毎朝起きがけに軽い口づけ
慈しみを込めた愛撫
それ以上は何もしないと
同じ空間にいるだけで癒され
5日目の朝にはパワースポットが発現する
....
──韻律と、それを破壊するもの/詩歌の技法と、私詩史を通して
ころげよといへば裸の子どもらは波うちぎはをころがるころがる
相馬御風の歌である。それにしても、「この音は何だ」( ....
暗闇だった空に
朝陽が昇り
次第に青く
深く色付いて
あるものあるもの
なにもかも
ただかがやき
浮き彫りにされ
今に在り始める時 、
わたしと云う存在は
またこの世界に
一とし ....
馬鹿言うもんじゃないわよ
お熱を上げた坊やといっても
軽々しく言うべき言葉じゃないのよ
あたしは特別な感情で
寝た訳じゃないんだから
男と女の関係は
坊やが思う程綺麗じゃないわ
心と ....
雲はモクモクとして軽く柔らかく見える
時として重く見える
だが、固そうだと思った事はない
何故だろう
虹は綺麗だ
スッと天に立つ姿は自然が造りしアート
ゆっくり消えてしまうのに
柔ら ....
冬の温かい陽だまりの中で
背中を丸めて眠っている
猫になりたい
新しい、はあらたしい
秋葉原、はあきばはら
昔はさう訓んだ
どの位昔かは知らない
然し、朱樂管江と云ふ狂歌師の名は
江戸天明期には既に
あつけらかん
と云ふ言葉があつた事を
傳へる
....
成増の回る壽司屋だつたか
牡蠣フライの握り
なる物を出す
珍味!と品書きに書いてある
確かに珍なる一品
職人さんに頼んでみた
衣は少しゝなつと
牡蠣は飽くまでぷりぷりジューシイ
タルタ ....
虹の国
ヒバリは高く飛び
庭で虹を作って
笑いあったひかりの季節は過ぎた
あの虹は
偽物だったのかもしれないし
本物だったのかもしれない
空に虹が架かるたび
そこへ行ける気がして ....
フッ、フッ、フッ、フッ、ワッ、ハッ、ハクショ
フィクション、ファクション、ノンフィクション
クシャン、クシュン、クション
フィー、ファー、フィクション
ビィーーーーー、カッ ....
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