毎晩一枚づつ
花びらが落ちていく
新しい種を誰と蒔くか
恋占いをしているから
オペラグラスで
星のあやとりを見る
動物のしっぽ
鳥の羽根
プロポーズする人
二人肩寄せて
夜空の歌劇を覗いてた
舞台袖に用意されたのは
バニラのエッセンス
ワインに一滴落と ....
君と毎日同じ空間に帰ってきた幸せ。
絡めた君のか細い指、
君の面長な輪郭、背中、くびれ、
あれもこれも忘却に葬られてしまう。
きっといつか君の名前だって、
存在だって、忘れてしまう。 ....
めいけんのねっけんが
すたるくるして
のいちきれすき
ころてんする
かんきせんのしたで
たばこすいすぎて
たばこやめたのに
かんきせんのしたにたってる
はは
いやほんまに
....
わ、たし、のここ、ろにそっ、とふれるあ、なたの手はま、るでおおきな木、のこずえにやさし、くかたりかけるそよ、かぜのようでありそし、てあたたかくやがてすべ、てをつつみこむようになに、ごとかをささやきは ....
スキップは出来なくてもいい。
三途の川は歩いて渡るし。
眠れないから本棚を見た
背表紙が手招きする
私を手にとって下さい
そっと抜き取って下さい
その目で見つめて欲しいの
昨日買った本はテーブルで
自慢気な傍観者
でも本棚に席はない
....
レンガを敷き詰めたような
懐かしい色をした黄昏の海
赤く熟した太陽は海に落ち
静かな波打ち際にハマナス
火星のように赤く瞬き一つ
星が夜空に用意され
朗読会がはじまる
星の数だけ頁が ....
雲をひと掴みメレンゲにして
チョコレートを溶かして
レモンを一切れ
釜戸の小さな窓を覗く
膨れてきたら食べて頂戴
軽い気持ちはあっという間に
しぼんでしまうから
急いで食べて欲しいの ....
僕達の関係なんて、
たかだか青い春でしかなくって、
赤い糸なんて微塵も感じなかった。
ただそれだけだ。
花が咲いて、風に吹かれて、ただ枯れゆくように、
希薄な儚いものでしかなかった。 ....
耳を塞いで
音楽を聴いている
心をいっぱいに開かないと
聞こえてこないメロディ
やさしさ
とか
愛しさ
とか
切なさ
とか
刹那さとかが
入り交じって
この胸の奥底から ....
持ちきれないほどの
暖かい気持ちが
なんどもなんども老いたミュージシャンの胸を
叩き割ろうとしたから
とても遠いむかしのような
白い霧の朝のニュースを止めてでも
真空管ラジオに乗せ ....
高齢者の運転は危険だよって
母から車のキーを取り上げた
買い物に行けなくなっても
母は文句ひとつ言わない
ただ
バッテリーが弱るから
エンジンだけはかけてやってと
小さな声で頼まれた
....
西日で
黄色くはじける街は
水彩絵の具で描かれた空を
背負っている
窓から見える線路を
新幹線が走るたび
部屋の中がキラっと光る
反射する光で
列車が光のように速いのだと
....
海に潜り
息を全部吐き切って
胚を空にすると
体は砂底まで沈む
水が冷たくなって
辺りが暗くなって
とても怖いんだけど
そこで仰向けになって
見上げる海面の
美しさと言ったら ....
人のいっしょうは
苦の集積
だって本で読んでしまった
たしかにそうかもしんないな
だけど
誰も好きこのんで
苦しみをかき集めたりは
しない訳で
それならそれで
苦しみを楽しみ ....
さよならって言葉の意味はわからないけれど
なんだか悲しい
さよならって言った人に手を伸ばしたくなる
肩が痛い
もうずっと以前から痛かったような気もするし
肩が特に痛いことを日記に書き留めておこうと思った時ぐらいからは
丸一か月は過ぎた
色々対策を試みてみた
少し良くなった時もあり
悪 ....
ひとりの部屋に
はらはらと蛾がさまよい込み
白い壁に逆さまの
ハート模様をこしらえる
こんな日は
蛾にさえ心を慰められるものだ
浮き沈む日は山の間に
虫の囀ずりは蜃気楼のごとく
....
スマホを持つ流れで、自然とラインをインストールし、活用するに至っているが、
あれは何なのだろうか。
確かに、1通3円するメールを何度も交わすよりか便利だけど、
メールのやりとりで上手くいく恋が、 ....
おじいさんのシャツは、淡い色のワインレッド。青空の下で、しかめっ面。もしかしたら、そのシャツが似合わないと言われたのかも。気に入って買ったのに、嬉しくて持ち帰ったのに、「似合わないよ」って、言われた ....
秋の始まりの日に、僕は思い出と思い出とを仕分けしている。記憶と幸福とを峻別する。何が答えで何が問いだったのかを分からないから。神さまは時どき贈りものをくれるよね、僕たちの手のうえに。それがたとえ、失 ....
糸切り歯で糸を切ってみた。
ほんの少し、素直になれた気がした。
昨夜食べた若鶏のグリルが消化されない
一人なのに四人テーブルへ通されたため
分身の術で私、私、私、私だけの団らん
結局胃袋は一つだからキツかったね四皿
ディズニーアニメのアラジンに出てくる
....
詩
「あるなんでもない日」
空を白銀のかんざしが通りすぎてゆく
光と風とささやきを残して
ぼくは学校の屋上から彼らを撃った
どうしてそんなことをしたの
月曜日が嫌い ....
ストランドビーストはオランダの砂浜に居て
風を食べて生きる
自力で歩行する
尾もしなやかに動かす
風が強いと自ら危険を察知して
ハンマーで砂に体を固定するという能力まで持つ
人が乗 ....
小さな手で耳朶を摘まんで
鼻の先で羽ばたき
じっと目を合わせる
少しだけ泣いてたんだ
心配させたね
身体がとてもね
大きく広い葉だった松が
あんな細く針のような
葉になってしまうほ ....
逢えなくても
想いは過去形にはならない
いつか想いも自分自身も
空気に消えて飛んで行く
私の心の羽根一枚に
そっと触れて満月の森で
手のひらに置いたまま
星の軌道に包まれて眠る
羽 ....
古道の木陰に
小さなろうそくが咲く
陽の雫が木々を抜けて跳ねる
お地蔵の背中には神代文字
旅人がミゾソバを摘んで
妹の髪に挿して微笑む
ヒミコによく似合う花だね
妖精が言った
アマ ....
泣いて
哭いて
ひたすらないて
これでもかってぐらい 哭いて
僕は わらった
772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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